【舌でチェック?】睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック診断!
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目次
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は夜間の睡眠の質が低下し、身体にさまざまな影響を及ぼすため、侮れない疾患です。「いびきで受診なんて」と思う方もいるかもしれません。本記事で紹介するセルフチェックを確認してみて、受診の目安にするとよいでしょう。
また、受診時にどのようなことをするのか、受診から診断までの流れも解説しているためご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?原因について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、寝ている間に呼吸が停止したり、いびきをかいたりすることで、身体に様々な影響を及ぼす危険性がある状態を指します。夜間の呼吸が不安定になるため、酸素の供給が減少し、心臓や脳に負担がかかります。
また、日中に強い眠気を感じたり、身体のだるさを感じたりすることで日常生活の活動も思うようにできず、生活の質も低下するでしょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因について紹介します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な原因を紹介します。
- 肥満
- 顎の骨格が小さい
- アデノイド
- 扁桃腺の肥大
- 喫煙
- 飲酒
上記の原因により、舌が気道に落ちやすくなったり、気道が圧迫されて狭くなったりすることで空気の通り道が狭まります。これがいびきや無呼吸につながり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)となるのです。
喫煙や飲酒は睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは関係ないように感じる方もいるかもしれません。
喫煙すると、気道が煙の影響で炎症を起こしています。炎症を起こすと気道が腫れ、空気の通り道が狭くなることで睡眠時無呼吸症候群(SAS)になるのです。
飲酒は筋肉を緩める作用があり、舌の筋肉が緩むことで気道に落ちやすくなり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)へとつながります。
自分に当てはまる原因はないか、確認しておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群の原因について、より詳しくは下記記事をご覧ください。
あなたの眠気は病気のサイン?睡眠時無呼吸症候群(SAS)を見分けるセルフチェック診断方法とは?

日中の強い眠気や倦怠感を自覚したとき、病気かどうか判断に迷うこともあるのではないでしょうか。睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかどうか、セルフチェックする方法を紹介します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック診断8項目
次の8つの項目を確認すると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があるかどうかが分かります。
当てはまる数字にチェックを入れてみましょう。
- 0:うとうとする(居眠りをする)ことは絶対にない
- 1:ときどきうとうとする(居眠りをする)ことがある
- 2:うとうとする(居眠りをする)ことがよくある
- 3:だいたいいつもうとうと(居眠りを)してしまう
状況 | 点数 | |||
---|---|---|---|---|
座って読書しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
テレビを見ているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
他の人もいる公共の場所で動かないで座っているとき (例:会議や映画館などで座っている) |
0 | 1 | 2 | 3 |
車に乗せてもらっているとき、 1時間程度休憩なしで乗り続けたとき(運転手ではない) |
0 | 1 | 2 | 3 |
午後休息をとるために横になっているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
座って人とおしゃべりしているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
昼食後(アルコールは摂取していない)静かに座っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
運転中、渋滞や信号待ちなどで数分間止まっているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
参考:
「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!|国土交通省自動車交通局
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック診断で分かること
セルフチェックの結果から、日中の眠気の程度を点数で評価し、病的な眠気かどうかを判断できます。
- 11点以上:病的な眠気の可能性がある
- 10点以下:病的な眠気とはいえないが、いびきや無呼吸を指摘されている場合は病的な眠気の可能性がある
点数が高いほど、睡眠時無呼吸症候群(SAS)につながる病的な眠気の可能性があると判断できます。セルフチェックの結果、点数が11点以上だった場合は、早めに専門医を受診するのがおすすめです。
10点以下の場合でも、日中に強い眠気を感じたり、いびきや無呼吸を指摘されていたりする場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を完全に否定はできません。心配な場合は受診がおすすめです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック診断は舌でも確認できる
舌やのど周囲の状態によって、睡眠時無呼吸症候群(SAS)になりやすいか確認することができます。鏡の前で舌を前に出し、のどの見える範囲によって睡眠時無呼吸症候群(SAS)の危険性が判断できます。
- 1度:扁桃、口蓋垂、軟口蓋が完全に見える
- 2度:硬口蓋、軟口蓋、扁桃の上部、口蓋垂が見える
- 3度:軟口蓋、硬口蓋、口蓋垂の根元が見える
- 4度:硬口蓋のみが見える
奥の組織が見えれば見えるほど空気の通り道が広いと判断できます。鏡を見ながら自分ののどを確認してみましょう。
参考:
いびき|Richard J. Schwab(University of Pennsylvania, Division of Sleep Medicine)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の受診の目安
セルフチェックで11点以上だった場合は、早めの受診をおすすめします。ほかにも、日中の強い眠気を自覚していたり、いびきや無呼吸を指摘されていたりする場合も、専門医の診察を受けておくと安心です。
かかりつけ医がある場合は、最初に相談してみましょう。
一人暮らしの方が睡眠時無呼吸症候群(SAS)かどうかをチェックする方法
一人暮らしの場合、夜間の様子は把握しにくいです。その場合は、日中の自覚症状をもとに受診を検討しましょう。日中の強い眠気や集中力の低下、倦怠感など日常生活に支障がある場合は、受診がおすすめです。
また、睡眠中のいびきを検知して録音してくれたり、睡眠の質を解析してくれたりするアプリを活用してみるのも有効です。
参考:
睡眠時無呼吸症候群とは?ぜん息・COPDと深い関わりがあります|独立行政法人 環境再生保全機構
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の受診から診断までの流れ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が気になり受診しようと思っても、受診してどんなことをするのか、医師にどのようなことを聞かれるのか不安に思う方もいるかもしれません。
ここでは睡眠時無呼吸症候群(SAS)で受診したときの診察の内容や、診断までの流れを紹介します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の受診から診断までの流れ①:問診
病院やクリニックに行くと、まずは問診票の記入からはじまります。質問内容は次のような項目が多いです。
- いつから
- どのような症状が出ているのか
- 高血圧や糖尿病などの持病はあるか
診察室で医師からは、問診票の内容をもとに更に具体的な症状や生活スタイルなどが聞かれます。受診する前に、日中の自覚症状はあるか、家族やパートナーにいびきを指摘されているのか、困っていることなどを医師に伝えられるようにまとめておくと伝えやすいです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の受診から診断までの流れ②:検査
問診の結果、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性が考えられると医師が判断した場合、詳しい検査が行われます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査は、寝るときに指先に機械を装着し、睡眠中の酸素濃度を調べるものです。自宅で検査できるものがほとんどであり、病院やクリニックから貸し出された機械を自宅に持ち帰って検査します。
検査の結果、更に詳しい検査が必要と判断された場合は、1泊入院して精密検査が行われます。精密検査は、頭部や腹部、足など様々な場所に機械を装着し、睡眠中の体内を詳しく調べます。自宅で調べた検査では睡眠時無呼吸症候群(SAS)と確定できない場合や、基礎疾患がある場合などに精密検査が行われることが多いです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の受診から診断までの流れ③:診断・必要に応じて治療開始
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されると、重症度に応じて治療が始まります。重症度は、無呼吸・低呼吸指数(AHI)の数値で次のように判断されます。
重症度 | 無呼吸・低呼吸指数(AHI) |
---|---|
軽度 | 5以上15未満 |
中等度 | 15以上30未満 |
重度 | 30以上 |
重症度や基礎疾患、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因など総合的にみて、治療方針が決められます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら生活習慣を見直そう

