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いびきを自覚していなくても、起床時に喉が乾燥している、喉が痛いという方は、就寝時にいびきをかいている可能性が高いです。
また、家族やパートナーに指摘されていびきをかいていることに気付くというケースもあるでしょう。
いびきをかいていると十分な睡眠がとれないため、自分のためにも家族やパートナーのためにも、いびきを止めなければなりません。
そこで、いびきの主な原因と、いびきを止める方法を詳しく紹介します。
大きないびきをかく原因は?

大きないびきをかく場合には、生活習慣に原因があったり、病気の可能性が潜んでいたりします。
まずは、大きないびきの原因を6つチェックしていきましょう。
睡眠時無呼吸症候群の可能性
いびきの音が大きい場合、睡眠時無呼吸症候群などの重い病気を引き起こしている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に上気道の筋肉が緩み、舌の根元が喉の奥に落ちて気道を狭くすることによって引き起こされます。
気道が狭くなると空気がスムーズに流れず、喉の粘膜が大きく振動するため、大きないびきが生じることになるのです。
睡眠時無呼吸症候群が元でいびきをかいている方は、いびきの音のみならず精神的、身体的に様々なトラブルが起こるリスクがあります。
疲れが溜まっている
疲れが溜まっているときにいびきをかく原因は2つ挙げられます。
1つは首周辺の筋肉が緩くなることです。疲れが溜まっていると、気道周辺の呼吸器系に関する筋肉が通常より緩み、舌の根元が喉の奥に落ちるため気道が下がります。
呼吸をした際に空気がスムーズに通らないため、空気抵抗によりいびきをかくことにつながるのです。
もう1つは酸素を多く取り入れようとすることです。疲れが溜まると、身体は疲労回復するために酸素を必要とし、多く取り入れるように働きます。
すると口呼吸をすることが増えて、軟口蓋が気道に落ちやすくなり、気道が狭めてしまうので、いびきにつながります。
疲れが溜まることは、いびきと関係が深いのです。
過度な飲酒
アルコールには筋肉を緩める作用があるので、摂取後気道周辺の筋肉が緩み、舌が落ちやすくなります。すると気道が狭くなり、いびきをかくことがあります。
さらに、アルコールは血流を良くする作用があることから、鼻の血管も広がり粘膜が腫れ、鼻づまりを起こしやすくなります。
鼻が詰まると気道が狭まり、口呼吸にもなるため、いびきの原因となるのです。
アルコールが原因のいびきは一時的な症状であり、アルコールを控えればいびきもおさまります。
体重の増加
体重が増えると、首の周辺にも脂肪が蓄積します。そのため、脂肪により気道が圧迫され、空気がスムーズに通らなくなり、いびきにつながります。
また、体重増加に伴い舌も大きくなるため、舌根が落ち込みやすく気道が狭くなり、いびきや無呼吸の原因となります。
鼻づまり
鼻中隔湾曲症や鼻炎は鼻づまりが起きやすくなり、いびきの原因になります。
また、花粉が飛ぶ時期には花粉症やアレルギー性鼻炎によって鼻が詰まり、口呼吸をしやすくなり、いびきをかくことが増えるでしょう。
スムーズに呼吸できない骨格
元々扁桃が大きい、顎が小さい、舌が大きいといった要素を持つ方は気道が狭い場合が多いです。
生まれつきの骨格などによって気道が狭いことから、いびきを生じやすいというケースも少なくありません。
いびきによって引き起こされるデメリット

いびきが元で、日常生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。いびきをかくことで起こる主なデメリットを2つ紹介します。
ストレスが溜まる
毎日大きないびきをかくと、その音で良い睡眠をとれなくなるため、主に家族の身体に大きなストレスがかかります。
家族の「いびき」に対する訴えで受診する人は多いです。
また本人も、自覚はないかもしれませんが、いびきによって目が覚めたり、寝付けなかったり、深い眠りにつけなかったりとストレスとなっています。
日中の活動に支障が出る
本人の自覚がなくても、大きないびきをかいていると脳が酸欠となり、睡眠の質が悪くなって、日中のパフォーマンスにも影響を及ぼします。
また、家族にもいびきの音で慢性的な睡眠不足を引き起こしてしまいます。
常に睡眠不足の状態になると、入眠障害や、寝ていても途中で覚醒するといった睡眠障害へつながる恐れがあるのです。
本人も家族も、毎日十分な睡眠がとれない状態が続くことによって精神的・体力的にストレスが蓄積し、日中の活動に悪影響を及ぼすでしょう。
それだけではなく健康を害するリスクもあるため、十分に注意が必要です。
自宅でできる!いびきを止める方法5つ

