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閉塞性無呼吸症候群(OSAS)について、原因から治療まで徹底解説!

2024.02.13

閉塞性無呼吸症候群(OSAS)について、原因から治療まで徹底解説!

「最近いびきをかくようになった…」
「たまに息苦しさで夜中に目を覚ますことがある…」

このような症状にお悩みの方はいませんか?もしかするとそれは、睡眠中にいびきや無呼吸症状を引き起こす「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」という睡眠障害によるものかもしれません。

この記事では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の症状と原因について詳しく解説したのち、治療が遅れることによって発症する合併症の危険性について解説していきます。

あわせて、医療機関を受診してから診断するまでの流れと治療法についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)について

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)について

睡眠中にいびきや無呼吸症状を引き起こすことで知られる「睡眠時無呼吸症候群」は、下記の3種類に分類されます。

  • ①閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
  • ②中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
  • ③混合型睡眠時無呼吸症候群(MSAS)

その中でも、最も私たちが耳にする無呼吸症候群は「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」と呼ばれ、その患者数は潜在患者数(症状があるにもかかわらず、医師の診断・治療を受けていない方)も含めて900万人以上いるとされています。

本章では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の主な症状と原因について解説していきます。

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)ついては、次の記事で解説しています。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の主な症状

閉塞性睡眠時無呼吸症候群を発症すると、慢性的な睡眠不足による倦怠感や熟睡感の欠如、日中の耐え難い眠気などを感じるようになります。

これは、睡眠中に気道が何らかの原因で狭められて無呼吸状態に陥り、その度に睡眠が妨げられることに起因します。

そして、OSASを発症する患者のほとんどは、狭くなった気道中を無理やり空気が出入りすることによって粘膜がふるえ、その結果大きないびきを発生させます。

こうした、気道の「閉塞」によっていびきや無呼吸の症状を引き起こすことから、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれています。

その他にも、OSASはさまざまな症状を引き起こします。代表的なものをまとめましたので、参考にしてください。

  • ほぼ毎晩いびきをかく
  • 家族や周囲の人に指摘されるぐらい大きないびきをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まる
  • しばしば、首を絞められたような窒息感で目覚める
  • 朝、目を覚ましたときにスッキリせず、熟睡感がない
  • 日中に強い眠気を感じる
  • 仕事の会議中などに居眠りをしてしまうことがよくある
  • しっかり寝たはずなのにいつも体がだるい
  • 夜中に2回以上尿意で起きる
  • 寝汗をかく
  • 寝相が悪い
  • 血圧が高い など

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)主な原因

OSASによっていびきや無呼吸が引き起こされることは上記で解説しましたが、なぜ睡眠中に気道の閉塞が起きるのでしょうか?

最も多い原因は、肥満による気道の狭窄です。

肥満になると、腹部だけでなく首周りや舌、喉にも脂肪が蓄積します。その結果、気道が通常よりも狭い状態になり、より気道閉塞によるOSASが発症しやすくなります。

また、日本人はあごの骨格に次のような特徴を持つ方が多いため、少々の肥満でもあっという間に首周りに脂肪がつき、気道を狭めてしまうことも患者を増やしている要因とされています。

  • 首が短くて太い
  • 下顎が小さくて、奥まっている
  • 小顔

これに加え、日常的に飲酒や喫煙をしている人、鼻炎などで鼻づまりが起きている人、歯並びが悪い人も、OSASを発症しやすいという報告もあります。

いびきをかきやすい人の特徴は、次の記事でも解説しています。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の放置は非常に危険

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の放置は非常に危険

OSASは、周囲に影響を与えるほどの大きないびきをかくにもかかわらず、自覚症状が乏しいのが特徴です。それにより、治療を後回しにされることが多いですが、重症化すると命を脅かす危険な合併症を次々と発症するようになります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が原因となる合併症

OSASは、睡眠中に何度も無呼吸を起こすので、脳はたびたび低酸素状態に陥ります。すると、脳は酸素を確保するために呼吸を再開させますが、このとき交感神経が優位になることで血圧が上昇します。