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因は、日常生活を見直すことで改善できるものがあります。次の内容を確認して、当てはまるものは実践してみてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら見直したい生活習慣①:体重増加を抑える
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と肥満は密接に関係しています。体重増加とともに体内に付着した脂肪が気道を圧迫し、空気の通り道を狭めることで呼吸が不安定になるためです。
肥満を指摘されている方や、BMIが高い方などは体重増加を抑え、適正体重を維持するように心がけましょう。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本呼吸器学会(43ページ)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら見直したい生活習慣②:寝る前の飲酒
寝る前の飲酒は筋肉が緩みます。睡眠中に舌の筋肉が緩むことで気道に下がり、いびきや無呼吸につながります。寝る前の飲酒は控えましょう。
飲酒習慣がある人は、ない人と比較すると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する危険性が25%増加することが分かっています。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本呼吸器学会(36ページ)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら見直したい生活習慣③:日常的な喫煙
喫煙は生活習慣病や呼吸器疾患に影響することは知られていますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)にも深く関係しています。
喫煙によりのどが炎症を起こし、気道が腫れることで空気の通り道を狭めているのです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合、禁煙することで重症化を予防することができます。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本呼吸器学会(72ページ)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら見直したい生活習慣④:寝るときの姿勢
寝るときは、横向きで寝るのがおすすめです。仰向けになると、舌が気道に下がりやすくなり、空気の通り道を塞ぎやすくなります。横向きに寝ると、舌が下がるのを予防できるため、空気の通り道が確保できます。
横向きで寝る習慣がなく、寝つきが悪いと感じる方は、次の方法を試してみてください。
- 首と肩の隙間を埋めるような高さの枕を使用する
- 背中にクッションや長い枕を入れて仰向けになるのを予防する
- 毎晩同じ向きで寝るように習慣づけて慣れさせる
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本呼吸器学会(72ページ)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら治療することも検討しましょう。以下に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な治療方法を紹介します。
治療方法 | 治療内容/特徴 | どんな人に適応されるか? |
---|---|---|
CPAP(シーパップ)療法 |
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マウスピース |
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手術 |
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ナステント |
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パルスサーミア |
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CPAP(シーパップ)療法やマウスピース、ナステントなどは対症療法であり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の根本的な治療にはなりません。一方で、いびきレーザー治療「パルスサーミア」は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の原因に対して直接治療を行うため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の9割以上を占める閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の根本治療が可能です。
いずれにしても原因を特定し、生活習慣の改善など適切な対策と並行していくことが重要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療については下記記事でより詳しく解説しています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が心配な方はいびきメディカルクリニックにご相談ください

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放っておくと、全身の器官に影響を与えます。日中の眠気や集中力の低下は、生活の質も低下するため、早期に原因を特定し適切な対処が必要です。
いびきメディカルクリニックでは、いびきに悩む方や睡眠時無呼吸症候群(SAS)が心配な方の相談に対応しています。いちど、ご相談に来院してみてはいかがでしょうか。
<いびきメディカルクリニックの睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療についてはこちら>
よくある質問
セルフチェックの数値が高かった場合や、日中の眠気・倦怠感・集中力の低下などの自覚症状がある場合は、受診をおすすめします。