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【AHIとは?】睡眠時無呼吸症候群の指数について

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断に用いられる指標に「無呼吸低呼吸指数(AHI)」があります。

あまり馴染みのない単語であり、難しそうに思えますが、ご自身の睡眠時無呼吸症候群の重症度を把握するための大切な指標です。

今回はこの無呼吸低呼吸指数と、睡眠時無呼吸症候群について解説していきます。

具体的には無呼吸低呼吸指数について概要や定義、睡眠時無呼吸症候群の検査方法、診断基準、重症度などをまとめました。

さらに、睡眠時無呼吸症候群の症状やそこから派生するトラブル、病気の改善方法などの基本的な情報も提供しています。

「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれない」

そんな不安がある方は、ぜひご一読ください。

無呼吸低呼吸指数(AHI)とは

寝ている男性

無呼吸低呼吸指数(AHI)は、Apnea- Hypopnea IndexもしくはApnoea -Hypopnoea Indexの略で、睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる睡眠障害の検査・診断に用いられる指標です。睡眠時間1時間あたりに起こる無呼吸、および低呼吸の合計の回数を示しています。

無呼吸低呼吸指数における無呼吸と低呼吸の定義は次の通りです。

無呼吸の定義

無呼吸低呼吸指数において無呼吸とは、呼吸が10秒以上停止することです。睡眠中に気道が塞がれることで引き起こされます。

睡眠中の無呼吸は、様々な要因により空気の流れが妨げられることが原因です。空気が妨げられる代表的な要因としては、舌の根がのどの奥に落ち込むことや、肥満により気道が圧迫されることなどが挙げられます。

低呼吸の定義

無呼吸低呼吸指数において低呼吸とは、口や鼻からの息の大きさ(換気量)が通常よりも50%以下に低下した状態が、10秒以上続くことです。

低呼吸もまた睡眠中に気道が狭くなることによって引き起こされます。原因も無呼吸とほぼ同様です。

参考:
AHI いびき・睡眠時無呼吸症候群の症状
AHIとは(睡眠時無呼吸症候群の診断基準)
2019/07/24,睡眠時無呼吸症候群の指標であるAHIとは何?

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群のドクター

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中、呼吸をした時の空気の通り道である気道が、何らかの事情により塞がったり、狭くなったりすることで起こります。

そして、先ほど紹介した通り、気道が塞がって息を吸えない状態を「無呼吸」、気道が狭くなって息を吸いにくい状態を「低呼吸」と呼びます。

つまり、無呼吸低呼吸指数を導き出すにあたって数える「無呼吸」と「低呼吸」の回数とは、それぞれ睡眠時無呼吸症候群に伴って起こる低呼吸と無呼吸の合計回数を指しているのです。

なお、睡眠時無呼吸症候群の原因については下記のコラムをご覧ください。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法

では、無呼吸低呼吸指数を導き出すためにはどのような検査が行われるのでしょうか?続いては睡眠時無呼吸症候群の検査方法を見ていきましょう。

検査の流れは次の通りです。

①問診

最初に行われるのは、患者の状態を大まかにチェックするための問診です。年齢や体型、病歴などのパーソナルデータに加えて、具体的な症状などを質問されます。

②簡易検査(簡易ポリグラフ)

問診が終わり、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断されたら、次は簡易検査(簡易ポリグラフ)に移ります。

簡易検査では、「アプノモニター」と呼ばれる装置を使い、次の項目を調べます。

・無呼吸の回数

・低呼吸の回数

・血中酸素濃度

・いびきの状態

アプノモニターを自宅へ持ち帰って就寝時に装着し、1晩から2晩過ごすのが簡易検査の流れです。

アプノモニターは、正しく装着できていなければ検査精度が下がってしまいます。このため、簡易検査の前には、医師からの説明をしっかりと聞くこと、説明通りにアプノモニターを使用することが大切です。

③精密検査(ポリソムノグラフィー)

