睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状は?具体例をあげて分かりやすく解説!
目次
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、どのような症状が起きるのか気になっている人も多いでしょう。なかには症状を指摘され、それが自分にあてはまるのか気になっている人もいるはずです。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると起きてしまう症状について詳しく解説します。また、重症化した場合の対策も解説しているので、セルフチェックする参考にしてみてください。
その体調不良、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かもしれません!
「最近、寝不足の状態がよく続く」
「日中に頭が回らなくなってしまう」
「よくイライラするようになった」
というように、体調不良を感じている方も多いでしょう。もしかするとそれは、普段眠っているときに「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を発症しているのが原因かもしれません。
本記事では、自身が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していないか確認する参考として、睡眠中や起床時、さらには日中で起こる症状をまとめました。各項目をチェックし、自分に当てはまる項目を見つけた方は、ぜひ睡眠専門のクリニックで相談をしてみてください。
参考:
睡眠時無呼吸症候群 / SAS | e-ヘルスネット(厚生労働省)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に舌根沈下などの影響を受けて、呼吸が一時的に止まってしまう病気のことです。正式名称をSleep Apnea Syndromeと言い、頭文字をとってSASと表記する場合があります。
なお、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、睡眠中に十分な酸素を取り入れられなくなる影響で血中酸素飽和濃度が低下し、肉体的そして精神的にさまざまな問題が引き起こされるのが特徴です。症状を放置すると、生活習慣病や死亡リスクのある病気、眠気による事故などを引き起こす恐れがあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)については下記記事をご覧ください。
睡眠中における睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
まずは、睡眠中に起こる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状をまとめました。経験したことのある項目がないかチェックしてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の睡眠中の症状1】いびきをかいている
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している方は、睡眠中によくいびきをかいています。
例えば、鼻づまりの人や、口呼吸をしている人は、喉まわりの粘膜が乾燥して炎症を起こしやすいほか、口を開けて眠る影響で、舌が喉側に落ち込みやすくなるのが特徴です。
結果として鼻や喉の気道がふさがりやすくなり、呼吸をするたびに粘膜同士が接触し、振動を起こしていびきの音が鳴ってしまいます。また、気道が狭まっている状態で舌が喉側に落ち込む舌根沈下が起きると、気道全体がふさがってしまい、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症することも少なくありません。
「普段からいびきがうるさいと指摘されている」
「自分のいびきの音で目が覚めたことがある」
という方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しているかもしれません。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の睡眠中の症状2】睡眠中に何度も呼吸が止まる
「眠っているときに呼吸が止まっている」と指摘された経験がある方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している恐れがあります。
まず、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、1時間あたり5回以上の無呼吸および低呼吸が続いている人に該当する病気です。医療での専門用語としてはAHI(睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数)と表し、AHIが5以上の人が睡眠時無呼吸症候群(SAS)だと診断されます。
中でも、AHIが20回以上は中等症、40回以上は重症だと言われており、早めの対策が欠かせません。自身に当てはまるのか気になる方は、睡眠中のいびきや呼吸を録音できる睡眠アプリを導入して記録を取りつつ、睡眠専門のクリニックに相談をしてみるのがおすすめです。
睡眠アプリについて興味がある方は、以下の記事をチェックしてみてください。
参考:
「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!|国土交通省自動車交通局
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の睡眠中の症状3】睡眠中に息が乱れる
睡眠中に呼吸が苦しくなり、息切れしてしまうという方も、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している可能性があります。
通常の場合、睡眠中の呼吸のリズムは一定であることから、呼吸が乱れるといった症状は、何らかの影響で呼吸ができにくくなっているのが原因です。普段からよく寝苦しさを感じているという方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している可能性があるため、十分に注意しましょう。
もし息切れや動悸を感じている方は、あわせて以下の記事をチェックしてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の睡眠中の症状4】むせて咳をする
