
いびきを放置したまま生活している人も多いでしょう。なかには、健康には影響がないと問題視していない人もいるはずです。
この記事では、いびきを放置することで起こる合併症やそのリスクについて解説します。また睡眠時無呼吸症候群(SAS)による合併症リスクの増加やトラブルの解決策も説明しているので、睡眠トラブルを解消する参考にしてみてください。
そもそもいびきは病気?放置しても大丈夫?

いびきは、多くの人が一度は経験する身近な現象です。そのため、「誰でもかくものだから」「疲れているだけ」と軽く考えてしまう方も多いでしょう。
しかし、いびきはそれ自体が病気というわけではないものの、体の異常を知らせるサインである可能性があります。
特に、毎晩いびきをかいている、途中で呼吸が止まっていると指摘された、朝起きても疲れが取れない――こうした場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの病気が隠れていることも。
つまり、いびきを「単なるクセ」だと思って放置していると、知らないうちに健康を損なっていたり、病気が進行していたりする可能性があるのです。
その「いびき」は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かもしれません
いびきが長期間続いている人は、まず睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していないかチェックしてみましょう。
SASとは、睡眠中に短い時間だけ呼吸が止まってしまう病気です。発症していると、
- 日中の眠気や倦怠感が続く
- 高血圧や糖尿病などの合併症リスクが上がる
- いびきが悪化する
といった症状が現れるほか、命に関わる病気の引き金になることもあります。
次のような状態に当てはまる方は、SASの可能性があるため注意が必要です。
- 1時間あたり10秒以上の無呼吸が20回以上ある
- 寝ているときに家族に「呼吸が止まっている」と指摘された
- 朝起きても疲れが取れず、日中に強い眠気を感じる
睡眠中に起きていることなので、自分では気づきにくいのがSASの特徴です。
家族の協力を得て、呼吸の様子を確認してもらうのもおすすめです。
なお、SASの原因について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
参考:
睡眠時無呼吸症候群 / SAS | 健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
いびきが引き起こす病気・体調不良まとめ

いびきが引き起こす病気は、あなたが思っている以上に多いとご存じでしょうか。また、いびきが悪化して起こる睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、重大な病気にかかってしまうケースも少なくありません。
今までいびきを放置してきた人は、この機会に自分が抱えているリスクを確認してみてください。
【いびきが原因の病気・症状1】めまい
普段からいびきをかいている人は、睡眠中に十分な酸素を取り込めないせいで血中酸素濃度が不足して、めまいを感じやすくなります。例えば、視界が不安定になったり、気持ち悪さを感じたり、足がもつれたりと、フワフワとした状態が続くのが特徴です。
いびきが続く限り、脳の働きを促進する酸素を取り込めないため、めまいなどに悩まされ続けると覚えておきましょう。
また、いびきとめまいの関係をより詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
参考:
不眠症 | 健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
【いびきが原因の病気・症状2】脳梗塞
いびきが長期的に続いている人は、脳梗塞のリスクが高まると覚えておきましょう。
脳梗塞とは、脳卒中と呼ばれる脳血管障害のひとつであり、脳の血管が詰まってしまう病気のことです。前触れなく突然次のような症状が起こる場合もあるので、十分に注意してください。
- 言語障害
- 感覚障害
- 運動障害
もちろん、脳の血管が詰まるため命の危険を伴います。より詳しく脳梗塞といびきの関係を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
参考:
脳血管障害・脳卒中 | 健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
【いびきが原因の病気・症状3】心不全
いびきをかいている人は、十分な酸素を取り込めない影響で、心臓の動きが急に低下する心不全を発症しやすくなります。
まず人間の身体には呼吸をコントロールする呼吸中枢があり、血液中に含まれる酸素・二酸化炭素などに反応して呼吸をすべきだと命令するのが特徴です。しかし、いびきなどで十分な酸素を取り込めずにいると、呼吸中枢がおかしくなり、呼吸機能が急激に低下します。結果として呼吸ができず心臓の動きも低下するため、命が脅かされてしまうのです。
より詳しく心不全との関係を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
