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いびきをかく原因は人それぞれ異なりますが、いくつかの原因が重なっている可能性があります。
そのため、原因を明確にしてから対策方法を検討すると良いでしょう。
そこで、いびきの主な原因と、自宅でできるいびきの治し方を紹介します。
いびきのメカニズムと主な原因

いびきをかく原因は様々ですが、主にどのようなメカニズムでいびきをかくのか、いびきには病気の可能性があるのかについても詳しく紹介します。
いびきをかくメカニズム
大きないびきをかく場合、様々な原因が重なっている可能性があります。
夜にかく大きないびきは、上気道が狭くなって振動することによるいびきの可能性が高いです。
お酒を飲んだ後や風邪、花粉症、鼻炎で鼻が詰まっている時にかく一時的ないびきもあります。
しかし、長期間大きないびきをかき続けている場合には、口蓋扁桃の肥大やアデノイドの肥大といった病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
痩せ型の人でもいびきをかく
「肥満体型の人はいびきをかく」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、痩せていても、顔の骨格によってはいびきをかくことがあります。
特にアジア人女性は顎が小さかったり、歯の噛み合わせが悪かったりすることが原因でいびきをかくケースが多いです。
顎が小さく嚙み合わせが悪いことに加えて肥満体型の場合には、大きな音でいびきをかくこともあるでしょう。
若い頃からいびきをかいている場合には、骨格を確認する必要があります。
年齢によっては更年期障害の一種
基本的に、更年期は閉経から前後5年間といわれています。
人によって時期が異なり、40代には女性ホルモンの分泌量が一気に減少することも珍しくありません。
女性がいびきをかく場合、女性ホルモンの分泌量が減ったことが原因という例も挙げられます。
女性ホルモンは上気道の筋肉を収縮させる作用がありますが、更年期になり女性ホルモンの分泌量が少なくなると、気道が開きにくくなります。
そのため、40代50代の中高年の女性はいびきをかきやすいといえるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群
いびきが大きかったり、毎日いびきをかいたりするという場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まる症状です。
1時間あたりの無呼吸と低呼吸の総数が5回以上こえた場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
寝ている間に症状が出るため、自分では気が付かないことも多いですが、睡眠時無呼吸症候群の患者は300万人ほどいるといわれています。
睡眠時無呼吸症候群は治療方法があるため、しっかりと検査をして正しい方法で治療すれば改善できる可能性があるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心臓病や高血圧、脳卒中など重大な病気につながる危険性があります。
単純性いびき
単純性いびきとは、アルコールの摂取や鼻づまり、精神的な疲れが原因で一時的にいびきをかいている状態です。
アルコールを飲まないようにする、鼻づまりを解消する、ストレスを発散するなど、原因を取り除くことでいびきをかかなくなるでしょう。
いびきの治し方8選

いびきをかく場合、自分でできる対策をしましょう。
主ないびきの治し方を8つ紹介します。
横向きで就寝する
就寝時に仰向きで寝ると、舌が落ちて気道がうまく開かなくなり、いびきをかくことにつながります。
就寝時にベッドや壁に背中がつくようにすると、寝返りを打ちにくくなるため横向きで就寝できます。
睡眠中に仰向けになって舌が落ちることを予防できるでしょう。
いびき予防のツボを押す
人間の体にはたくさんのツボがあり、いびき対策に効果が期待できる「迎香」と「人迎」という2つのツボがあります。
「迎香」は鼻の脇にあり、刺激することで鼻づまりを解消する効果が期待できるため、一時的ないびきの対策になるでしょう。
「人迎」は喉仏の外側にあり、刺激することで首周辺の血流を促進し、首の余分な脂肪を燃焼する効果が期待できます。
いびき対策アイテムを使う
いびき対策グッズとして発売されている商品を試してみるのもおすすめです。
鼻づまりを解消する効果が期待できるテープや、唇に貼って口呼吸ができないように予防するテープなども発売されています。
また、マスクをして就寝することによって口の周りの湿度を保てるため、鼻づまりが原因の一時的ないびきの解消に効果が期待できるでしょう。
ほかにもいびき用のマウスピースは、下顎を前方に出すことで気道を広げる効果があります。
いびきの原因によって効果を実感しやすいいびき対策グッズは異なるため、まずは自分のいびきの原因を明確にすることから始めましょう。
肥満体型にならないようにする
肥満体型の方や、年齢とともに脂肪が増えたという方は、いびきをかきやすい傾向にあります。
適正体重になるようダイエットをすると、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状が軽減される可能性があるでしょう。
夜はお酒を飲まない
就寝前にアルコール摂取すると筋肉が緩むため、気道が塞がれることがあります。
就寝前にアルコールを飲まないようにすれば、いびきの予防・対策になるでしょう。
寝室の湿度を意識する
いびきをかきやすい人は、口呼吸をしていることが多いです。
口呼吸をすると口の中や喉が乾燥し、埃や塵も吸い込むため、喉が炎症を起こして気道が狭くなり大きないびきをかくことにつながります。
いびきを解消するために、部屋が乾燥しないよう湿度を保つことも重要です。
タバコを止める
タバコが上気道の粘膜を刺激し、炎症を起こして気道がむくみます。
常に炎症を起こしている状態になると気道の壁に厚みが出て、気道が狭くなるケースも多いです。
喉の痛みだけではなく、いびきをかくことにもつながるでしょう。
外科手術を受ける
口蓋扁桃肥大やアデノイド肥大などで上気道が狭くなっている場合は、外科手術で原因を取り除くことによって、いびきを解消する効果が期待できるでしょう。
また、海外では気道を拡張するために下顎や上顎を拡げる外科手術が行われています。
軟口蓋(鼻腔と口腔の間にある壁)を一部切除するといった方法もありますが、数年経つと治療した箇所の傷跡が原因で症状が再発するといったケースがあるため注意が必要です。
ナステント
寝る前にシリコンチューブを鼻にさして、上咽頭の気道を確保する対策方法です。
シリコンチューブは市販されていますが、実際に使う場合には耳鼻咽喉科医の同意書が必要です。
いびきの治し方を実践して負担を軽減する

気道が狭くなると一度の呼吸で空気が十分に肺に入らず、酸素が不足します。
そのため、酸素をさらに取り込もうとして大きないびきをかくようになるのです。
酸素が十分に取り込まれないと、体や脳に負荷がかかり、高血圧や生活習慣病になったり悪化したりといったことも起こります。
さらに、酸素が不足することで常に口呼吸をすることになり、風邪をひきやすかったり質の良い睡眠を取れなくなったりすることもあるでしょう。
いびきはこれらの病気や体の不調にもつながるため、早い段階で専門のクリニックで診断や治療をしてもらうことが大切です。
自己判断しないことが大切

いびきで悩む人のおよそ7割は、一人で悩んでいるという結果があります。
いびきの悩みは人に相談しにくいだけでなく、自分が就寝している間のことなので、家族やパートナーに指摘されてもどのような状態か自覚できないケースも多いでしょう。
しかし、いびきは様々な病気の原因になったり、すでに病気を引き起こしていたりするためにいびきをかいているといったこともあります。
就寝中のいびきを録音したり、家族やパートナーに録音してもらったりと工夫をして専門医の診断を受けましょう。
いびきの正しい治し方を知るためにクリニックへ相談しよう
いびきの診断や治療実績が多い専門医に相談すれば、治療や対策が必要か、いびきを解消するためにはどうすれば良いかをアドバイスしてもらえます。
一人で悩まず、専門クリニックに相談してみましょう。