【医師監修】いびきを止める方法6選|簡単にできる原因別の対策を紹介

いびきの原因・対策
2021.11.17
就寝中の女性
このコラムの監修医師
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。

夜中に自分のいびきで目が覚めた、家族に「うるさい」と言われて恥ずかしかった…。
そんなお悩みはありませんか? いびきは放置しておくと、日中の眠気や仕事への悪影響だけでなく、重い病気につながる可能性もあるため、早めの対策が大切です。

この記事では、「今すぐできるいびきを止める方法」を6つ厳選してご紹介。
いびきの原因や、改善しない場合に考えられる病気についても、医師監修のもとでわかりやすく解説します。

まずは今夜から自宅でできる対策を試して、いびきのない快適な睡眠を取り戻しましょう。

自宅でできる!いびきを止める方法6つ

いびきの原因によっては、セルフケアで解消できる可能性があります。そこで、就寝中や生活習慣など、いびきを止める方法を6つ紹介します。

横向きで寝る

いびきを解消させるためには、寝ている間も気道をしっかり確保することが重要です。
寝るときの姿勢は、できるだけ横向きになるように意識しましょう。横向きで就寝することによって舌が喉の奥に落ちることがなくなり、気道を十分に確保できます。

しかし、日頃から仰向けで就寝している方は、横向けでは寝付けないということもあるでしょう。 その場合は、首を横に向けることから初めて、最終的に横向きで眠れるよう調整していくと良いかもしれません。

また、横向きの体勢は腕や肩が圧迫されるため、よく眠れないという方も中にはいらっしゃいます。
横向きで就寝するのが難しいという方は、仰向けで寝る姿勢で合う枕を使うことで、舌が喉の奥に落ちないようにできます。

正しい姿勢になる枕を選ぶ

仰向けで寝るときに高さがある枕を使用したり、枕を重ねたりすると、あごが下がり首筋も曲がるため気道が狭くなります。

寝る際に気道をきちんと確保するためには、正しい姿勢にしてくれる枕を選ぶことが大切です。選び方のポイントとしては、頭と背骨は正しい姿勢をとるとS字型になっているので、枕はそのS字型を保つことができる高さのものを選ぶと良いでしょう。

また、自分では判断できない場合は、店員さんに適切な高さを調べてもらうことで、いびきにつながりにくい枕が手に入ります。

寝具を体に合うものにする

寝具の高さやサイズが合っていないと、いびきを生じやすいだけではなく、身体が痛くなることもあります。

硬いマットレスを使用したい場合、首や肩の筋肉が緊張しやすくなり、頭痛や肩こりなどにつながる恐れもあるため、自分の身体に適した硬さの枕を使うと良いでしょう。
一方で、マットレスはなるべく軟らかいものを使いたい場合は、身体の沈みによる姿勢悪化が考えられます。予防するためには、枕は硬くて小さいものにするのがおすすめです。

また、マットレスは商品ごとに身体の沈み具合や寝心地、素材などが異なります。
体に合うものを選びたい際は、身体が沈んだ際に首から背骨にかけてS字カーブになる、肩や腰に適度な圧力がかかる、寝返りがしやすいなどのポイントを意識して、実際に試し寝してみると良いかもしれません。

お酒を飲みすぎない

過剰にアルコール摂取をすると、横になったときに筋肉が緩んで気道を狭くするので、いびきにつながりやすくなります。
さらに、アルコールの成分を分解する際に酸素を消費するため、酸素を多く取り入れようと口呼吸になったり、喉の奥の組織が振動したりします。

いびきを解消したいのであれば、お酒を飲むのをできる限り控えるようにしましょう。特に、就寝前や夕食の際に飲みすぎると睡眠の質低下につながるため、自分の限界量を守り過剰なアルコール摂取を控えることが大切です。

市販のアイテムで口呼吸を予防する

いびきは、市販のアイテムでも防止することができるのです。
例えば、鼻呼吸しやすくするよう鼻骨の下あたりに貼る鼻孔拡張テープ、口呼吸予防に口を閉じて貼るテープなどが販売されています。
ほかにも、いびき防止枕やスプレーなど、多くのいびき防止アイテムが販売されており、自分のいびきの原因や状況に合わせて選ぶことができます。

アイテムにより効果や価格は違い、鼻腔拡張テープは鼻腔を広げて鼻呼吸をサポート、口に貼るテープは強制的に口呼吸を阻止、いびき防止枕は頭の位置を固定し気道確保する、など様々です。
また、市販アイテムによりいびきを予防することは、喉や口の乾燥の防止にもなるため、風邪をひきやすい方にもおすすめです。

マウスピースであごの位置を調整する

マウスピースを使用することで、あごが正しい位置に固定され気道の確保が叶います。
そのため、下顎が小さかったり、下顎が後ろに下がり気味だったりといったことが原因で、気道が狭まりいびきをかく場合には、マウスピースを装着してみるのも良いでしょう。

また、マウスピースにより息苦しさが解消されるため、口呼吸の予防としても用いることができるアイテムです。

そもそもいびきの原因は?

