いびき防止枕は本当に効く?仕組み・効果・おすすめの選び方を解説

いびきの原因・対策
2024.11.26
いびき防止対策まくらは本当に効果があるの?いびきを防止する仕組みや改善する理由を解説
このコラムの監修医師
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。
田沼 欣樹
医療法人社団 紡潤会 指導医、いびきメディカルクリニック いびき専門医。防衛医科大学校卒。いびきや睡眠時無呼吸の治療を通じて、長期的な健康維持を支援している。

「寝ている間のいびきをどうにかしたい…」「市販の枕で本当に改善するの?」とお悩みの方へ。

実はいびきと枕の相性には密接な関係があり、正しい枕を選ぶことでいびきの軽減が期待できます。

本記事では、いびき防止枕の効果や仕組み、購入時に気をつけたいポイントまで詳しく紹介します。

いびき防止枕とは?

いびき防止枕とは?

いびき防止枕とは、人間工学にもとづき睡眠中の気道を確保しやすくする枕のことです。通常の枕はいびきをかく人・かかない人に関係なく使いやすさを重視してつくられていますが、体型や骨格、睡眠中の状況によっては、枕を使うことでいびきをかきやすくなる人も少なくありません。

一方でいびき防止枕は、いびきをかく人の体型や姿勢などに合わせてつくられています。また、枕選びひとつでいびき問題の解決につながる事例も数多くある状況です。睡眠中のいびきに悩まされているという方は、本記事で解説するいびき防止枕の魅力をチェックしてみてください。

いびき防止枕でいびきを改善できる仕組み

なぜいびき防止枕を利用することでいびきを改善しやすくなるのか、具体的な仕組みをまとめました。

  • 枕の高さが調整されているため睡眠中に気道が曲がりにくくなる
  • 寝心地のよい素材と計算された高さ・形で寝返りをうちやすい
  • 側面が高くなったつくりをしているため頭の位置が安定しやすい

もちろん販売されているいびき防止枕の種類によって少しずつ特徴は異なりますが、どれも通常の枕よりもいびきをかきにくいつくりが採用されています。普段から利用している枕でいびきをかいているという人は、この機会に枕を買い替えてみてはいかがでしょうか。

いびき防止枕を購入するメリット

いびき防止枕を購入するメリット

いびき枕を利用することで、いびきの悩みを解決できるかもしれません。参考として、購入することで得られるメリットを3つ紹介します。

【メリット1】現状よりもいびきをかきにくくなる

いびき防止枕を利用することで、現状よりもいびきをかきにくくなる可能性が高まります。

人によっては「枕との相性」が関係していびきをかく人も少なくありません。自分に合っていない枕を使うと舌根沈下(舌が喉側に落ち込む状態)が起きやすくなり、気道が塞がりいびきが生じる場合があります。また、寝返りが打ちにくいといびきをかきやすい仰向けの時間が長くなる場合があります。

普段からいびきがうるさい人や苦しそうに眠っていると言われたことがある人、寝返りを打っていないと指摘を受けたことがある人は、ぜひいびき防止枕を購入してみてください。

【メリット2】いびきが改善されて睡眠の質が向上する

いびき防止枕をつかっていびきが解消されれば、次のようなトラブルを改善しやすくなるのがメリットです。

  • 寝不足
  • 寝起きの頭痛
  • のどの痛み

いびきをかいている人は十分な酸素を取り込みにくい影響で、血中酸素飽和濃度が低くなり、寝起きに頭痛を感じてしまうという人がいます。また、いびきで眠りが浅い状態が続くせいで眠っているのに寝不足になるという人も少なくありません。さらには大きないびきをかくことで気道部が乾燥して炎症を起こす人もいるため、現在いびきや上記の状況に悩まされているという方は、いびき防止枕を購入することから対策を始めてみてはいかがでしょうか。