眠っているときにむせて目が覚めてしまうという方もいますが、それは低呼吸や無呼吸の状態が続いている影響かもしれません。
例えば、睡眠中の身体が「息が苦しいのは、気道に何か物が詰まっているからだ」と反応し、咳をするケースがあります。何度もむせて咳をした経験があるという人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を疑いましょう。
実際に、眠っているときにむせた経験がある人は、あわせて以下の記事をチェックしてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の睡眠中の症状5】何度も目が覚めてしまう
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していると、寝苦しさや気持ち悪さを感じて、何度も目が覚めてしまうといった症状が起きる場合があります。
また一度目が覚めると、酸素不足のせいで寝付きにくくなるといったケースも少なくありません。通常だと睡眠中に何度も目が覚めるということは起きないため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を疑いましょう。
夜中に何度も目が覚めるという方は、以下の記事をチェックしてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の睡眠中の症状6】寝汗をかきやすくなる
睡眠中に大量の汗をかいている人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が影響しているのかもしれません。
睡眠中は身体の基礎体温が上がるため、汗をかく人もいます。しかし適温・適湿の部屋で大量の汗をかくことはほとんどありません。ただし、苦しさなど体調不良が起きている状態だと汗をかきやすくなるので
「家族からあせをかいていると指摘されたことがある」
という方は、睡眠中の状況を調べてみることをおすすめします。
起床時における睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
続いて、寝起きに気が付きやすい睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状を整理しました。自覚しやすいポイントですので、経験がある項目を探してみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の起床時の症状1】口のなかが乾燥している
寝起きに口のなかが乾燥している人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響で口呼吸が習慣化しているのが原因かもしれません。
例えば、鼻づまりで鼻呼吸ができなかったり、普段から口呼吸が習慣化したりすると、自然と口のなかが乾きやすい状態へと変わってしまいます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因にも鼻づまりや口呼吸の習慣化などがあるため、口のなかが乾燥している人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑いましょう。
また、口のなかが乾いていると免疫力が低下するため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)だけでなく、虫歯や風邪といった問題に発展するケースも少なくありません。症状に自覚があるという方は早めの対策をスタートしましょう。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の起床時の症状2】頭がズキズキと痛む
寝起きに頭痛を感じるのも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状のひとつです。
まず睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、呼吸機能が低下する影響で脳に十分な酸素を届けられなくなります。また低酸素状態が続くと血液中に高炭酸ガスが発生しやすくなり、意識が戻る起床時に頭痛を感じる人も少なくありません。
一般的には、1ヶ月の約半分以上で頭痛を感じている人、30分以内に痛みが治まるという条件にあてはまる人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因だと言われています。
より詳しく睡眠時無呼吸症候群(SAS)と頭痛の関係を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
参考:
呼吸器と睡眠異常(睡眠障害と睡眠覚醒調節8)|市岡 正彦(日薬理誌)
睡眠時無呼吸症候群の診断と治療|村田 朗 日本医科大学呼吸ケアクリニック(日医大医会誌)
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の起床時の症状3】眠気が抜けず起きられない
適正な睡眠時間を確保しても毎回眠気が抜けきらないとお悩みの方は、その症状が睡眠時無呼吸症候群(SAS)によるものだと疑いましょう。
例えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、無呼吸・低呼吸の影響で、睡眠の質が低下します。結果として長時間眠っても疲れが取れにくい身体へと変わり、眠気が抜けきらないという人も少なくありません。
睡眠は、睡眠時間よりも睡眠の質のほうが重要です。眠っても疲れが取れないという方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)といった睡眠トラブルを発症していないか確認を始めてみてください。
もし普段から目が覚めても眠気が抜けないとお悩みなら、以下の記事がおすすめです。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の起床時の症状4】身体がふらつく
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、血中酸素飽和濃度が低下している影響で、起床時に貧血のように身体がふらつきやすくなる場合があります。
目が覚めた瞬間に視界がゆがんで見えるほか、立ちくらみを感じる人も少なくありません。健康を意識して食事量・運動量に気を付けているけれど、それでもふらつきが治らないという方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を疑うのが良いでしょう。
