悪夢ばかり見てしまう悪夢障害とは?睡眠時無呼吸症候群との関係性

「悪夢障害って?」
「悪夢と睡眠時無呼吸症候群って関係あるって本当?」
「悪夢ばかり見ない方法ってあるの?」
と考えている方もいるのではないでしょうか。
悪夢ばかり見る時には、睡眠障害や精神疾患の可能性があります。自分でできる生活上のきまりを守って生活すれば、改善することもあるでしょう。それでも、改善しない場合は、睡眠外来などを受診して、相談しましょう。
この記事では、悪夢ばかり見る原因、悪夢ばかりを見ない方法について、解説します。この記事を読めば、悪夢ばかり見る原因や悪夢ばかりを見ない方法について理解でき、眠るのが怖くなくなります。
悪夢ばかり見る原因とは?
みなさんは「悪夢で目が覚めた」という経験がある方も多いのではないでしょうか。悪夢は少しみるだけでも、良い気分はしないものです。
悪夢ばかり見る原因は主に以下の2つです。
- 睡眠障害
- 精神疾患
悪夢ばかり見るときに考えられる睡眠障害
悪夢ばかり見るときに考えられる睡眠障害の主なものは、以下の3つです。
- 睡眠時無呼吸症候群
- レム睡眠行動障害
- 悪夢障害
以下で、1つずつ詳しく解説します。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に、一時的に呼吸が停止する無呼吸状態を繰り返す病気です。無呼吸になるたびに低酸素状態になるので、患者さんは苦しくなり、目覚めます。この「苦しい」という気持ちが悪夢を引き起こして、記憶に残っているのかもしれません。
睡眠と覚醒を一晩中繰り返すので、熟睡できなくなり、日中に強い眠気が出現するようになります。酸素濃度が下がるため、補完しようと心臓の働きが強まり、起きるのが、高血圧症です。また酸素濃度の低下で動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。さらに睡眠不足によるストレスで、血糖値やコレステロール値も高くなり、生活習慣病やメタボリック・シンドロームの発症を招きます。
中等症・重症(10秒以上の呼吸停止が1時間あたりに20回以上)の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞や脳梗塞、生活習慣病、眠気による事故などを引き起こし、死亡率が非常に高くなるので、すぐにでも治療が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の治療について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください
レム睡眠行動障害
レム睡眠行動障害とは、睡眠中に夢体験と同じ行動をとってしまう病気です。
健康な人は、レム睡眠中には骨格筋が弛緩しているので動けません。レム睡眠行動障害だと、この抑制機構が障害されているので、夢の中での行動が現実の行動となって現れてしまうのです。大声で寝言を言う、腕を上げて探すしぐさをする、殴る、蹴るなどの激しい動作がみられます。症状が強いと、起き上がって歩き回る、窓から飛び出す、ベッドパートナーに怪我を負わせるなど危険を伴う場合もあります。
原因が明らかでないことも多いのですが、約半数例にみられるのが中枢神経の疾患です。特に多いのが、パーキンソン病やレビー小体病、多系統萎縮症などで、これらの疾患の発症の前兆としてレム睡眠行動障害がみられる場合もあります。
男性に多く、加齢とともに増加する疾患です。最初は言葉を発するくらいなので、周囲にも気づかれず、病気に気づかない症例もあります。進行に伴い、徐々に激しく、暴力的な行動がみられるようになる場合もあります。
参考:
レム睡眠行動障害|厚生労働省
悪夢障害
悪夢障害とは、睡眠障害の1つで、年齢や性別にかかわらず起こる疾患です。主な原因はストレスです。
「悪夢をみるのが怖くて眠れない」
「悪夢のせいで毎日が憂うつ」
「日中の行動が悪夢に影響されてしまう」
などの特徴があります。悪夢の内容を起床後も覚えているのが特徴です。悪夢をみることで日中も憂うつな気分が続き、日常生活に支障が出てしまいます。
悪夢ばかり見るときに考えられる精神疾患
悪夢ばかり見るときに考えられる精神疾患の主なものは、以下の3つです。
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 急性ストレス障害(ASD)
- うつ病
以下で、1つずつ詳しく解説します。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
心的外傷後ストレス障害(PTSD, Post Traumatic Stress Disorder)とは、死の危険に直面した後、その時の記憶が自分の意志とは無関係にフラッシュバックするように思い出されたり、悪夢としてみたりすることが続き、不安や緊張が高まり、辛さで現実感がなくなったりする状態です。PTSDは決して珍しい状態ではなく、精神医療では「ありふれた病気」のひとつです。
生死に関わる体験をすると、不安や不眠、動悸などの症状がでる人は少なくありませんが、たいていの場合は一過性です。またフラッシュバックのような症状が出ても、数ヵ月のうちに落ち着く人も少なくないようです。しかし時間が経過しても楽にならず、ますます辛くなる場合もあります。また、数ヵ月から数年間経過してから、PTSD症状が際立ってくる人もいます。