【いびきが原因の病気・症状4】低酸素状態
いびきが原因で睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、その後は低酸素の状態に悩まされるかもしれません。
低酸素状態とは、文字どおり酸素不足を表す言葉であり、血中の酸素飽和濃度が下がることで、重篤な脳の障がいを引き起こす場合があります。次のような症状を引き超こすこともあるので十分に気を付けましょう。
- 認知症
- 小脳失調
- ミオクローヌス
- コルサコフ症候群
- 痙攣
より詳しく低酸素の問題を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
【いびきが原因の病気・症状5】動悸・息切れ
いびきが悪化して睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、胸が苦しくなる「動悸」や急に呼吸が苦しくなる「息切れ」を感じやすくなるとご存じでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)により低酸素の状態が続くと、心臓が血流を増やすために血圧を上げます。結果として、心拍数が増えて心臓がドクドクと動き出し、急に胸が苦しくなったり、呼吸が苦しくなったりします。
動悸・息切れのより詳しい原因や症状について知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
動悸息切れの原因は睡眠時無呼吸症候群かも!主な症状などをご紹介
【いびきが原因の病気・症状6】腎臓病
いびきが長期化している人は、身体の尿をつくる臓器である腎臓が悪くなり、腎臓病を発症するかもしれません。
腎臓病を患うと、身体に溜まった老廃物を排出しにくくなるほか、血圧をコントロールしにくくなります。腎臓病は初期症状がなく、悪化してから気が付くことが多いため、いびきをかいている人は早めに健康診断を受けるようにしましょう。
また腎臓病といびきの関係について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
【いびきが原因の病気・症状7】甲状腺関係の病気
いびきをかく人は、喉ぼとけの下にある甲状腺の病気を発症しやすくなります。
例えば、いびきなどで自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れると甲状腺機能低下症と呼ばれる病気を発症するかもしれません。甲状腺のホルモンが分泌されにくくなり、甲状腺が腫れる甲状腺炎や、精神機能の低下といった症状に悩まされやすくなるのが特徴です。
逆に何らかの原因で甲状腺機能低下症が起きて、いびきをかく人もいます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症させる原因にもなるため、甲状腺が腫れていると感じたら早めに検査を受けましょう。
甲状腺の病気について詳しく知りたい方は、あわせて以下の記事をチェックしてみてください。
【いびきが原因の病気・症状8】緑内障
いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が発症した影響で、緑内障を発症する人がいるとご存じでしょうか。緑内障は、視界の一部が黒く塗りつぶされたように見えにくくなり、悪化すると失明する危険もある病気です。
なお、緑内障は睡眠時間の短さや姿勢の悪さなども影響すると言われています。高齢になってから発症すると思われがちな緑内障ですが、いびきなどが原因になることがあると覚えておきましょう。
また、緑内障といびきの関係を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
参考:
緑内障診療ガイドライン(第 5 版)|日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン改訂委員会(日本眼科学会)
【いびきが原因の病気・症状9】脳疾患
いびきが悪化して睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、脳梗塞以外にも次のような脳疾患を患いやすくなると言われています。
- 脳出血
- くも膜下出血
厳密に言えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が直接脳疾患を発症させているわけではなく、原因のひとつになりやすいというイメージです。とはいえ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)がきっかけで発症する場合もあるので、十分に注意してください。
脳疾患との関係を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
【いびきが原因の病気・症状10】高血圧
いびきをかく人は、かかない人と比べて高血圧になりやすいのが特徴です。なかでも、一時的に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する人ほど、次のような理由で高血圧になりやすいと言われています。
