【ナステントとは?】今話題のナステントは効果があるのか!?

いびきの治療・治し方
2022.10.27
ナステント

みなさんは「ナステント」という言葉を聞いたことありますか?「ナステント」はいびきの新しい治療法で、特にCPAP治療ではいびきの改善がみられなかった人の新しい選択肢として注目を集めています。ですが、どのような治療法なのかあまりよくわからないですよね?

この記事では、そもそも「ナステント」とは何なのか、どのようにしていびきの治療を行うのか、効果はあるのかについて、詳しく説明していきます。

そもそもナステントって何?

ナステントとは

「ナステント」とは、鼻にチューブを挿入することで睡眠時の気道を確保するという目的で作られた、一般医療機器です。柔軟性が高いシリコーン樹脂を使用した管を鼻腔内に装着することで、「いびき」の原因となる気道の閉塞を防ぎ、呼吸を助けます。

「えっ、鼻の中にチューブを入れるの⁉︎」と驚いたかもしれませんが、この「ナステント」は救急救命時の気道確保の手法を応用して設計されており、いびき治療の新しい選択肢として近年注目されています。従来の治療法、特に「CPAP治療」を継続することができなかった患者さんにとっては、吉報となる治療法です。

参考:
ナステントとは?

ナステントがいびきを止める仕組み

では、どうして鼻にチューブを装着することでいびきが止まるのか、「いびき」が発生するメカニズムと合わせてその仕組みをご説明しましょう。

「いびき」は大きく2種類に分けられます。1つ目は「喉いびき」です。これは、顔の骨格や加齢によって舌根部(舌の根元の部分)や軟口蓋、口蓋垂(のどちんこ)といった組織が「喉」の奥に落ち込んでしまうことで、狭くなったり閉塞したりして発生します。また、肥満が原因で気道の内側に脂肪がつくことによって、気道を狭めてしまうこともあります。

2つ目は「鼻いびき」です。このいびきは、いびきをかく原因が主に「鼻」にある場合に起こります。具体的には鼻詰まり(鼻中隔湾曲症、花粉症などのアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎などが原因)によって鼻の気道部位が狭くなり、そこを空気が通ることにより振動音が発生します。

上記のようにいびきには2つのパターンがありますが、「ナステント」はこの両方のいびきにアプローチすることができます。「ナステント」を装着すると、まず鼻から上気道にかけて空気の通り道が確保され、これにより鼻詰まりによって起こる「鼻いびき」を防ぎます。そして、「ナステント」の先端は口蓋垂付近まで到達するので、口蓋垂が落ち込んでもナステントと上気道との間に隙間ができるため、「喉いびき」の軽減につながります。

このように、「鼻」、「喉」で発生するいびきを共に防止・軽減することができる「ナステント」は、まさに一石二鳥の治療法であるといえるでしょう。

ナステントの特徴

それでは、「ナステント」の特徴を詳しくご説明します。

「ナステント」は、シリコーンでできた細長いチューブ本体に、ステンレス製のノーズクリッパーがついています。人肌とほぼ同じ柔らかさのシリコーン素材を採用しているため、鼻の中の粘膜を傷つけにくいです。また、鼻孔から口蓋垂までの距離や形状を考慮した湾曲したチューブと、先端に塗布された潤滑剤(80%以上が水分であるハイドロジェル)により、挿入時の違和感・抵抗感を軽減するよう工夫されています。

また、ノーズクリッパーは長時間留めてもしっかり固定され、かつ痛みを伴わない独自の「かえし構造」になっています。それにより、鼻柱(左右の穴を隔てている部分)にしっかりとノーズクリッパーが引っ掛かるので、睡眠中に外れたりずれたりするのを防ぐことが可能です。装着しても鼻からノーズクリッパーがわずかに見えるだけなので、鼻にマスクを装着するCPAP治療のように見た目に大きな影響を与えないという特徴もあります。そして、「ナステント」1本あたりの重さは約7gととても軽量で電源設備なども必要ないため、旅行時の携帯にも大変便利です。