日中における睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状は、睡眠中や起床時だけではなく、活動をしている日中にも起きてしまいます。主な症状を整理しているので、普段の生活と比べてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の日中の症状1】強い眠気を感じる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、睡眠の質が下がる影響で、日中に強い眠気を感じる場合があります。
特に、
「仕事中なのに眠くて仕方がない」
「運転中に眠気のせい で意識を失いそうになる」
という経験が何度もある方は、ケガや事故のもとにもなるので早めの解決が必要です。
また、タクシーやバスの運転手、自動車を使って営業回りをしている方などは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)で事故を起こすリスクが高く、最悪の場合には、運転免許の取り消しになるケースも考えられます。以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の日中の症状2】物事に集中できない
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状のひとつに
「以前よりも集中力が下がってしまった」
「集中できず人の話がわからなくなった」
など、物事に集中できなくなる問題があります。
寝不足や低酸素の影響が日中にも続いてしまうので、仕事やコミュニケーションへの影響を避けるためにも、睡眠トラブルが起きていないかチェックを始めてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)の日中の症状3】だるさや倦怠感が続く
次のような「だるさ」に関わる症状が起きてしまうのも睡眠時無呼吸症候群(SAS)の特徴です。
- 肩が重く感じる
- 倦怠感のせいでやる気が起きない
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響で十分な睡眠をとれないこと、脳に十分な酸素が行き届かない影響で頭がぼーっとするなど、身体がばてやすくなってしまいます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因でうつ病を併発する人もいるため、早めの解決が欠かせません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が重症化するとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状を放置すると、次第に重症化していきます。参考として、重症化することで起こりうる問題を2つまとめました。
【重症化のリスク1】生活習慣病にかかりやすくなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると、次のような生活習慣病を併発するリスクが高まります。
- 高血圧症
- 糖尿病
- 高尿酸血症
- 脂質異常症
どちらも長期的に悩まされる病気です。健康を維持するためにも、生活習慣病にかかりにくい睡眠習慣をつくり出しましょう。
【重症化のリスク2】合併症により死亡リスクが高まる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が悪化すると、脳に十分な酸素を届けられない影響で、心不全や狭心症、心筋梗塞といった死亡リスクの高い合併症を発症しやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が直接死に関わるというケースはありませんが、死亡リスクの高い合併症に注意しなければなりません。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が長く続いている人ほど併発しやすいため、早めの対策を始めましょう。
合併症の怖さを詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
また睡眠時無呼吸症候群(SAS)を早期発見したい方は、以下の記事がおすすめです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェックリスト
自分が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しているのかすぐに確認したいという方向けに、セルフチェックリストをまとめました。
- 1.いびきをいつもかいている
- 2.睡眠中に呼吸が止まっていると家族に指摘されたことがある
- 3.しっかり眠っているはずなのに疲労感がとれない
- 4.夜中に苦しくて目が覚めることがある
- 5.夜中にトイレに行きたくて何度も起きる
- 6.朝起きたときに頭痛がする
- 7.日中に強い眠気がある
- 8.若い頃と比べて顔つきが変わるほど体重が増加している
- 9.肥満体型である
- 10.胸やけがしたり口が渇いたりする
1つでも当てはまれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
上記セルフチェック項目についてより詳しい情報を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状に自覚がある人は、睡眠専門のクリニックに相談しよう
本記事で紹介した睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状は、ひとつだけではなく複数を感じるケースがあります。もしあてはまる項目は多いという方は、詳しい検査を受けるために睡眠専門のクリニックに相談を始めましょう。
<睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療なら、いびきメディカルクリニックへ>
よくある質問
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化すると、高血圧症や糖尿病といった生活習慣病、脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる病気を併発しやすくなります。重症化している人ほど併発しやすいため、長期的に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の自覚があるという方は、この機会に睡眠専門のクリニックで検査を受けてみてください。