扁桃腺・アデノイドは切除すべき?大人が知っておきたい手術のメリットとデメリット
いびきの治療・治し方
2025.07.28
肥大した扁桃腺やアデノイドを取るメリット・デメリット!いびき治療になる?
このコラムの監修医師
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。

睡眠中のいびき改善、また発症している睡眠時無呼吸症候群(SAS)を改善するために、肥大した扁桃腺(へんとうせん)やアデノイドを取りたいと考えていないでしょうか。しかし、身体の部位を取り除くことに不安を感じている人も多いはずです。

この記事では、扁桃腺やアデノイドを除去するメリット・デメリットについて解説しています。いびき治療の方法にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

扁桃腺とは?どこにあるの?

喉を気にする女性

扁桃腺は、口を開いたときに見える「のどちんこ(口蓋垂)」からつながる両側面にある粘膜の部位です。

のどの奥にあるリンパ組織であり、細菌やウイルスといった病原体などから身体を守る免疫作用をもっています。なお体調不良等により免疫力が落ちてしまうと、扁桃腺が赤く腫れ上がり、喉周辺の痛みを感じやすくなるほか、喉周辺の気道が狭まりやすくなるのが特徴です。

アデノイドとは?どこにあるの?

鼻の画像

アデノイドは、口腔と鼻腔が接続する部位の鼻腔側にある粘膜の部位です。基本的にはのどちんこ(口蓋垂)の裏側にあるため、目視で確認することはできません。

なお正式名称を「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」と言い、前述した扁桃腺と同じように、体内に侵入した病原体を排除する役割があります。免疫力が落ちた場合、アデノイドが腫れて鼻づまりや口呼吸などの症状が起こる場合もあると覚えておきましょう。

扁桃腺やアデノイドが大きい人の特徴

暗い部屋の女性

扁桃腺やアデノイドが腫れている人は、外見にそれぞれ異なる特徴が現れます。以下より、肥大している人に起きる特徴を整理しました。

参考:
扁桃炎・扁桃肥大・アデノイド肥大|大阪医療センター診療ナビ

【扁桃腺が大きい人の特徴】口蓋扁桃が腫れている

扁桃腺が大きい人は、口を開いたときに扁桃腺の部位が赤く腫れています。普段の状態よりも喉の奥が狭く見えるほか、周辺の粘膜などと比べて赤みが増しているのが特徴です。

また、ものを飲み込む動作をしたときに、肥大した部位が痛みを感じることがあります。目視でチェックできることから、鏡の前で確認をしてみてはいかがでしょうか。

【アデノイドが大きい人の特徴】アデノイド顔貌になっている

アデノイドは口を開いても目視できないため、肥大していても気づけないと思われがちです。ただし、顔全体に「アデノイド顔貌」という特徴が出やすいという点に着目すれば、アデノイドが大きいか否かを判断できます。

アデノイド顔貌とは、通常の骨格と違い、顔全体に丸みを帯びる状態のことです。以下にアデノイド顔貌に起きやすい外見的な特徴をまとめました。

  • 下あごが発達しておらず首元まで曲線を描いている
  • 上唇が短い影響で口が半開きのように見える
  • 二重あごになっている
  • 顔全体が縦長く見える
  • 鼻が低く見える

また、口内では歯並びが悪いなどの特徴が現れる場合もあります。自身の外見に同じ特徴がないか確認してみてください。

扁桃腺やアデノイドが肥大している人はいびきをかきやすい

ベッドで眠る女性

扁桃腺やアデノイドが肥大している人は、それぞれが気道周辺にある影響で呼吸に関するトラブルを引き起こす場合があります。なかでも、多くの方たちに起きるのが睡眠中に不快な音が出てしまう「いびき」です。

なぜいびきをかいてしまうのか、具体的な理由を2つ紹介します。

扁桃腺肥大による喉いびき

扁桃腺が肥大すると、喉まわりの気道部が狭まる影響で、喉から音が出る喉いびきをかきやすくなります。

喉いびきは舌が喉側に落ち込んでしまう「舌根沈下」によってかくいびきのことであり、扁桃腺が腫れる影響で、少し舌が落ち込むだけでもいびきをかきやすくなるのが特徴です。