ナステントはこんな人におすすめ

CPAP治療を苦痛に感じる人

「いびき」そして「睡眠時無呼吸症候群」の治療として最もポピュラーで、多くの医療機関で行われているCPAP治療ですが、その一方でいくつか弱点もあります。ナステントはCPAP治療とは異なる方法で呼吸をサポートするため、CPAP治療を断念してしまった方も使いやすいのです。

CPAP治療は鼻に装着したマスクに装置から空気を送り込み、持続的な陽圧状態を保つことで気道の閉塞を防ぐのですが、このマスクに慣れるのがかなり大変です。また、常に鼻から空気が送り込まれ続けているため、人によっては不快感を覚え、熟睡できないという不満の声も聞かれます。そして、マスクや空気を送り込む装置自体も大きく、電源設備がないと動かないため、自宅以外では使うことができません。他にも、「費用が高額」や「装置のメンテナンスの手間が面倒」といったデメリットもあります。このように、「マスクのわずらわしさ」、「装置の使い勝手の悪さ」などが影響し、治療を継続することができずに断念してしまうという人が多いという側面があるのです。

これに対し、「ナステント」は鼻の中にチューブを入れるだけなので、とても手軽に装着することができます。また、使い捨てのためメンテナンスも不要。大掛かりな装置や電源設備も必要ないので、自宅以外でも使うことが可能です。

CPAP治療にかかる費用については、こちらに記事で詳しく解説しています。

出張や旅行によく行く人

「ナステント」はCPAP治療のような大きな装置を必要としません。「ナステント」の重さ自体も約7gととても軽いので、持ち運びしやすいです。よって、宿泊先でもいびき対策をすることができます。

また、「ナステント」を装着しているところを他のお客さんやホテルスタッフに見られたとしても、ノーズクリップがほんの少し鼻から見える程度なので、気づかれにくいという利点もあります。

CPAP装置の電力供給が難しい場所で睡眠をとる人

長距離ドライバーや飛行機内など、中には長時間の電力供給が難しい場所で睡眠をとる人もいるでしょう。そんな人にも「ナステント」はおすすめです。

CPAP装置は、マスクを装着している間はずっと電力供給が必要ですが、「ナステント」は鼻にチューブを挿入するだけなので電気は要りません。そのため、車内やバス、飛行機の中などの移動中や停電時でも問題なく使用することが可能です。

保険適用外の無呼吸症状のある人

睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択であるCPAP治療ですが、実は治療が保険適用となるのは重症の場合に限られるのです。睡眠時無呼吸症候群の検査は主に自宅で行う簡易検査(簡易型睡眠ポリグラフィー検査)と、医療機関に一泊して行う精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査)があります。これらを行った結果、簡易検査で無呼吸低呼吸指数(AHI)が40以上、精密検査でAHIが20以上だと重症の睡眠時無呼吸症候群となり、CPAP治療の保険適用となります。

逆に、簡易検査でAHIが20以下だった場合、もしくは簡易検査でAHIが20以上40未満だったとしても精密検査の結果AHIが20以下だった場合は軽症の睡眠時無呼吸症候群だと診断され、CPAP治療の保険適用から外されてしまうのです。

このように、睡眠時無呼吸症候群の症状はあるけれども軽症であると診断された人に「ナステント」はピッタリです。「ナステント」の治療自体は保険適用外ですが、自費でCPAP治療を受けるよりは確実に安価な金額で治療を受けられるので、保険が使えず、治療費が高額だという理由でCPAP治療を断念した人にも「ナステント」はおすすめです。

参考:
ナステントとは?