- 酸素不足で交感神経が優位になる
- 胸の中が陰圧になり静脈が圧迫される
高血圧がきっかけで心不全などを発症するケースもあるので、早めにいびきを改善しましょう。
より詳しくいびきと高血圧の関係を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
参考:
高血圧 | 健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
【いびきが原因の病気・症状11】逆流性食道炎
いびきをかく人のなかでも睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、食道の筋肉「下部食道括約筋」が衰えて逆流性食道炎を発症しやすくなると言われています。
また、いびきをかく人は自律神経が乱れることで、胃液の分泌量が変化し、逆流性食道炎を患ってしまう人もいるので注意が必要です。
より詳しく逆流性食道炎のメカニズムを知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
参考:
6. High Resolution Manometry による食道運動の評価 胃酸逆流のメカニズム(IV)|岩切 勝彦,梅澤まり子(日本医科大学大学院医学研究科病態制御腫瘍内科学)日医大医会誌
【いびきが原因の病気・症状12】糖尿病
いびきが悪化して睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、糖尿病のリスクが高まると言われています。
例えば、低酸素状態が続く影響で糖代謝に異常が起きてしまうことなどが理由のひとつです。また睡眠時無呼吸症候群(SAS)により高血圧になりやすいことも、糖尿病を加速させる原因となります。
詳しく糖尿病といびきの関係を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
いびきの問題は病院で改善しよう

いびきによって引き起こされる病気を患いたくない人は、今のうちからいびきの治療を始めることをおすすめします。参考としていびき専門のクリニックで利用できる治療法をまとめました。
【いびき治療1】生活改善のアドバイス
いびき専門のクリニックでは、自身の生活習慣を改善するためのアドバイスを受けられます。いびきについて熟知している医師から的確なアドバイスを受けられるので、自分に必要な対策を相談してみてください。
【いびき治療2】マウスピース療法
あごが小さい場合や舌が長いせいで舌根沈下が起きやすい人などは、喉いびきに効果のあるマウスピース療法を利用できます。舌あごを前に突き出す形で固定できるため、睡眠前に装着することでいびきをかきにくくなるのが魅力です。
マウスピースについては下記記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
【いびき治療3】CPAP(シーパップ)療法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していると診断された場合には、睡眠中の呼吸をサポートするCPAP(シーパップ)療法を始められます。空気を出し入れする機器につながれたマスクを装着することで、睡眠中の鼻呼吸の習慣をつくり出しやすくなるのが魅力です。
尚、CPAP(シーパップ)療法には、治療の適応条件があり、単にいびきをかいているだけでは治療を受けられません。
CPAP(シーパップ)療法について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
【いびき治療4】外科的治療・いびきレーザー治療
いびきの根本治療を始めたいときには、外科的治療としていびきレーザー治療を受けるのがおすすめです。喉まわりの肥大した粘膜を切除することから、舌根沈下による喉いびきをかかないように改善できます。
いびきレーザー治療の痛みが不安なら、パルスサーミアで症状を改善しよう
いびきレーザー治療は、レーザーで粘膜を切除することから、施術の痛みが伴うほか、10日程度のダウンタイムが発生します。もし痛みやダウンタイムの不安をなくしたいなら、切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」を検討してみてください。
パルスサーミアはレーザーの熱で肥大した粘膜を引き締める治療です。15分程度で施術が終わるほか、痛みをほとんど感じることなく、施術後はすぐに日常生活へと戻れます。
パルスサーミアについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
<いびきメディカルクリニックのオリジナルいびきレーザー治療「パルスサーミア」とは>
いびきは放置せずに治療しよう

いびきを軽く考える人は大勢いますが、実は放置し続けるとさまざまな病気を引き起こすおそれがあります。場合によっては、命にかかわる病気を発症するトリガーになることもあるので、早めにいびきを改善することが望ましいです。
もし自身でいびきを改善できそうにないなら、いびき専門のクリニックに相談しましょう。無料カウンセリングを受けられるので、気になることや不安なことを相談してみてはいかがでしょうか。