簡易検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合は、精密検査(ポリソムノグラフィー)に移ります。

精密検査で調べる項目は多岐にわたり、例えば次のようなものがあります。

・脳波

・眼球運動

・筋電図

・心電図

・いびきの回数

・無呼吸の有無と度合い

・低呼吸の有無と度合い

以上のような様々な検査をしなければならない都合上、精密検査は簡易検査と違い、医療機関に入院した上で行われます。

ただし、夜に入院して翌朝には退院できる医療機関が多いことから、日常生活や仕事に支障をきたすことはほとんどありません。

睡眠時無呼吸症候群の検査については、下記のコラムも参考にしてください。

睡眠時無呼吸症候群の診断基準と重症度

睡眠時無呼吸症候群と診断される基準には決まりがあります。そこで次は、睡眠時無呼吸症候群の診断基準と重症度について見てみましょう。 睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、成人の場合と子ども(小児)の場合で異なります。それぞれの基準は次の通りです。

成人の場合

①と②のどちらも満たす、もしくは③を満たす。

①以下いずれかの項目に1つ以上該当

・眠気、疲労、起床時の爽快感のなさ、不眠に悩まされる

・就寝中に呼吸停止、あえぎ、呼吸困難で目が覚める

・他人が習慣性のいびき、呼吸中断を確認する

・高血圧、うつ病などの気分障害、認知機能障害、冠動脈疾患、脳卒中などの脳血管障害、うっ血性心不全、心房細動、2型糖尿病と診断される

②検査の結果、無呼吸低呼吸指数が5以上

③検査の結果、無呼吸低呼吸指数が15以上

なお、成人の重症度は無呼吸低呼吸指数によって次のように分類されます。

無呼吸低呼吸指数重症度
5〜15軽症
15〜30中等症
30以上重症

小児の場合

①と②のどちらも満たす、もしくは③を満たす。

①以下いずれかの項目に1つ以上該当

・いびき

・就寝中に努力性呼吸、奇異あるいは無呼吸や低呼吸、これに伴う覚醒がある

・眠気、多動、行動の問題、学習の問題が見られる

②検査の結果、無呼吸低呼吸指数が1以上

③小児低換気に該当し、かつ以下の項目を1つ以上満たす

・呼吸中のいびき

・吸気時にCPAPからの気流信号の平坦化が通常呼吸に比較して増加

・呼吸前には認められない胸腹部奇異運動が呼吸中に認められる なお、小児の重症度は無呼吸低呼吸指数によって次のように分類されます。

無呼吸低呼吸指数重症度
1〜5軽症
5〜10中等症
10以上重症

参考:
AHI いびき・睡眠時無呼吸症候群の症状
AHIとは(睡眠時無呼吸症候群の診断基準)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の定義・重症度分類
三島 渉,2022/06/21,睡眠時無呼吸症候群の重症度がわかる指標「AHI」について
三島 渉,2022/10/19, 睡眠時無呼吸症候群の検査について
2019/07/24,睡眠時無呼吸症候群の指標であるAHIとは何?

睡眠時無呼吸症候群の症状

旦那のいびきに悩む女性

ここからは、無呼吸低呼吸指数によって診断される睡眠時無呼吸症候群について、詳しく解説していきます。

まずは睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状から見ていきましょう。

睡眠時無呼吸症候群では、気道が十分に確保できていないことからうまく呼吸ができず、眠りの質が低下し、様々な症状が引き起こされます。

多くの人が経験する主な症状には次のようなものがあります。

いびき

睡眠時無呼吸症候群のもっとも代表的な症状は、大きないびきです。そしていびきの合間に、呼吸が止まる無呼吸や、呼吸がしにくい低呼吸の状態に陥ることもあります。

前述の通り、睡眠時無呼吸症候群は気道が塞がれることによって起こります。空気の通り道が狭いことから、うまく空気が通り抜けず、いびきや無呼吸の症状を引き起こすのです。

