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シーパップとは?期待できる効果や使用上の注意点を解説!

「シーパップ(CPAP)」とは、睡眠時無呼吸症候群によるいびきや睡眠のお悩みを軽減する機器です。1998年に保険適用になった新しい機器のため、シーパップのことがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

シーパップは、即効性がありながらほとんど副作用のない治療法として、昨今注目を集めています。睡眠時無呼吸症候群を放置すれば、さまざまな合併症につながる可能性があるため、速やかに状況を改善することが欠かせません。

そこでこの記事では、シーパップ治療を採用することで期待できるメリットのほか、使用する際の注意点、またシーパップ治療にかかる費用についても解説します。睡眠時無呼吸症候群の症状にお悩みであれば、ぜひ参考になさってください。

シーパップとは?

シーパップは、睡眠時無呼吸症候群、通称SASの治療に用いられる治療法を意味します。

CPAP(シーパップ)はContinuous Positive Airway Pressureの略称です。シーパップを使った治療法は経鼻的持続陽圧呼吸療法(シーパップ療法)と呼ばれます。

シーパップは、医療機関やクリニックで広く活用されている睡眠時無呼吸症候群の治療法です。睡眠時無呼吸症候群のなかでも、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の症状を改善する治療法として有効で、睡眠の質の改善やいびきの軽減が期待できると報告されています。

参考:閉塞性睡眠時無呼吸症候群における経鼻的持続陽圧呼吸療法機器にて検出可能な残存呼吸イベントの信頼性

閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に上気道が狭くなることが原因で発生します。

舌の付け根や首や喉についた脂肪、肥大した扁桃腺といった、首周りの柔らかな器官が落ち込んで、上気道を塞ぐことが原因です。

なお上気道とは、鼻から肺につながる気道のうち、鼻から気管支のあたりまでを指します。

空気の通り道が塞がっていることによって、仰向けに寝ると大きないびきをかいたり、睡眠が浅くなって夜中に何度も目が覚めたり、といった症状が現れるのが特徴です。そして横向きに寝ると、いびきの症状が止まります。

睡眠時無呼吸症候群を患う人のおよそ84%が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群というデータもあります。

睡眠時無呼吸症候群の原因については、こちらの記事でも紹介しているので、ぜひご覧ください。
【睡眠時無呼吸症候群とは?】発症の原因や治療について

参考:
睡眠時無呼吸 最近のアプローチ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)について|ZONE
睡眠時無呼吸症候群

閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスク

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、激しいいびきや睡眠の質の低下、日中の倦怠感や判断力の低下につながるほか、次のような疾病のリスクがあるといわれています。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 心不全
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 末梢神経症

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、肥満であると考えられています。実際、肥満の人と肥満ではない人を比べると、肥満の人の方が閉塞性睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクが3倍以上高いというデータもあります。

しかし上記の疾病リスクは、肥満、非肥満を問わず発症する恐れがあると言われているため、十分注意が必要です。

参考:
閉塞性睡眠時無呼吸症候群 – 05. 肺疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

シーパップの仕組み

シーパップは、鼻部分に装着するマスク、ホース、加湿器といった機器で構成された機器です。マスクをバンドで鼻に固定し、空気を気道に送り込みながら睡眠をとります。

ホースによって本体機器とつながっているマスクを、バンドで固定しながら鼻に装着し、そのまま就寝します。睡眠中、絶えず本体機器から空気を送り込むことによって、物理的に上気道が塞がれるのを防ぐ仕組みです。

参考:いびき・無呼吸の治療 : CPAPの原理、成功のこつ
CPAP(在宅持続陽圧呼吸療法装置)をうまく使うために|睡眠医療センター|大阪回生病院

シーパップ治療で期待できる6つのメリット

シーパップ治療を取り入れることで期待できるメリットには、次のようなものがあります。

  1. 睡眠中の無呼吸状態やいびきが軽減
  2. 即効性がある
  3. 生活の質が向上
  4. 副作用がほとんどない
  5. 保険適用で治療を受けられる
  6. 自分に適した空気圧に調整できる

参考:快適な睡眠を実現!CPAP(シーパップ)ってなに? | 睡眠について | 羽毛リフォーム

1:睡眠中の無呼吸状態やいびきが軽減

シーパップを導入すると、寝苦しさや激しくいびきをかくといった症状が、大幅に軽減されると報告されています。

例えばいびきは、通路が狭くなった気道を強引に通過しようとする空気の振動によって発生します。

鼻から気管支あたりまでの空気の通り道である気道が狭くなると、狭い箇所を無理に通過することによって、空気の流れが激しくなります。いびきは、激しく流れる空気が粘膜を振動させて発生するものです。

シーパップを使うと、絶えず上気道に空気を送り続けることができます。睡眠中に気道が塞がる事態を防ぐことができ、睡眠を浅くするさまざまな不快症状の軽減が可能です。

参考:【医療機器体験談】睡眠時無呼吸症候群の患者体験談 – 医機なび ~就活生のための医療機器業界情報発信WEBマガジン~

2:即効性がある

シーパップの最大のメリットは、即効性があることです。

シーパップは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因である、上気道の閉塞を解消します。そのため早い場合では、シーパップを導入した日や数日のうちに、睡眠の質の向上やいびきの軽減といった効果を得られます。