いびきの原因によっては、セルフケアで解消できる可能性があります。そこで、就寝中や生活習慣など、いびきを止める方法を5つ紹介します。
寝るときの姿勢
いびきを解消するためには、寝ている間でも気道をしっかり確保することが重要です。
寝るときの姿勢は、できるだけ横向きになるように意識しましょう。横向きで就寝することによって舌が喉の奥に落ちることがなくなり、気道を十分に確保できます。
しかし、日頃から仰向けで就寝している方は、横向けでは寝付けないということもあるでしょう。
また、横向きの体勢は腕や肩が圧迫されるため、よく眠れないという可能性もあります。
横向きで就寝するのが難しいという方には、仰向けで寝る姿勢になったときに自分の身体に合う枕を使うことが有効な方法です。
身体に合った枕を使う
仰向けで寝るときに高さがある枕を使用すると、顎が下がり首筋も曲がるため気道が狭くなります。
頭と背骨は正しい姿勢をとるとS字型になっているので、枕はそのS字型を保つことができる高さのものが理想的です。
自分の身体に合った枕を使うだけで気道が確保でき、いびきを解消できる可能性があるでしょう。
枕とマットレスの相性
マットレスと枕の高さやサイズが合っていないと、いびきを生じやすいだけではなく、身体が痛くなることもあります。
硬いマットレスを使っている場合には、自分の身体に適した硬さの枕を使うと良いでしょう。
また、マットレスが軟らかい場合には、枕は硬くて小さいものが適しているとされています。
マットレスは、商品ごとに身体の沈み具合の点で違いが出ます。
身体が沈んだ際に、首から背骨にかけてS字カーブになる、相性の良い組み合わせで枕とマットレスを用いましょう。
過度な飲酒を止める
就寝前や夕食の際に、お酒を飲むのをできる限り控えるようにしましょう。
お酒などでアルコールを摂取すると筋肉が緩んで、横になったときに舌の付け根が喉に落ち込み、気道を狭くするのでいびきにつながりやすいのです。
さらに、アルコールの成分を分解する際に酸素を消費するため、酸素を多く取り入れようと口呼吸になりやすくなります。
いびきを解消したいのであればアルコールの摂取を控えましょう。
鼻テープやマウステープで鼻呼吸をサポート
鼻呼吸しやすくするよう鼻骨の下あたりに貼る鼻孔拡張テープ、口呼吸予防に口を閉じて貼るテープなどが販売されています。
拡張テープは粘着力が高く、テープを鼻に貼ることによって鼻孔を広げて鼻呼吸をサポートするグッズです。
就寝中に寝返りをうったり枕や毛布で顔が擦れたりしても剥がれにくいことが特徴です。鼻づまりの多い方におすすめします。
口に貼るテープは、口を閉じていびきの原因となる口呼吸を予防することで、鼻呼吸を促します。
また、口呼吸を予防することは、喉や口の乾燥も防ぐことにもつながるため、風邪をひきやすいという方にも良いでしょう。
マウスピースを装着する
下顎が小さかったり、下顎が後ろに下がり気味だったりといったことが原因で、気道が狭まりいびきをかく場合には、マウスピースの装着をするのも良いでしょう。
マウスピースは顎が下がらないようできており、気道の確保をサポートします。
口呼吸をする癖がある場合にも、予防として用いることができます。
いびきを止める方法は医師のアドバイスを受けよう

いびきには裏に病気が隠れている可能性があり、慢性的な睡眠不足により生活に支障をきたすこともあります。
紹介した「いびきを止める方法」を試しても大きないびきが治らない場合には、専門のクリニックでご自身に合った「いびきを止める方法」の専門的アドバイスを受けましょう。