なお、いびきには一時的に起こる一過性のものと、頻繁に起こる習慣性のものがあります。一過性のいびきであれば、睡眠時無呼吸症候群の症状である可能性は低いと考えられます。 いびきの種類について、詳しくは下記のコラムをご覧ください。

頭痛

睡眠時無呼吸症候群を患っていると、無呼吸が原因の低酸素血症、高炭酸ガス血症、睡眠障害によるストレスにより頭痛が引き起こされます。

朝起きた時に頭痛を感じる、頭の両側に痛みを感じる、1ヶ月のうち15日以上痛みを感じるなどの症状に該当する場合は、睡眠時無呼吸症候群によって起こる頭痛であると考えられます。

睡眠時無呼吸症候群と頭痛の関係について、詳しくは下記のコラムをご覧ください。

日中の眠気

就寝中に無呼吸や低呼吸の状態に陥るということは、深い眠りに入れないということ、脳が十分に休めないことから、日中の強い眠気に繋がります。

また、強い眠気が引き起こされることから、居眠り運転などの危険性も指摘されています。

倦怠感

眠気と同じく、十分な睡眠をとれないことに起因する症状としては倦怠感が挙げられます。

通常、人は睡眠をとることで疲労を回復しますが、睡眠時無呼吸症候群により無呼吸・低呼吸の状態に陥ると、満足に眠ることができません。結果、疲労が回復しきらず、倦怠感に悩まされやすくなるのです。

集中力の低下

集中力の低下も、睡眠不足や、睡眠の質の低下に伴う症状です。

無呼吸・低呼吸が原因で満足に眠れないと、日中の眠気や倦怠感により、勉強や仕事に集中できないといった弊害が現れます。また、根気が続かず長時間、物事に打ち込めないなどの症状も見られます。

のどの渇き

睡眠時無呼吸症候群を患っている方は、口呼吸をすることが多く、そのせいで起床時にのどの渇きを覚える場合があります。深刻な方だと、のどの渇きに加えて痛みを訴えることも。

のどの渇きや痛みだけでは睡眠時無呼吸症候群と断定できませんが、他の症状にもあてはまる場合は、可能性を考える必要があるでしょう。

中途覚醒

無呼吸や低呼吸に伴う症状の1つとして中途覚醒も挙げられます。呼吸状態と無呼吸・低呼吸状態が繰り返されることにより、脳が覚醒して日中の活動時のように、交感神経が活発になります。これにより眠りが浅く、就寝中の意図しないタイミングで、何度も目が覚めてしまうのです。

以上で紹介した以外に、睡眠時無呼吸症候群の症状としては咽喉頭異常感、逆流性食道炎などがあります。また、子どもの場合は行動異常や身体の発育遅れが見られることも。

疑わしいと感じたら、早めに医師に相談しましょう。 睡眠時無呼吸症候群の症状については、下記のコラムも併せて参考にしてください。

参考:
AHI いびき・睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群から派生するトラブル

睡眠時無呼吸症候群の恐ろしいところは、眠りの質が低下するだけではありません。場合によっては、下記のような病気や障害に派生する危険性があります。

・高血圧

・不整脈

・動脈硬化

・狭心症

・心筋梗塞

・脳血管障害

高血圧を例に挙げると、睡眠時無呼吸症候群による無呼吸・低呼吸の影響で心臓に負荷がかかり、血圧の上昇を引き起こすという仕組みです。悪化すれば、動脈硬化や脳血管障害を引き起こすこともあります。 健康な体を維持するためにも、睡眠時無呼吸症候群は決して放置しないようご注意ください。

参考:
AHI いびき・睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群を改善するには?

