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いびきは睡眠中に発生するため、自覚症状が少なく家族などから指摘されて気がつくものです。しかし、頻繁に自分のいびきで起きる人もいます。自分のいびきで起きてしまい、「いつも大きないびきをかいているのではないか」「何かの病気のサインではないか」と不安になる人もいるのではないでしょうか。
実際に、いびき改善のために病院で検査を受けて、ある病気が判明したケースも多いです。そこで今回は、自分のいびきで起きる理由や、いびきの改善方法・治療方法などについて解説します。また、いびきで悩んでいる女性のために、女性特有の原因なども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
自分のいびきで起きるのはなぜ?

多くの人は自分が寝ているときの状態を知らないため、いびきをかいていても気が付きません。しかし、いびきの回数が多かったり、無呼吸により息苦しくなったりすると覚醒してしまいます。自分のいびきで頻繁に起きている人は、睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性があるため注意が必要です。
いびきの原因
いびきの種類には、次の2つがあります。
・単純性いびき
・習慣性いびき
単純性いびきは、お酒を飲んだり疲労が溜まったりしたときに発生するいびきです。鼻づまりの際に発生するいびきも単純性です。単純性いびきは、原因となる飲酒や疲労を取り除けば、症状が改善します。単純性いびきの場合、いびきの症状は重くなく、睡眠や健康にはあまり影響しません。
飲酒をしていなくて、疲労もないのに日常的にいびきが発生する場合は、習慣性いびきに分類されます。習慣性いびきは、睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は朝までいびきが続くことがあり、自分のいびきで起きる原因になるのです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の見分け方
睡眠時無呼吸症候群を見分けるには、いびきの変化に注目してください。睡眠中は自分のいびきを認識できないため、録音や家族に聞くなどしましょう。睡眠時無呼吸症候群のいびきの特徴は、以下の通りです。
・いびきが止まり、しばらくした後に息が激しくなる
・いびきが長時間続く
・仰向けで寝るといびきが大きくなる
・いびきの音が大きくなる
上記のようないびきが発生すると、単純性いびきではなく睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群が悪化すると命にも関わるため、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。いびきを専門とする「いびき外来」や、耳鼻咽喉科などで検査が可能です。
参考:
無呼吸なおそう.com|いびきの話
ココカラクラブ|2022年3月19日 恥ずかしくて相談できない!「いびき」をかきにくくする方法
自分のいびきで起きるときの症状

自分のいびきで起きてしまうと、睡眠時だけでなく日中にも異変が発生します。ここでは、いびきで起きてしまうと、どのような症状が出るのかを解説します。
睡眠時の症状
いびきで夜中にたびたび目が覚めると、「また眠りにつけるかな」と不安になり、入眠障害になるケースがあります。入眠障害とは、布団に入ってもなかなか寝付けずに、入眠するまで30分~1時間以上かかる状態です。入眠障害になると眠りにつけないことでストレスを感じ、さらに眠れなくなってしまいます。
また、無呼吸状態になると息苦しさからストレスを感じて、寝苦しくなります。寝汗をかくケースもあり、身体を休めるはずの睡眠で体力を使ってしまいます。また、夜中に何度も覚醒すると交感神経が刺激され、夜間頻尿に繋がります。
寝起きの症状
いびきで夜中に何度も覚醒すると、睡眠の質が下がり体力が回復しないため、起きた瞬間から疲労や頭痛がある人もいます。いびきをかくと身体に取り込まれる酸素の量が減少して、低酸素状態になります。低酸素状態は高血圧を引き起こし、脳卒中や心臓病など命に関わる病気に繋がるので注意が必要です。
日中の症状
睡眠の質の低下は、日中に強い眠気をもよおします。仕事中に居眠りをしたり、集中力が欠けてミスをしたりすることで、昇進などに悪影響が発生します。これらの症状は、うつ病と似ているため、睡眠時無呼吸症候群とは判断されないケースもあります。
参考:
運輸・交通SAS対策支援センター|こんないびきは要注意
自分のいびきで起きるのは女性に多い?