参考:いびきのメカニズム | SAS対策支援センター – 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の総合サイト 医学博士平田 恭信 監修

3:生活の質が向上

シーパップを導入すると睡眠の質を大きく改善するため、集中力や判断力を取り戻し、活気ある日常生活を送ることができます。

睡眠不足は日中のパフォーマンスを大きく低下させることは、さまざまな研究からわかっています。睡眠不足が続くことによる睡眠負債が募ることによる、健康リスクも懸念材料です。

また激しいいびきは、人間関係に影響することもあります。特に隣で寝ているパートナーにとっては、毎晩続く激しいいびきは不快なものです。

いびきが解消されることによって、人間関係の向上も期待できるでしょう。

参考:日本人における睡眠負債の現状・問題点

4:副作用がほとんどない

体への負担が少なく、ほとんど副作用がないのが、シーパップ治療の大きなメリットです。

シーパップは、さまざまな要因で上気道が塞がれるのを防ぐために、空気を送り込むことで、睡眠中も正しく呼吸を続けられる状態に補助する装置です。空気を使って上気道が塞がるのを避ける仕組みのため、体に対する負担を最小限にしながら気道を確保することが可能です。

また薬品や手術を伴う治療ではないため、副作用の心配がない点も、大きなメリットです

参考:CPAP(シーパップ)治療 | SAS対策支援センター – 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の総合サイト 医学博士平田 恭信 監修

5:保険適用で治療を受けられる

シーパップ治療は保険適用で受けられます。経済的な負担を最小限にしながら、快適で健康的な睡眠を取り戻すことが可能です。

医療費の負担は、保険を適用した3割負担の場合、1ヶ月あたり5,000円程度です。

参考:CPAP(シーパップ)外来 | 睡眠専門 スリープクリニック | 東京 調布・銀座・青山・札幌

6:自分に適した空気圧に調整できる

シーパップでは、治療を開始する前にマスクや空気圧を自分仕様に調整します。快適に睡眠が取れる状態に整えてから自宅に持ち帰り、シーパップ治療を開始することができるので、機器の設定や空気の量の調整といった作業に困る心配がありません。

シーパップの操作方法やメンテナンスの方法も専門家から教わることができるので、機械操作に不慣れな人でも、安心して導入できます。

シーパップの弱点

睡眠時無呼吸症候群の症状を防ぎ、睡眠の質の向上やいびきの軽減に貢献するシーパップですが、使用に際しては次のような注意点があります

  • 睡眠時は必ずシーパップを装着する
  • 鼻呼吸でないと効果得られない
  • 肌に炎症が起きる可能性がある
  • 腹部に違和感がある
  • 毎日のメンテナンスが必須
  • 医療機関や専門のクリニックでの処方が必要
  • 毎月医療機関を受診する
  • 購入もできるが高価

睡眠時は必ずシーパップを装着する

シーパップは、毎晩必ず装着する必要があります。

シーパップはあくまでも対症療法にすぎません。睡眠時無呼吸症候群の原因を取り除く治療ではないため、シーパップの装置を外せば上気道が塞がり、眠りが浅い状態に戻るほか、激しいいびきが再発します。

就寝前にシーパップを着用することを、日々の習慣にしてください。またシーパップはコンパクトな装置です。外泊する際も持ち歩いて、就寝前に着用することが大切です。

なおシーパップは、最低でも1日4時間以上、週5日以上の使用が推奨されています。シーパップを装着せずに寝た場合でも、短時間でも使用した方が、まったく使用しないより効果が感じられる、という報告もあります。

医師や専門家の指示に従い、適切に装着してください。

鼻呼吸でないと効果得られない

シーパップの効果を得るためには、鼻から呼吸する習慣を身につける必要があります。

睡眠時無呼吸症候群の場合、上気道が塞がって十分な空気量を取り込めないことから、口で呼吸する癖が身についている場合も少なくありません。

常に鼻で呼吸できるようになるために、日中も口呼吸になっていないか意識し、鼻呼吸を習慣にしてください。

<h3>肌に違和感が起きる可能性がある</h3>

シーパップは、鼻にマスクを固定して使用します。睡眠中もマスクが外れないようにバンドで固定するため、肌が弱い人の場合まれに、汗やバンドの成分の影響が因で肌に違和感が感じられることがあります。

違和感が続く場合、マスクの形状や、バンドの強度が自分に合っていない可能性もあります。自己判断で対処せず、すぐにかかりつけの医療機関やクリニックにご相談ください。

腹部に違和感がある

鼻から空気を送り込むシーパップに慣れるまで、違和感を感じることもあるでしょう。特に口呼吸に慣れている場合、鼻から空気を機械で送り込むことによって、腹部に空気が溜まっていくような感覚になることもあります。