ナステントの使い方

では、「ナステント」の使い方についてご説明します。
1. パッケージからナステントを取り出します。(滅菌パックに一つひとつ個包装になっています。)パッケージに記載されている番号順で開封すると、きれいに取り出すことができます。(開封するときは清潔な手で開けるようにしましょう。)
2. パッケージを開封するとすでに潤滑ジェルが塗られているので、ジェルが塗られた部分から鼻の穴にゆっくり挿入します。ナステントは、顔面に対して垂直方向に挿入してください。
3. ノーズクリッパーで鼻柱を挟み込み、外れないように確実に取り付けます。(専用アタッチメントを使用してください。)
4. 鏡の前で口を開けて、ナステントの先端が軟口蓋付近に到達していることを確認ください。
5. しっかり装着できたことを確認したら、そのままお休みください。
6. 起床後は、鼻からゆっくり抜き出して廃棄してください。(家庭ごみとして処分できます。)

参考:ナステントの使い方

ナステントのデメリット【5選】

さまざまなメリットがある「ナステント」ですが、以下のようにデメリットもあります。

痛みや違和感がある

「ナステント」装着時に痛みや違和感を覚える場合があります。確かに、チューブの素材は柔らかいシリコーンを使用してはいますが、鼻に挿入するときにツーンとした痛みを感じることがあるようです。また、鼻に挿入したあともチューブの先端部分が喉の奥に当たって違和感があったり、くしゃみや涙が出たり、中には吐き気を覚えたりする人もいます。

体の中にチューブを挿入するため、多少の慣れと我慢は必要と言えます。

参考:
ナステントとは?

医師による定期的な診察が必要

「ナステント」自体は医療機関に行かなくてもオンラインショップなどを通して簡単に買うことができますが、安全に、そして正しく使用する場合には医師による診断と定期的な通院が必要です。

鼻孔から口蓋垂までの距離には個人差があります。そのため「ナステント」は、120mmから145mmまで6種類(5mm刻み)の長さに加え、左右の区別、2種類の硬さを含めた24種類のバリエーションがあります。自分の鼻腔の形に合わない「ナステント」を使用することは、寝ている時の不快感につながり、いびき改善の効果を得ることができません。

そのため、面倒に感じるかもしれませんが、医師による正しいフィッティングと使い方の説明、そして経過観察のためにも定期的な診察が必要なのです。

参考:ナステントとは?

鼻に疾患のある人は使えない

鼻や喉に疾患のある人は、ナステントを使用できない場合があります。他にも、鼻出血しやすい人、鼻咽頭気道に出血、障害または疾病がある人も使用することはできません。

また、ちくのう症やアレルギー疾患のある人も、程度によっては使用できない可能性があります。これらの疾患を持っている人や思い当たる人は、必ず医師の診断を受け、指示に従うようにしてください。

参考:
ナステントとは?
Q&A|鼻チューブでいびきのない睡眠を|ナステント

費用はすべて自己負担

前述しましたが、「ナステント」は保険適用外なので、治療費はすべて自己負担になります。

ナステント本体の価格はおよそ3000円〜4000円台で、それほど高価なものではありません。ですが、検査費用や再診料なども考えると、それなりの金銭負担は必要だと言えます。

参考:
ナステントとは?

いびきの根本的な治療にはならない

「ナステント」の最大のデメリットと言えるのが、いびきの根本的な治療法にはならないということです。

確かに、狭くなった上気道に「ナステント」を挿入することで、上気道の間に空気の通りを確保していびきを軽減させることはできます。だからといって、「ナステント」を使い続けることがいびきの根本治療につながるわけではありません。その理由は、「ナステント」はあくまで空気の通り道を作っているだけで、狭くなった上気道を広げる役割はないからです。その証拠に、「ナステント」を使用している間はいびきが抑えられていても、「ナステント」を使用しなくなると再びいびきの症状が出るという人もいます。

つまり、「ナステント」はあくまでいびきの発生を抑え、悪化を防いでいるに過ぎません。ですので、いびきの「改善」には効果があっても、「根本治療にはならない」と言わざるを得ないのです。