【メリット3】首の痛みが取れやすくなる

いびき防止枕は睡眠中の寝返りをうちやすくする効果を期待できるため、寝返りをうちにくいときに起こる首の痛みから解消される可能性が高まります。例えば、寝起きに首の痛みを感じるのは次の問題が関係しているケースが多い傾向です。

  • 無理な姿勢で眠っている
  • 寝返りをうたずに姿勢が固まっている

また使っている枕が自分の身体に合っていないと、急性疼痛性頸部拘縮(通称寝違え)により首の痛みや身体のだるさなどを感じる場合もあります。

対していびき防止枕を活用すれば、寝返りをうちやすいほか、変な姿勢で眠ることを防止できるのが魅力です。寝起きによく首が痛くなるという方は、いびき対策に合わせていびき防止枕を購入してみてください。

いびき防止枕を購入するデメリット

いびき防止枕を購入するデメリット

いびきや睡眠の質、寝起きに感じる首の痛みなどの解消を期待できるいびき防止枕ですが、購入する際にデメリットを感じるポイントが2つあります。購入で後悔したくない方は、ぜひデメリットもチェックしておきましょう。

【デメリット1】通常の枕よりも費用が高い場合がある

いびき防止枕は通常の枕と比べて、いびき対策向けにつくられているため、若干費用が高めに設定されています。

例えば、通常の枕よりもクッション素材がよいものを使われている商品もあれば、特殊な構造をしているもの、自身の頭の形に合わせてカスタマイズできるものなどもあり、大量生産されていないことも含めて費用が割高です。

場合によっては予算オーバーで購入できないことも考えられるので、事前に気になるいびき防止枕の費用を把握しておくことをおすすめします。

【デメリット2】自分に合う枕を見つけるのに時間がかかる

いびき防止枕は提供されている商品によって次のようなポイントが変化するため、自分に合う枕を見つけるまでに時間がかかりやすい場合があります。

  • 形状
  • 柔らかさ
  • 質感
  • 寝心地

実際に枕を使ってみないと上記のポイントがわからないのもネックです。ECサイトなどを通じていびき防止枕を購入しようと考えている人は、イメージしている枕が必ず手に入るわけではないことに注意してください。

いびき防止枕の選び方

いびき防止枕の選び方

いびき防止枕はさまざまなメーカーから販売されており、商品によって少しずつ形状や性能が異なります。場合によっては購入後に「自分には合わなかった…」とわかることもあるでしょう。

参考として、自分に最適な枕の選び方を紹介します。いびき防止枕の販売店舗へ出向いて6つのポイントをチェックしてみてください。

【選び方1】仰向けの姿勢とのフィット感

いびき防止枕に仰向けで眠ったとき、首に痛みを感じないか、無理な姿勢にならないかなど、姿勢とのフィット感をチェックしましょう。自分の体型や姿勢に合わないいびき防止枕を選ぶと期待する改善効果を得られないため、実際に店舗で枕を使ってみてください。

【選び方2】横向きの姿勢とのフィット感

いびき防止枕を使うときは、横向きの姿勢でのフィット感をチェックすることも大切です。一般的ないびき防止枕は側面部が高くつくられているため、その高さが自分に合っているのかをチェックしましょう。

【選び方3】呼吸のしやすさ

いびき防止枕に頭を置いたとき、普段使っている枕よりも呼吸がしやすいかをチェックしましょう。

いびきは呼吸のしやすさひとつでかく・かかないが決まる場合があります。呼吸がしづらい枕の場合、気道がふさがりやすくなるので、実際に枕を使ってみて、仰向け・横向きの姿勢で息苦しさがないか確認してみてください。

【選び方4】寝返りのうちやすさ

いびき防止枕を選ぶ際には、寝返りをうちやすいか確認することも大切です。

いびき防止枕は中央部・側面部で高さが違うため、高低差がありすぎると寝返りを打てず睡眠の質が下がってしまったり、姿勢が固定される影響で首を痛めてしまったりするかもしれません。また、仰向けはいびきをかきやすいことから、寝返りを打ちいびきをかきにくい横向きなどに姿勢を変えることが大切です。枕を選ぶ際は、実際に姿勢を変えながら寝返りについて確認してみてください。