使用するにつれて慣れていく場合もあります。しかし空気圧の再調整が必要な可能性もゼロではありません。長期にわたって違和感を感じる場合は、医師や専門家に具体的な状態を説明し、対応の指示を仰いでください。

毎日のシーパップ本体へのメンテナンスが必須

シーパップは、毎日のメンテナンスが欠かせません。

鼻に装着するマスクや空気や呼気を通すパイプのメンテナンスを怠ると、水滴で汚れたり、カビが生えたりすることがあります。

衛生面で問題があるほか、機器の故障につながる可能性もあるため、毎日適切な方法でメンテナンスしてください。

シーパップのマスクを固定するバンドも、適宜洗浄が必要です。汗が溜まり、肌が荒れる原因になります。

シーパップ治療を開始する際、操作方法と共にメンテナンス方法も医師や専門家が説明します。それでも不明瞭な点があれば随時確認し、安全で衛生的にシーパップをご活用下さい。

医療機関や専門のクリニックでの処方が必要

シーパップ治療を開始する際は、必ず医療機関や専門のクリニックで処方を受ける必要があります。また、睡眠の妨げにならないよう、体の状態の確認やシーパップの空気圧の調整が必要なため、シーパップを使用する前に1日〜2日の検査入院が必要です。

検査についてはコチラのコラムでも解説しているので、ぜひご覧ください。
【睡眠時無呼吸症候群の検査】具体的な検査方法を解説

入院を伴うことから、シーパップ治療に対してハードルが高いと感じる向きもあるでしょう。しかし睡眠時無呼吸症候群は放置した場合、さまざまな生活習慣病や脳梗塞、心筋梗塞といった命の危険につながる疾病を併発する危険性があります。

シーパップは即効性があり、睡眠時無呼吸症候群による睡眠の質の低下やいびきを低減することが可能です。健康的な毎日を取り戻すためにも、医師や専門家の指導の元、安全で快適にシーパップを導入することをご検討ください。

毎月医療機関を受診する

保険を適用してシーパップ治療を受ける場合は、シーパップをレンタルし続けるために、毎月医療機関やクリニックで受診する必要があります。毎月の外来受診を怠った場合、シーパップ治療を続けられなくなることもありますので、ご注意ください。

毎月の受診は、シーパップ機器の使用状況を確認し、症状の様子を確認するために重要なものです。必要に応じて、空気圧の再設定をおこなうこともあります。

自分自身の体の状態をチェックし、シーパップをもっとも効果的な状態で使用するために欠かせないものです。毎月の受診が難しい場合は、2ヶ月に1回の外来受診でも可能としている医療機関やクリニックを探しましょう。また、最寄りの医療機関を紹介してほしい旨を、かかりつけ医に相談するのもよいでしょう。

参考:CPAP治療のよくある質問 | このはなクリニック

購入もできるが高価

医療機関やクリニックで処方を受け、シーパップの本体機器を購入することも可能です。

しかし、個人で購入する場合は保険が適用されないため、数十万円程度の費用がかかります。また鼻に装着するマスクやホース、加湿器といった消耗部品の交換や、装置の故障の際にも別途自己負担が必要です。

医療機関を受診したうえで、保険治療でシーパップを導入する方が、経済的負担を軽減できます。

ただ無呼吸の症状があるものの、検査の数値が保険適用数値に満たないため、シーパップ治療を受けられないというケースもあるでしょう。また、医療機関が遠方であるほか、多忙であるといった理由から、毎月医療機関を受診することが難しいことも考えられます。

シーパップ治療は、今後も長く続いていくものですから、保険治療でシーパップをレンタルするのではなく、自分専用の機器を購入することを検討するのもひとつの方法です。

根本的な改善をしたいならイビキメディカルクリニックへ

シーパップは、睡眠時無呼吸症候群による睡眠の質の低下やいびきといった健康被害をもたらす症状を軽減する機器です。保険が適用される治療なので、月々の経済的負担を軽減しながら、安心で健康的な睡眠を取り戻す効果が期待できます。

その反面でシーパップ治療に際しては、医師や専門家の指導のもと、検査入院を経て導入することは欠かせません。またシーパップを使い続けること、日々メンテナンスをすること、毎月の外来受診といった手間もかかります。

根本的な治療をしたいなら、イビキメディカルクリニックの「パルスサーミア」がおすすめです。

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更に詳しく知りたい方はぜひ、お問い合わせください。

【よくある質問】

Q.睡眠中にシーパップを外れてしまうがどうしたら良い?

A.鼻の通りが悪い、もしくは空気圧が合っていない可能性が考えられます。空気圧やバンドの強度も含めて再調整が必要です。睡眠専門の医療機関やクリニックにご相談ください。

Q.シーパップ治療は途中でもやめられる?

A.体重の減少などの影響で睡眠時無呼吸症候群が改善すれば、シーパップ治療を中断できるケースもあります。どうしてもシーパップが合わない場合は、歯科装具の装着で対応できるケースもあるため、睡眠専門の医療機関やクリニックにご相談ください。

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