これが何度も繰り返されることで発症するのが、高血圧です。

高血圧はさまざまな疾患のきっかけとなり、血管に強い負荷がかかり続けると、血管が脆くなって「動脈硬化」が起こります。

この動脈硬化は、やがて狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などに発展する危険性があるので、OSASの発症に気づいたらすぐに医療機関を受診して治療を受ける必要があります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)による交通事故リスクも重大

合併症に加え、OSASは慢性的な睡眠不足による交通事故リスクも重大だとされています。

OSASは、寝ている間に無呼吸を繰り返すことで慢性的な睡眠不足に陥りますが、本人には「最近ちょっと寝不足だな…」や「何だか最近疲れが取れないな…」程度の自覚しかありません。

ですが、OSASによる日中の眠気は、確実に判断力や集中力を招きます。そして、最悪の場合は交通事故や重大な労働災害などを引き起こし、社会に大きな損害をもたらしてしまうのです。

実際、過去にも車・バス・トラック・電車などの運転手が、無呼吸を発症しているにもかかわらず業務を続けたことで事故を起こし、死傷者が出た事例が多数報告されています。加えて、こうしたOSASによって生じる経済的損失は3.5兆円になるとの試算もあります。

このように、OSASがもたらす被害は個人の健康被害だけにとどまらず、ひいては交通事故をはじめとする社会全体のリスクにまで影響を及ぼします。

ですので、OSASを「寝ている間にいびきをかく病気」と甘く考えるのは大変危険です。少しでも発症の兆しがあれば医療機関を受診し、専門医の治療を受けることを最優先に考えるようにしてください。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の検査・診断法

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の検査・診断法

OSASは、睡眠中に無呼吸に陥り、いびきや慢性的な睡眠不足を引き起こす疾患ですが、治療の遅れは致死率の高い合併症に至るだけでなく、交通事故や労働災害などによる社会的な経済損失にもつながる危険性があります。

ゆえに、医療機関の早急な受診が大変重要になりますが、OSASはどのように検査・診断が行われるのでしょうか?一般的な診断に至るまでの流れを解説していきます。

①問診

病院を受診すると、まず問診を行います。

問診では、昼間の眠気の度合いや既往歴、体調変化に加え、OSASに特徴的ないびきの有無などを重点的にチェックしていきます。

②簡易検査(スクリーニング検査)

問診で無呼吸の疑いがあると判断された場合は、簡易検査(スクリーニング検査)に進みます。

この検査では、医療機関から借りた検査機器を自ら取り付け、自宅での睡眠中にいびきや無呼吸の出現が見られるかを調べます。

検査の結果、AHI(無呼吸低呼吸指数:1時間あたりの無呼吸と低呼吸の出現回数)が40以上だとその場で重症のOSASと診断され、精密検査は行わずにすぐに治療のフェーズに進みます。

反対に、検査の結果が40未満の場合や、より詳細な検査が必要と判断された場合は、最後の精密検査に進みます。

③精密検査

精密検査で行われる「終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査」は、簡易検査とは異なり、医療機関に一泊して行われます。

検査項目も簡易検査時よりも格段に多くなり、いびきや無呼吸の出現の測定に加えて、血中酸素飽和度、胸部腹部の動き、脳波、心電図、筋電図、眼電図なども測定し、より詳細な睡眠時の状態を確認します。

この検査の結果、AHIが5未満で正常とされ、5以上15未満で軽症、15以上30未満で中等症、30以上で重症のOSASと診断されます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療法

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療法

診断の結果、OSASと診断されたら、次は治療の段階に進みます。

現在のOSAS治療では、CPAP治療を基本として、マウスピース治療、外科手術、そして生活習慣の改善を行っていくのが主流です。

CPAP

「CPAP(シーパップ):経鼻的持続陽圧呼吸療法」は、鼻に装着したマスクから空気を送り込み、睡眠中の気道を開存させて無呼吸が起こらないようにする治療法です。

本治療を適切に行うことで、睡眠中の無呼吸やいびきが徐々に減少し、熟睡感が得られてすっきりと目覚めることができるとされています。また、治療を継続することで夜間に尿意で起きる回数が減ったり、生活習慣病に改善が見られたりするなどの報告もあります。