ウォーキングをしている男性

睡眠時無呼吸症候群は、軽症であれば生活習慣などを変えることで、改善できる可能性があります。最後に、睡眠時無呼吸症候群の改善方法の一例を紹介します。

なお、改善方法は睡眠時無呼吸症候群の原因によって異なるため、下記のコラムも併せて参考にしてください。

肥満を解消する

睡眠時無呼吸症候群のもっとも多い原因は肥満だと言われています。

肥満体型の方は、のどや首周りの脂肪が多く、この脂肪によって気道が狭くなりがちです。結果、空気の流れが妨げられ、無呼吸や低呼吸に繋がります。

肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群を患っている場合は、肥満を解消することで症状を改善できる可能性があります。肥満が解消されることで気道の圧迫が少なくなり、無呼吸・低呼吸が起こりにくくなるためです。

飲酒を控える

過度なアルコールの摂取は、筋肉を弛緩させます。これにより就寝時に舌の根がのどの奥に落ちやすく、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高くなります。

日常的にお酒を飲んでいる方は、飲酒量を減らしてみましょう。飲酒量を減らすことで、就寝時に筋肉が弛緩しにくく、無呼吸・低呼吸のリスクを下げることができます。

禁煙する

睡眠時無呼吸症候群は、タバコとも関連が深いと言われています。タバコを吸う方ほど睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高いため、喫煙の習慣がある方は禁煙を心がけましょう。

横向きで寝る

仰向けで寝ると、どうしても舌の根がのどの奥へと落ちやすくなります。そこで、横向きに寝ることで舌の根がのど奥へ落ちることを防ぐ改善方法もあります。

寝ている間に仰向けになってしまう方は、背中の下に丸めたタオルなどを置いて寝てみましょう。自然と横向きの体勢で眠れるはずです。

参考:
2021/09/20, 睡眠時無呼吸症候群は自力で治せるのか

家庭で睡眠時無呼吸症候群を改善できない場合は医療機関へ

睡眠時無呼吸症候群について、肥満を解消する、飲酒を控える、禁煙する、横向きで寝るなどの改善方法は、基本的には軽症の方向けです。症状が重い場合は、家庭での改善が難しい可能性があります。

家庭で睡眠時無呼吸症候群の改善が難しいと感じた場合は、医療機関へ行き、医師に相談しましょう。

医療機関で検査を受けると、無呼吸低呼吸指数によって重症度が正しく分かります。また、医師から適切な治療も受けられるので、症状の早期改善に繋がるでしょう。

最近では睡眠時無呼吸症候群の検査や治療を専門に行っている「SAS外来」もありますので、調べてみてください。

参考:
2021/09/20, 睡眠時無呼吸症候群は自力で治せるのか

まとめ

寝ている男性

本記事では次のような内容を解説しました。

・無呼吸低呼吸指数の概要や定義

・睡眠時無呼吸症候群の検査方法、診断基準、重症度

・睡眠時無呼吸症候群の症状やそこから派生するトラブル、病気の改善方法

無呼吸低呼吸指数は、睡眠時無呼吸症候群の有無や重症度を確かめるための大事な指標です。しかし、自分では無呼吸低呼吸指数を計測することができません。

いびきや睡眠の質の低下などに悩まされていて、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方は、早めに医療機関で診断と、適切な治療を受けるようにしてください。

【よくある質問】

Q. 睡眠時無呼吸症候群とは何ですか?

A. 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がったり、狭くなったりすることで起こる睡眠障害です。睡眠時無呼吸症候群を患っていると、就寝中のいびきや日中の眠気、倦怠感、集中力の低下などの症状が現れます。また、高血圧、不整脈、動脈硬化など、別の病気に派生する恐れもあります。

Q. 無呼吸低呼吸指数と睡眠時無呼吸症候群にはどんな関係がありますか?

A. 医療機関で睡眠時無呼吸症候群の検査を行った際に、その有無や重症度を判断するための指標が無呼吸低呼吸指数です。無呼吸低呼吸指数は、睡眠時間1時間あたりに起こる無呼吸、および低呼吸の合計の回数を表していて、成人の場合は5以上、小児の場合は1以上だと睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

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