眠っているときの大きないびきに気が付かず、家族やパートナーから指摘され、恥ずかしい思いをする女性は多いです。友人との旅行や新幹線など移動中に、「眠るといびきが出るのではないか」と心配で、安心して眠れない人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際は女性よりも男性の方がいびきをかきやすい傾向にあります。その理由は、体型や気道の長さ・舌の大きさなどによるものです。しかし、いびきは体系的な要因の他に、ホルモンの分泌量も大きく影響します。
女性は閉経する少し前から、女性ホルモンの分泌量が減少します。女性ホルモンが減少するといびきをかきやすくなり、年齢とともに女性のいびきをかく割合が増していきます。睡眠時無呼吸症候群も男性の方が有症率は多いですが、閉経期以降は女性の割合が増えます。
参考:
ふとん・寝具の西川|2023年2月28日 更年期だけではない?女性の「いびき」の原因と即実行できるいびきの対処法
自分のいびきで起きなくする方法

いびきを軽減して睡眠中に覚醒しないようにするには、横向きに寝る・減量するなどの方法があります。ここでは、自分のいびきで起きなくする方法を解説します。
横向きに寝る
いびきは、空気の通り道である気道が、さまざまな要因により狭まり発生します。仰向けで寝ると重力により舌根沈下が発生して、気道が塞がりやすい状態になります。そのため、横向きで寝ると気道が塞がりづらくなり、いびきを軽減可能です。
横向きで寝るには、体制をサポートしてくれる抱き枕が有効です。抱き枕を使用した際に、頭と体が平行になる商品がより効果的です。
生活習慣を改めて減量する
肥満体型の人は、脂肪が気道周辺に付着して、いびきが発生しやすい状態になっています。アメリカの調査では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の70%が肥満であると報告されています。また、肥満指数(BMI)が高くなるほど、睡眠時無呼吸症候群の症状も重症化していきます。
そのため、生活習慣を改めて減量すれば、睡眠時無呼吸症候群の根本的な原因を解消することが可能です。減量の目安としては、体重kg ÷ (身長m)の2乗で計算されるBMIが適正体重とされる22になるまでです。BMI=22は最も病気にかかりにくい体重とされています。
減少の具体的な方法は、以下のようなものがあります。
・ジャンクフードをやめてバランスの良い食事をする
・定期的に運動をする
・規則正しい生活を心がける
急激に減量をすると、逆に身体を壊してしまう可能性があります。運動をする際は、ウォーキングなどの負荷が軽いものから始めて、慣れてきたら筋力トレーニングを取り入れるなどしましょう。また、急に食生活を変えるのはストレスがかかり、いびきを悪化させる可能性があります。まずは、ジャンクフードを食べる回数を減らすなど、緩やかに減量を実行してください。
部屋の湿度を調整する
空気の乾燥は鼻や喉が炎症を引き起こし、いびきを悪化させます。また、鼻や喉の粘膜が乾燥すると細菌やウイルスに対する抵抗が弱くなり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。風邪やインフルエンザは鼻づまりを引き起こし、口呼吸をするようになります。口呼吸は気道の筋肉が緩み、いびきが発生する原因になるのです。
部屋の乾燥を防ぐには、加湿器や濡れタオルなどで、湿度を調整しましょう。また、霧吹きでカーテンを湿らせることも効果的です。湿度調整は簡単にできるため、部屋の乾燥でいびきが発生している場合は、すぐにでも対策をしてください。
就寝前の飲酒をやめる
アルコールは筋肉を弛緩させる作用があり、喉の筋肉も緩まり気道が狭まりやすくなります。就寝前に飲酒をすると、いびきが重くなりやすいので注意が必要です。また、体内でアルコールを分解するには、大量の酸素が必要です。体内に酸素を取り入れるために呼吸が激しくなり、いびきが発生します。
就寝前の飲酒は、いびきだけでなく睡眠の質にも影響します。お酒を飲むと寝付きがよくなることがありますが、トイレの回数が増え、喉の渇きを感じて何度も覚醒してしまいます。結果的に睡眠の質が低下して、日中の眠気や集中力の低下を引き起こします。お酒を飲む量にもよりますが、飲酒は就寝の4時間前までにしましょう。
いびき防止グッズを活用する
いびきの症状が軽い場合は、ドラッグストアなどで販売されているいびき防止グッズがおすすめです。いびき防止グッズには以下のようなものがあります。
・疲労やストレスなど一時的ないびきに効果的なノーズシール
・筋肉の弛緩などにより舌が喉に落ち込むことが原因のいびきに効くマウスピース
・口呼吸を軽減する口呼吸防止シール
いびき防止グッズは、肥満の解消に向けて取り組んでいる人が、効果が出るまでの応急処置に向いています。いびきの根本的な原因を取り除けるわけではありませんが、いびき防止グッズは手軽に購入でき、病院で検査を受ける時間がない人でも活用できます。
自分のいびきで起きないための治療法