急性ストレス障害(ASD)
急性ストレス障害とは、心の傷になるような出来事(外傷的出来事)を経験してほぼすぐ始まるけれども1カ月未満で消滅する、日常生活に支障をきたすような強く不快な反応のことです。症状が1カ月を超えて持続する場合がPTSDです。
ASDの症状として、「心の傷になった出来事について、苦痛を伴う夢を繰り返しみる」可能性があります。
うつ病
悪夢は、うつ病の前兆かもしれません。人間はストレスが多くなると深く眠れなくなり、夢を見やすくなります。そのような状態で悪い夢を見る回数が増えるのは、日常生活で精神的な負荷がかかっているサインです。夢の中でも仕事や育児などの心配ごとを抱えている状態の自分がいて、現実世界とリンクした内容の悪夢を長期間、見続けている場合は大きなストレスを抱えている可能性があります。
ストレスで悪夢が増え、少ない睡眠時間がさらに減り、慢性的な睡眠不足に突入します。常に疲れていて、少しのことでイライラ。それが対人関係の悪化を招き、生活に悪影響が出てくると、さらにストレスが増し、うつ病発症につながってしまうかもしれません。
精神的な原因に当てはまる方は、精神科・心療内科の新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください。
悪夢ばかりを見ない方法4つ
「悪夢ばかりを見るのは辛い」そんな、あなたのために悪夢ばかりを見ない方法を解説します。
悪夢ばかりを見ない方法として、ここで解説するのは、以下の4つです。
- 睡眠の質を高める
- ストレスや不安の原因と向き合う
- うつ病
睡眠外来などで専門家に相談する
できることから始めてみましょう。
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めて、深く眠るためには、以下のことに注意しましょう。
- 規則正しい生活をする
- 適度な運動を習慣的にする
- 就寝の2~3時間前に入浴する
体の中には体内時計があり、睡眠のタイミングだけではなく、ホルモン分泌や生理的な活動を調節して、睡眠に入りやすくしてくれます。国内外の疫学研究では、運動習慣が不眠を減らすことがわかっています。ウォーキングや軽いランニングなどの負担が少ない有酸素運動を定期的にすることが大切です。効果的なのは夕方から夜の運動。就寝直前は体を興奮させるので禁物です。
運動の場合と同様に、入浴で体温を一時的に上げると、睡眠に良い効果があります。就寝の2~3時間前に、湯温はぬるめでも熱めでも、半身浴でも、自分の体調や好みにあった方法で入浴しましょう。
ストレスや不安の原因と向き合う
悩みや不安の背景にある問題と向き合ってみることで、嫌な夢を見るのが少なくなるかもしれません。しかし、考えすぎるのは問題です。時には、悩みの原因から離れてみましょう。ストレスを適度に発散してため込まないことも大切です。時間を作って、自分の好きなことや趣味をして、上手にストレスを発散しましょう。
カフェインやアルコール摂取を控える
悪夢がカフェインやアルコールの摂取が原因で起っている場合もあります。
カフェインには覚醒作用があり、仕事や勉強のお供には良いものですが、夕方以降は控えましょう。どうしてもコーヒーが飲みたい場合には、デカフェやカフェインレスのタイプを選ぶ方法もあります。アルコールはリラックス効果があるので、ストレスを下げるにはいいものですが、睡眠の質を下げます。睡眠後半では覚醒度が上がり、起床前に悪夢を見やすくなる可能性があるので、寝酒などには注意が必要です。
睡眠外来などで専門家に相談する
上記の方法を自分で試しても、まだ悪夢ばかり見るような場合は、睡眠外来などで専門家に相談してみましょう。睡眠外来とは、睡眠障害の解決のために行く専門外来です。睡眠障害は、睡眠や覚醒に問題があり、日常生活に支障をきたしている状態のことです。現在、30〜40%の成人が何らかの不眠症状を持っているといわれています。睡眠の問題に特化した睡眠外来は、現代人の悩みを解決するために重要な施設です。
睡眠外来についてもっと知りたい方は下記記事をご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群で悪夢ばかり見る場合はいびきメディカルクリニックにご相談ください
この記事では、悪夢ばかり見る原因、悪夢ばかりを見ない方法について、解説しました。
悪夢ばかり見る時には、睡眠障害や精神疾患の可能性があります。自分でできる生活上の注意を守れば、改善することもあるでしょう。それでも、改善しない場合は、睡眠外来やいびき外来などを受診することを検討してみましょう。
いびきメディカルクリニックは、いびきや睡眠時無呼吸症候群の根本改善を目指すための専門クリニックです。当院で行っているパルスサーミア治療はたくさんの患者様にその効果を実感していただいています。無料でカウンセリングしています。当院を受診してみたい方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
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よくある質問
以下のことに注意してみましょう。
- ストレスを解消する
- カフェイン摂取を控える
- リラックスできることをする
- 寝酒をやめる
- 就寝と起床時間を一定にする
生活リズムを整えて、十分な睡眠時間をとることが大切です。