寝起きに頭痛がするのはなぜ?原因と対処法を分かりやすく解説!

いびきの原因・対策
2025.06.26
寝起きに毎日頭痛がするのは病気かも?原因と対処法を分かりやすく解説!
このコラムの監修医師
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。

「朝起きた時に頭がいたいのは私だけ?」
「起床時の頭痛の原因って何?」
「起床時の頭痛の対処法を知りたいな」
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

起床時に頭痛がする原因は、睡眠不足や食べ過ぎ・飲み過ぎ、ストレス、脱水など生活習慣の乱れかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群や高血圧などの可能性もあります。自分でできる治し方で対処して改善しない場合には、専門医に相談してみましょう。

この記事では、寝起き(起床時)に頭痛がする原因、寝起き(起床時)に頭痛がするときの対処法や予防について、解説します。この記事を読めば、寝起き(起床時)に頭痛がする原因や対処方法、予防法について理解でき、悩みが1つ減るでしょう。

寝起き(起床時)に頭痛がするのはなぜ?考えられる原因8つ

寝起きがつらそうな男性

飲み会の翌朝、起床時に頭痛がした経験のある方も多いでしょう。でも、心あたりがないのに、起床時に頭が痛いことが続く場合、何らかの疾患かもしれません。

起床時に頭痛する場合考えられる原因は、主に以下の8つです。
 

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 高血圧
  • 脳腫瘍
  • 片頭痛・筋緊張性頭痛
  • 睡眠不足
  • 食べ過ぎ・飲み過ぎ
  • ストレス
  • 脱水

あなたに心あたりのある疾患はありますか?

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に10秒以上の無呼吸状態が繰り返し起こる病気です。無呼吸状態が1時間当たり5回以上、もしくは7時間に30回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。起床時には、頭痛以外にも、口内の渇きや体が重いという感じを持つ場合があります。また、運転中や会議中など集中していなくてはならない時に眠くなるという日中の眠気で悩む方もいるようです。

肥満気味の方に多い疾患ですが、日本人を含むアジア人では、欧米人に比較して肥満ではない方も多く発症すると言われています。肥満も睡眠時無呼吸症候群の大きな原因ですが、他に関与が指摘されているのは、骨格や年齢(30~60代)、性別(男性)などです。家族からいびきの指摘や、息苦しさで目覚めるなど自覚症状があれば分かりやすいですが、そうでない場合は気づくまでに時間がかかります。

睡眠時無呼吸症候群について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

参考:
睡眠時無呼吸診療について|国立精神・神経医療研究センター

高血圧

血圧は、早朝、起床時にあがるので、その時に頭痛が起こる場合があります。

血圧とは、血液が動脈を流れる時に血管の内側にかかる圧力のことです。収縮期血圧(最高血圧)とは、心臓が収縮して血液を排出した時の、拡張期血圧(最低血圧)とは心臓が拡張したときの血圧のことです。収縮期血圧140㎜Hg以上、拡張期血圧90㎜Hg以上の時に、高血圧と診断されます。高血圧は、通常、自覚症状がありません。血圧が高い時によく起こる、頭痛や肩こりなどは血圧とは無関係に起きるので、症状があってもなくても、検査や治療を受ける必要があります。

脳腫瘍

脳腫瘍ができると、頭蓋内圧亢進(とうがいないあつこうしん)症状と呼ばれる、頭蓋骨で囲まれた部分の圧力が高くなることによる症状があらわれます。起床時に起きる頭痛は、頭蓋内圧亢進症状に特徴的なものです。頭痛が起床時に最も強く、午前中の間に少しずつ軽快するのであれば、脳腫瘍の可能性があります。脳腫瘍では、脳全体が移動して、髄膜や血管など痛みを感じる組織が引っ張られたり、時には捻れたりすることで、刺激を受けて起きる頭痛もあります。それ以外の症状としては、吐き気や視力障害、めまい、運動麻痺、しびれ、失語などが挙げられます。

片頭痛・筋緊張性頭痛

起床時、脳の血管が拡張すると血流が増加し、脈拍が強まるので、偏頭痛が起こることがあります。筋緊張型頭痛は、頭頸部の筋肉の過度な緊張によるもので、肩こりや寝すぎ、睡眠中の姿勢の悪さなどが原因と考えられています。

睡眠不足

睡眠時間が不足していると、頭痛など体でいろいろな不調が起こる可能性があります。必要な睡眠時間には個人差がありますが、6時間以上8時間未満くらいであると考えられています。加齢で睡眠時間は短くなる、日中の眠気で困らない程度の睡眠で良いことを知っておくとよいでしょう。

下記記事では睡眠不足が続くとどうなるのか詳しく解説しています。併せてご覧ください。

食べ過ぎ・飲み過ぎ

食べ過ぎたり、飲み過ぎたりした翌朝にも、起床後に頭痛を起こす場合があります。自重して、食べ過ぎや飲み過ぎを控えれば、翌朝には起こらないでしょう。

ストレス

精神的・身体的ストレスで頭痛を起こす場合があります。筋肉の過度な緊張で血流が悪くなり、老廃物がたまり、周囲の神経が刺激されたために起きるのが、筋緊張性頭痛です。また、脳内の痛み調整がうまくできなくなっている可能性も考えられます。

脱水

睡眠時には水分摂取ができないので、起床時には脱水状態になっている可能性があります。脱水状態には、脳波血流を維持するために血管が拡張、周囲の神経を圧迫するので、頭痛を感じやすくなります。寝る前に水分補給を十分しましょう。