睡眠時無呼吸症候群が原因でいびきが発生している人は、病院で治療を受ける必要があります。病院での治療は、CPAP療法やレーザー治療など、種類はさまざまです。ここでは、睡眠時無呼吸症候群の治療法について解説します。
CPAP療法
CPAP(シーパップ)療法は、鼻に装着したマスクから気道に空気を送り、圧力により気道が塞がらないようにする治療法です。気道が開いた状態になれば、いびきが減少して睡眠の質が向上します。血圧を下げる効果もあり、脳卒中など命に関わる症状の軽減が可能です。
ただし、短期間の使用では効果が薄く、症状を改善するには数か月の継続が必要です。CPAP療法は、喉や目の渇き・マスクの違和感・耳鳴りなどが発生するケースがあり、短期間でマスクの使用をやめてしまう患者もいます。最初は違和感があるかもしれませんが、数週間~1ヶ月ほど継続すれば、ほとんどの人が慣れていきます。自分の判断で中止はせずに、根気強く使用を継続しましょう。
スリープスプリント
スリープスプリントは、下顎が少し前に出るように調整されたマウスピースです。睡眠時に装着することにより、気道が広がりいびきを軽減できます。いびき防止グッズのマウスピースと違い、スリープスプリントは歯科医師が診断を行ったうえで製作します。市販のマウスピースよりいびき防止効果が高いので、いびき防止グッズが効かなかった人にもおすすめです。
スリープスプリントは、CPAP療法と同じように装着時に違和感を持つ人がいます。違和感で吐き気をもよおして眠れなくなる人もいるので、全員にスリープスプリントが向いているわけではありません。ただ、小型で持ち運びに便利なため、旅行や帰省の際にも使用を継続しやすいというメリットもあります。
外科的手術
睡眠時無呼吸症候群の症状が重い場合には、外科的手術が選択されるケースもあります。外科的手術には、上顎と下顎を切って1mmほど前進させる上下顎同時前進手術や、口蓋垂と周辺を切除する口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)などがあります。
手術により気道が広くなり根本的な原因を解消できますが、術後は痛みに襲われる可能性があります。また、入院が必要になるため、仕事に追われる会社員などは手術を受けるのが難しいでしょう。
参考:
淀川キリスト教病院|睡眠時無呼吸症候群に対する外科的治療
レーザー治療(パルスサーミア)
パルスサーミアは、デメリットが少ない最新のレーザー治療です。睡眠時無呼吸症候群やいびきの原因となる部分にレーザーを照射して、咽頭を引き締めることで原因を根本から治療します。レーザー治療とは言っても切開や縫合が不要なため、ダウンタイムがほとんどなく、すぐに日常生活に戻れます。
パルスサーミアは3~6回程度の照射を定期的に繰り返すことで、効果が上がっていきます。治療時間は約15分で日帰りできるため、仕事や家事で忙しい人にもおすすめです。
自分のいびきで起きてしまう方はイビキメディカルクリニックへ

いびきが大きかったり、頻繁にいびきをかいたりすると、身体が音や振動に反応して目が覚めてしまいます。いびきには、疲労やストレスが原因の単純性いびきと、睡眠時無呼吸症候群が疑われる習慣性いびきがあります。
いびきを軽減するには、横向きに寝る・生活習慣を改めて減量する・部屋の湿度を調整する、などの方法があります。いびきの症状が軽いのであれば、これらの自分でできる工夫を試してみてください。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、CPAP療法やスリープスプリント・パルスサーミアなどの治療を受ける必要があります。
「手術は痛そうだから怖い」「仕事が忙しくて入院できない」など治療に不安がある人は、痛みが少なく入院の必要もないパルスサーミアを試してみてください。イビキメディカルクリニックは、無料カウンセリングを実施して、不安を取り除いたうえで治療を開始します。まずは、電話やメールにてお気軽にお問い合わせください。
【よくある質問】
Q.いびきが出る原因は何ですか?
A.肥満や飲酒による筋肉の弛緩により気道が狭くなり、空気が抜ける際に振動することが原因です。顎が小さいなどの身体的特徴により、いびきが出る人もいます。
Q.異常ないびきは病気ですか?
A.睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群のいびきは、仰向けで寝るといびきが大きくなるなどの特徴があります。心当たりがある人は、早めに病院で検査を受けてください。