参考:
Q&A|鼻チューブでいびきのない睡眠を|ナステント

イビキメディカルクリニックでは

そこで当院イビキメディカルクリニックでは、「パルスサーミア」治療を実施しております。「パルスサーミア」は当院オリジナルの最新いびき治療で、これまで多くの方がその効果を実感しています。

パルスサーミアとは

「パルスサーミア」とは、口蓋垂や軟口蓋にレーザーを照射し、粘膜の膨らみを取り除くことで、気道を広げていびきを改善するレーザー治療です。

だいたい3〜6回程度の照射からいびきが減少し、眠りが深くなりスッキリとした気分で目覚めることができるようになります。また、この改善効果は初回の照射からでも感じることができますが、2回目、3回目と治療を重ねることでよりはっきり変化を実感していただくことができます。

統計上では、初回の治療でも50%以上の方が効果を実感されています。2回目の治療後の統計では80%以上の方が改善を実感されています。個人差はありますが、1年~3年程度効果が持続し、さらに数か月に1度メンテナンスを行うことで、その効果を維持・向上させていくことができます。

参考:
いびきの治療法|イビキメディカルクリニック

パルスサーミアはここがすごい!

従来のレーザー治療は口蓋垂や軟口蓋をメスやレーザーで切り広げ縫合し、粘膜の膨らみを除去する手術を行っていました。しかし、切開手術で気道を切り広げるため出血も伴い、術後の数週間は強い痛みや食べ物が飲み込みにくくなるなどの長いダウンタイムがありました。

そこからレーザーの技術が進歩し、出血を伴わない「ナイトレーズ」という治療法が開発されました。おかげで痛みや長いダウンタイムはずいぶん解消されましたが、それでも術後の数日は食事や運動に気を使ったり、施術部の腫れや違和感を我慢したりする必要がありました。

しかし、そんないびき治療に革命を起こしたのが、この「パルスサーミア」です。「パルスサーミア」もレーザーを使用しますが、出血もしなければ痛みや腫れが現れることもほとんどありません。また、術後の喉の違和感もかなり抑えることができ、食事などに気を使う必要もないのですぐに日常生活に戻ることができます。加えて、手術時間も短く、約15分で終了するので会社などを休む必要もありません。

このように、最新の治療法「パルスサーミア」は効果、痛み、ダウンタイムなどすべての点において優れた結果をもたらします。

参考:
いびきの治療法|イビキメディカルクリニック

まとめ

「パルスサーミア」は、従来の治療のようなデメリットがほとんどなく、治療をしながら日常生活をストレスなく送ることができるのが最大の特徴です。入院して大掛かりな手術を受ける必要もなければ、器具や装置に慣れる必要もありません。これまでの治療法ではうまくいびきを改善できなかったすべての方に、自信を持っておすすめできる治療法です。

当院イビキメディカルクリニックは、いびきの治療に特化した専門医院です。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩むすべての患者様のお役に立てるよう、カウンセリング・治療を行っております。いびきにお悩みの方は、一度当院にご相談ください。また、お客様にご納得いただいたうえで治療に臨んでいただくため、初回のカウンセリングと初診は無料で行っています。治療を始める前に、治療の流れや費用について打ち合わせをしていただくことが可能です。LINE予約、もしくはWEBからご予約いただけますので、ぜひご活用ください。

【よくある質問】

Q. 「ナステント」って何?

A. 「ナステント」は、鼻にチューブを挿入することで睡眠時の気道を確保するという目的で作られた一般医療機器です。チューブ部分は柔軟性が高いシリコーン樹脂を使用しており、それを鼻腔内に装着することで気道の閉塞を防ぎ「鼻いびき」、「喉いびき」の両方に効果を発揮します。

Q. 「ナステント」のサイズは?

A. 人によって、鼻孔から口蓋垂までの距離には個人差があります。そのため「ナステント」は、120mmから145mmまで6種類(5mm刻み)の長さに加え、左右の区別、2種類の硬さを含めた24種類のバリエーションがあります。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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