寝起き(起床時)に頭痛がするときの対処法

たたまれた布団

寝起き(起床時)に頭痛がするときの対処法には、自分でできる治し方と専門医に相談する方法の2つがあります。

寝起き(起床時)に頭痛がするときの自分でできる治し方

疾病で起こる起床時の頭痛以外は、たいてい、自分で治せます。寝起き(起床時)に頭痛がするときの自分でできる治し方は、以下のとおりです。起床時に頭痛がするときに試してみましょう。
 

  • 筋緊張性頭痛:首や肩に負担をかけない姿勢で寝る
  • 睡眠不足:6~8時間くらいの睡眠をとる
  • ストレス:ストレッチして筋肉をほぐす
  • 脱水:就寝前と起床後にしっかり水分をとる

寝るときの姿勢が頭痛の原因となる場合があります。自分に合った、適切な高さの枕を使って休みましょう。首が反りすぎず、前に垂れすぎないものが適切な枕です。タオルなどで高さを調整するのも良いでしょう。

睡眠時間が不足しているときは、少し早めに床に就きましょう。寝過ぎや寝だめは、生活リズムを乱して、頭痛の原因になり得ます。

日中にできる対策には、ストレッチがあります。デスクワークメインの人など、同じ姿勢で仕事をする人は、1時間に1回は立って休憩し、簡単な体操で首まわりや肩の筋肉をほぐしましょう。血行が良くなれば、翌朝の頭痛は起きにくくなります。

就寝前、そして起床直後、コップ1杯の水を飲みましょう。胃腸を過度に刺激しないように、常温の水を飲みましょう。

寝起き(起床時)の頭痛がひどい場合は専門医に相談

自分でできる治し方を試しても改善がみえない場合は、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因の可能性があります。また、睡眠問題は、QOL(生活の質)の低下を招きます。頭がすっきりしないと、メンタルヘルスに影響したり、自動車事故を起こしたりしてしまいます。その前に、専門医受診を検討しましょう。

寝起き(起床時)の頭痛を予防する方法

ジョギングする男性

寝起き(起床時)の頭痛を予防するには、質の良い睡眠を取ることが大切です。質の良い睡眠を取るためには、以下ことに注意しましょう。
 

  • 適度な運動習慣を身につけ、肥満に注意する
  • 就寝前の食事、飲酒、喫煙、カフェイン、スマホは控える
  • 光、温度、音に配慮した快適な睡眠環境を整える

日中に適度に体を動かして、疲労を感じると寝付きが良くなります。中途で目覚めることが減り、睡眠の質もアップします。特に、習慣的に運動していると睡眠の質がよくなると言われています。働く世代は中・高強度の運動、リタイア世代は低強度の運動で睡眠不足にならないようにしましょう。しかし、寝る2~4時間前に運動すると逆効果なので、避けましょう。

強度別の運動種類は、以下のとおりです。
 

    <低強度の運動>

  • 散歩
  • 体操
  • ストレッチ
  • ヨガ
  • 家の掃除
  • 草むしり
  • 軽い荷物の運搬

 

    <中強度の運動>

  • ハイキング
  • 子どもと活発に遊ぶ
  • 雪かき
  • 適度な重さの荷物の運搬

 

    <高強度の運動>

  • ジョギング
  • サイクリング
  • 水泳
  • 農作業
  • 重い荷物の運搬

運動を習慣的にするために、アプリを使う、生活習慣に紐づける(入浴前に筋トレ、朝食前にストレッチなど)などの工夫をしましょう。

寝付きをよくするには、寝る前にリラックスして過ごすことも大切です。寝る前の食事や夕方以降のカフェイン、睡眠の1時間前からのスマホ使用は控えましょう。タバコに含まれているニコチンには覚醒作用があるので眠りを妨げるほか、喫煙歴が長いと睡眠時無呼吸症候群のリスクも高くなります。健康のために喫煙は控えましょう。

寝室の環境は、光・温度・音に注意して整えます。良い睡眠のために以下の点に注意しましょう。
 

  • 光:体内時計を整えるために、日中は明るく、夜は暗い環境を心がける。
  • 温度:快適と感じられる適度な室温を心がける。乾燥にも注意する。エアコンも活用する。
  • 音:できるだけ静かな環境にする。音楽をかける。

照明の調光機能やスマホのアプリ、スマートウォッチの機能など利用できるものは積極的に使ってみましょう。

参考:
知っているようで知らない睡眠のこと|厚生労働省

寝起き(起床時)の頭痛で毎日のようにお悩みなら、いびきメディカルクリニックへご相談ください

男性医師

この記事では、寝起き(起床時)に頭痛がする原因、寝起き(起床時)に頭痛がするときの対処法や予防について、解説してきました。起床時に頭痛がする原因は、睡眠不足や食べ過ぎ・飲み過ぎ、ストレス、脱水など生活習慣の乱れかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群や高血圧などの可能性もあります。自分でできる治し方で対処して改善しない場合には、専門医に相談してみましょう。

いびきメディカルクリニックは、いびきや無呼吸症状の治療専門医院です。今までに、多くの方のいびきや無呼吸症状をパルスサーミア治療で改善してきました。治療を受けてみたい方や悩んでいる方は、どうぞお気軽にご相談ください。無料でカウンセリングもしています。

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FAQ

よくある質問

朝起きた時に頭が痛いのはなぜ?

朝起きると頭が痛い時の対処法は?

起床直後にコップ1杯の水を飲みましょう。日中は、なるべく身体を動かして筋肉をほぐすようにします。6~8時間は眠れるように、早めに床に就きましょう。疾病でなければ、翌朝、頭痛は感じないでしょう。

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