喉いびきの概要について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

アデノイド肥大による鼻いびき

鼻腔の内側にあるアデノイドが肥大すると、鼻腔が狭まってしまう影響で、鼻いびきをかきやすくなります。

なお、アデノイド肥大単体が原因になる場合もあれば、花粉症やアレルギーなどの影響による鼻炎などと重なることにより、鼻呼吸がしづらいせいで鼻いびきをかくケースも少なくありません。また、鼻が詰まっている影響で口呼吸が習慣化し、鼻いびきだけではなく喉いびきにつながる点にも注意してください。

鼻いびきの概要について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

大人になると扁桃腺やアデノイド肥大は改善しにくい

家族

扁桃腺やアデノイドは、外部から侵入してくる病原体を排除するための粘膜であることから、免疫力が弱い子どもの頃に肥大しやすいです。なお肥大したリンパ組織は小さくなりにくく、特に大人になると肥大した状態のまま改善しにくいと言われています。

なかでもアデノイド顔貌は、自力で治すことができません。大人になってからアデノイド肥大を改善するためには、特定の美容整形手術や矯正手術を受ける必要がある点に注意しましょう。

参考:
マイクロデブリッダーを用いたアデノイド完全除去の臨床的意義|J-Stage

扁桃腺やアデノイドを取るとどうなる?

手術のようす

肥大した扁桃腺やアデノイドを除去したいけれど、安全に治療できるのかわからないとお悩みの人も多いでしょう。以下より、扁桃腺やアデノイドを切除して口腔・鼻腔を広げるメリット・デメリットをまとめました。

肥大した粘膜を改善したい方は、事前知識としてチェックしてみてください。

扁桃腺やアデノイドを取るメリット

扁桃腺やアデノイドを切除すれば、気道まわりのトラブルを解決しやすくなります。詳しいメリットを3つ見ていきましょう。

腫れによる不快感が改善される

肥大した扁桃腺やアデノイドを切除すれば、腫れることによって起こる次のような不快感を改善しやすくなります。

  • ものを飲むときの喉の痛み
  • 息苦しさ

扁桃腺を切除することで「ものを飲むのが楽になった」「痛みが減った」という効果を期待できます。

一方、アデノイドを切除すれば「鼻づまりが解消された」「鼻呼吸での息苦しさがなくなった」という効果が出やすくなります。

扁桃炎関連の疾患が改善される

炎症や肥大を繰り返す扁桃腺やアデノイドを切除することで、それらが原因となっている感染症や呼吸障害のリスクを軽減できる場合があります。

「扁桃腺やアデノイドが腫れると体調を崩しやすい」とお悩みの場合は、根本原因を取り除く選択肢として、切除が検討されることもあります。ただし、扁桃腺やアデノイドは免疫機能にも関与しているため、人によっては摘出後に風邪などの感染症にかかりやすくなるケースも報告されています。

いびきや睡眠時無呼吸症などが改善しやすくなる

肥大した扁桃腺やアデノイドを切除することで、呼吸を妨げる組織が縮小され、いびきをかきにくくなり、睡眠時無呼吸のリスクを軽減できる可能性があります。特に扁桃腺やアデノイドの腫れにより息苦しさを感じていたり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していたりする場合には、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の根本治療としての効果を発揮するでしょう。

扁桃腺やアデノイドを取るデメリット

息苦しさやいびきの改善に効果のある扁桃腺やアデノイドの除去ですが、主に4つのデメリットに注意しなければなりません。

切除手術の痛みやダウンタイムにストレスを感じやすい

扁桃腺やアデノイドを切除する際には、メスやレーザーを使って直接粘膜を取り除くことから、施術中の痛みはもちろん、長期的なダウンタイムが発生します。なかには入院が必要な人もいれば、回復するまで日常生活に支障が出てしまう人もいるので、痛みが苦手な人は注意が必要です。