しかも、CPAP治療は健康保険が適用されるため、費用の負担も少ないと言われます。

ですが、CPAP治療は装置に慣れるのに時間がかかったり、定期的な外来受診が必要になったり、装置のメンテナンスを患者自身で行う必要があったりなど、不便な点も多いです。

何より、CPAP治療を実施できるのは検査で中等症〜重症のOSASと診断された場合のみで、軽症の患者には基本実施しないことになっています。

ゆえに、こうしたデメリットがあることを把握したうえで、担当の医師とよく相談し、治療方針を決定していくのが大切でしょう。

マウスピース

マウスピースは、歯に装着して使用する歯科装具で、「スリープスプリント」と呼ばれることもあります。

これを歯にはめて就寝することで、下あごが上あごよりも前方に出た状態になり、舌が落ち込んでいびきや無呼吸が発生するのを防ぐことができます。

本治療法のメリットは、何よりもその手軽さです。先ほど解説したCPAP治療は、大掛かりな装置を毎晩用意し、なおかつそれに慣れる必要がありました。

ですが、マウスピースはつけて寝るだけなので、とても手軽に使用することができます。また、メンテナンスもマウスピースをきれいに洗うだけなので、手間も抑えられます。

ただし、治療の対象は軽症〜中等症までのOSAS患者で、重症の場合は対象外なので注意が必要です。

外科手術

重度のOSASで、なおかつCPAP治療では効果が見込めない場合に限り、外科手術を行う場合があります。

例えば、あごの形状が無呼吸の原因となっている場合は、「口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)」で口蓋垂(のどちんこ)とその周辺の口蓋を切除して、気道の狭まりを解消します。

他には、扁桃肥大や鼻中隔湾曲症などが見られる場合も外科手術が実施されることが多いです。

ただし、外科手術には激しい痛みを伴ったり、術後に日常的な食事や生活ができなくなったりといったデメリットがあります。また、他の治療法に比べて費用負担も大きくなる傾向にあるので、実施する際は担当医と十分に話し合ったうえでの決断が必要です。

生活習慣の改善

OSAS治療では、CPAP治療、マウスピース治療、そして外科手術の3つの方法から、重症度や原因によって最適なものを選んでいくのが定番ですが、これらの方法とあわせて重要になるのが生活習慣の改善です。

前述したように、OSASを発症する原因の多くが肥満であるため、どんなにその患者に合わせた治療を行っても、肥満を解消しなければ無呼吸の再発につながることがあります。

実際、医療機関でも肥満症の患者の場合は治療プランに生活習慣の改善が含まれることが多いです。

具体的には、食生活の改善を中心に、運動療法や規則正しい生活を取り入れて、肥満解消を目指します。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療はいびきメディカルクリニックへ

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療はいびきメディカルクリニックへ

いびきメディカルクリニックは、いびき・睡眠時無呼吸症候群の根本改善を目指す専門クリニックで、当院で行っているパルスサーミア治療はたくさんの患者様にその効果を実感していただいています。

当院の受診を検討されている方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。

専門のスタッフが治療のスケジュールや費用について詳しくご説明させていただきます。また、「どれくらい効果があるのだろう?」「ちゃんと治るのかな…?」など、お客様が不安に思われることにも丁寧にお答えさせていただきます。

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まとめ

まとめ

今回は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)について解説しました。

睡眠中の気道閉塞によって発生するOSASは、睡眠時にはほぼ毎回大きないびきが発生しますが、本人にはその自覚が乏しく、発症が見過ごされがちです。

しかし、OSASは危険な合併症の原因になることがあり、また慢性的な睡眠不足がもたらす居眠り運転は甚大な交通事故や労働災害に発展するリスクもあります。

少しでも症状に心当たりがあったり、いびきを指摘されたりした場合は、すでに病状が進行しているかもしれません。その際は、速やかに医療機関を受診し、専門医による治療を受けるようにしてください。

【よくある質問】
Q.OSASとはなんですか?

A.OSASとは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群のことです。睡眠中にさまざまな原因で気道閉塞が起きると、空気の通り道が狭くなり、いびきや無呼吸の症状が現れます。

Q.閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は治療しなくても大丈夫ですか?

A.OSASは治療が遅れると心筋梗塞や脳卒中などの合併症を引き起こす可能性があるので、速やかな治療が必要です。

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