いびきをかく場合には、生活習慣に原因があったり、病気の可能性が潜んでいたりします。 

まずは、いびきの原因を6つチェックしていきましょう。 

重い病気の可能性

いびきの音が大きい場合、睡眠時無呼吸症候群などの重い病気を引き起こしている可能性があります。

通常のいびきは、何らかの理由により気道が狭くなることで引き起こされるものです。

一方で睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に上気道の筋肉が緩み、舌の根元が喉の奥に落ちて気道を塞いでしまうことによって引き起こされます。

気道が閉塞されると、空気を無理やり通そうと喉の粘膜が大きく振動するため、いびきが生じることになるのです。
睡眠時無呼吸症候群が元でいびきをかいている方は、いびきの音のみならず精神的、身体的に様々なトラブルが起こるリスクがあります。

扁桃肥大・アデノイド肥大

扁桃肥大・アデノイド肥大とは、のどの奥にあるリンパ組織の一部が過剰に発達する疾患です。
この症状がみられる場合、口蓋扁桃や咽頭扁桃が気道を塞いでしまうため、鼻呼吸ができなくなりいびきをかく原因となります。
扁桃肥大・アデノイド肥大は、自然治癒する可能性が低いので、心当たりがある方は医療機関へ受診をするようにしましょう。

お酒を飲む機会が多い

アルコールには筋肉を緩める作用があるので、飲みすぎると気道周辺の筋肉が緩み、舌が落ちやすくなります。その結果、気道が狭くなりいびきをかくことがあります。
さらに、アルコールは血流を良くする作用があることから、鼻の血管も広がり粘膜が腫れ、鼻づまりを起こしやすくなります。

鼻が詰まると気道が狭まり口呼吸にもなるため、いびきの原因となるのです。
アルコールが原因のいびきは一時的な症状であり、アルコールを控えればいびきもおさまります。

食べ過ぎなどによる体重の増加

食べ過ぎなどにより体重が増えると、首の周辺に脂肪が蓄積されます。そのため、脂肪により気道が圧迫され、空気がスムーズに通らなくなり、いびきにつながるのです。

また、体重増加に伴い舌も大きくなるため、舌根が落ち込みやすくなったり気道が狭くなったりし、いびきや無呼吸の原因となります。

肥厚性鼻炎や鼻中隔湾曲症

アレルギー性鼻炎などを含む肥厚性鼻炎や鼻中隔湾曲症を発症すると、鼻づまりが起きやすくなりいびきの原因になります。
例えば、肥厚性鼻炎を起こしている場合、慢性的な炎症により下甲介が厚くなっているため、通常のいびきより気道を塞いでいる可能性が考えられます。

また、鼻中隔湾曲症は、鼻中隔の歪みにより空気の通りが悪くなっている症状です。鼻から酸素が行きにくい分、口呼吸をしやすくなりいびきにつながっています。

疲労の蓄積

疲れがたまると、気道周辺の筋肉が緩んだり、疲労回復のため酸素を多く取り入れようとしたりします。これらは口呼吸につながるため、いびきに発展するのです。

たとえば、ゲームを長時間やることが多い方は、気付かないうちに疲れをためている可能性が高く、睡眠の質が低下したりいびきが生じていたりするかもしれません。

下記の記事では、いびき以外にも、タイプ別にいびきの原因や治療法についてご紹介しています。根本改善がしたい方やセルフケアでは改善されなかった方は、ぜひチェックしてみてください。

いびきによって引き起こされるデメリット

いびきが元で、日常生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。いびきをかくことで起こる主なデメリットを2つ紹介します。

恋人や家族のストレスになる

いびきは、一緒に寝ている人の快適な睡眠の妨げになるため、家族や恋人の身体に大きなストレスがかかります。

あなたのいびきにより睡眠不足の状態が続くと、我慢の限界がきて怒られることもあるでしょう。
恋人や家族との関係を悪化させないためにも、いびきを解消させることが大切です。

人前で眠れなくなる

常にいびきをかいている人の中には、「電車や温浴施設などでいびきをかいてしまった」「映画館でいびきをかき、パートナーに別れを切り出された」「旅行中に友達からいびきが迷惑だと言われた」という経験をした方もいるようです。

その場合、いびきによる恥ずかしい思いをしたトラウマから、外に出るのが嫌になってしまう「社会不安障害」などを発症させる可能性もあります。
このような事態に陥らないためにも、早めの治療をするようにしましょう。でm

いびきには裏に病気が隠れている可能性があり、慢性的な睡眠不足により生活に支障をきたすこともあります。

紹介した「いびきを止める方法」を試してもいびきが治らない場合には、専門のクリニックでご自身に合った「いびきを止める方法」の専門的アドバイスを受けましょう。

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