味覚障害や声の変化が起こる場合がある

扁桃腺やアデノイドを切除すると、粘膜部を取り除いた影響で味覚障害や声の変化といったトラブルが起きる場合があります。

声や味覚に関わる粘膜の部位であり、後から「今まで食べていたものの味が少し変わった」「声質が変わってしまった」と気が付く場合もあるので、あらかじめ理解したうえで施術を受けるようにしましょう。

強い痛みがあるのにもかかわらず改善しない場合がある

扁桃腺やアデノイドを切除すれば、気道部の違和感やいびき問題の解決を期待できますが、場合によってはすぐに再発するという人もいます。

なかには扁桃腺を除去した結果、代わりにほかのリンパ組織(アデノイドなど)が肥大するケースもあるようです。100%改善できる施術ではないと、あらかじめ理解しておきましょう。

呼吸器系の免疫防御力が落ちる

扁桃腺やアデノイドを切除すれば、呼吸のしづらさやいびき問題を改善しやすくなりますが、次のような免疫防御力が落ちやすい点に注意しなければなりません。

  • 未知のウイルス
  • 体力が低下している場合の感染

まず扁桃腺を取り除いても免疫自体は回復すると言われていますが、それは扁桃腺以外のリンパの働きによって補われるためです。免疫防御力には個人差がありますし、未知のウイルスに対する扁桃腺が担う免疫機能の重要性については、すべてが明らかになっているわけではありません。

免疫防御に関わる部位を取り除いた際には、施術後もしっかりと免疫力を高める対策を続けるようにしましょう。

扁桃腺やアデノイドを取らずにいびき治療なら「パルスサーミア」がおすすめ

男性医師

前述した扁桃腺やアデノイドを取る治療法のデメリットに、不安を感じている方も多いでしょう。

扁桃腺やアデノイドの切除に不安がある方や、喉のまわりの組織がたるむことで気道が狭くなり、いびきが悪化している場合には、パルスサーミアによる治療がおすすめです。以下より、パルスサーミアを使ったいびき治療の特徴を紹介します。

【パルスサーミアの特徴1】肥大した粘膜を引き締めて対策する

パルスサーミアは、軟口蓋周辺のゆるんだ粘膜を引き締めることで、気道の通りを改善しやすくする治療法です。切開や切除を行わずに粘膜を引き締めるため、体への負担が少なく、治療に対する心理的なハードルも下がります。
メスを使う治療に抵抗がある方や、まずは低侵襲な方法から試したい方には、パルスサーミアが選択肢のひとつとなるでしょう。

【パルスサーミアの特徴2】切除手術に比べて痛みやダウンタイムがほとんどない

パルスサーミアは「切らない」いびきレーザー治療であるため、粘膜部を切除する外科的治療と比べて、痛みがほとんどないのはもちろん、ダウンタイムもなくせます。翌日から日常生活に戻れるので、長期間の入院ができない、仕事を休めないという人も安心です。

<「パルスサーミア」の詳細はここからチェック>

気道周辺の腫れによっていびきをかいている人は、いびきメディカルクリニックへ

扁桃腺やアデノイドは、炎症して肥大することで息苦しさやいびきを誘発します。また、扁桃腺やアデノイドとは別に、気道が腫れているせいでいびきをかいている人も少なくありません。

メスを使わずに、喉の粘膜のたるみを整えて気道の通りを改善するような治療を希望される場合は、いびきメディカルクリニックの受診をおすすめします。無料相談も可能ですので、まずはお気軽に予約をご検討ください。

FAQ

よくある質問

扁桃腺とアデノイドは何が違う?
肥大した扁桃腺やアデノイドを切除するデメリットとは?

肥大した扁桃腺やアデノイドを除去することには、次のようなデメリットがあります。

  • 切除手術の痛みやダウンタイムがある
  • 味覚障害や声の変化が起こるかもしれない
  • 強い痛みがあるのにもかかわらず改善しない場合がある
  • 呼吸器系の免疫防御力が落ちる

健康や生活にも影響することがあるので、事前に理解したうえで施術を検討するのがよいでしょう。

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