【選び方5】首や耳の痛み

いびき防止枕を使うときには、首や耳に痛みがないかをチェックしましょう。

例えば、素材の固い枕が苦手な人は、固さのせいで首や耳が痛くなるかもしれません。また、反発性の強い・弱いによって横向きで寝た場合の耳の圧迫感が変化します。長期間痛みのある枕を使うと逆に身体を悪くするので、購入前に意識して確認してみてください。

【選び方6】熱のこもりやすさ

快適な睡眠を手に入れたいなら、熱のこもりやすさをチェックすることが欠かせません。使いやすい枕だったとしても、熱がこもりやすく時間の経過とともに不快感がある枕の場合、睡眠の質が落ちてしまいます。枕を使っているときに首の後ろや耳が熱くならないかを確認してみてください。

いびき防止枕は高さ選びが重要な理由

いびき防止枕は高さ選びが重要な理由

いびき防止枕の購入を検討している人は、枕の高さ選びが重要だと覚えておきましょう。なぜ高さをチェックすべきなのか具体的な理由をまとめました。

【理由1】人によって体型や骨格が違う

人間は身体の大きさや体型などにより、仰向けで寝たとき・横向きに寝たときの首の位置が変化します。

例えば男性は身体が大きい傾向にあるため、ある程度枕に高さがなければ首の痛みを感じてしまうかもしれません。また男性は肩幅があるので、横向きの状態で眠るときにはある程度枕が高くなければ寝づらさを感じてしまいます。

続いて女性は、骨格的に枕が高すぎると寝苦しさを感じることも少なくありません。逆に高すぎると首を痛めるケースがあることに注意が必要です。

【理由2】高さによって寝返りのうちやすさが変わる

いびき防止枕の高さにより、寝返りのうちやすさが変化することにも気を付けなければなりません。

特に高低差がある枕の場合、姿勢を変えづらいせいで身体の一部に血が溜まり寝苦しさや気持ち悪さを感じてしまいます。睡眠中は寝返りをうてる環境を整えておくことが重要ですので、実際に販売店舗などを訪問して寝返りのうちやすい枕を購入しましょう。

いびき防止枕はオーダーメイドがおすすめ

いびき防止枕はオーダーメイドがおすすめ

自分の体型や骨格に合ういびき防止枕を購入したいなら、自分で高さを調整できる枕を選ぶのがおすすめです。例えば、次の方法で高さや素材の調整が可能な枕を購入できます。

  • 高さ調整に対応した市販の枕を購入する
  • 寝具専門店でオーダーメイドする

もし素材に不満がなく高さ調整だけで問題を解決できそうなら、高さ調整に対応した市販の枕を選びましょう。ただし高さだけでなく素材や枕の質感、寝心地などにもこだわりたい人は、寝具専門店でオーダーメイドするのがおすすめです。

2種類の方法でいびき防止枕を購入できるので、この機会に枕の買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。

いびき防止枕でいびきが改善しない人は、専門のクリニックに相談しよう

いびき防止枕でいびきが改善しない人は、専門のクリニックに相談しよう

いびきの改善に役立ついびき防止枕ですが、なかには枕を買い替えても問題を解消できないという人がいます。自分で改善の方法を見つけられない人は、まずいびき専門クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

いびきに関する問診・検査を経て正しい解決策を提案してもらえるので、クリニックへの相談を視野に入れてみてください。

FAQ

よくある質問

いびき防止枕と通常の枕は何が違うの?
いびき防止枕は高いほうがいいですか?

いびき防止枕は、自分の体型や骨格に合う高さを選ぶことが重要です。高ければ高いほどよいということはなく、最適な高さの枕を選ぶことでいびきの悩みを解決しやすくなります。逆に高すぎる枕を選ぶと首を痛めるほか寝返りをうちにくくなるので、枕選びに注意してください。

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