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眠りが浅くなる原因は「浅い呼吸」!睡眠不足だけじゃない体への悪影響と改善法をわかりやすく解説

「最近眠りが浅い…」「寝ても疲れが取れない…」

このように、睡眠の悩みを持つ人は多いのではないでしょうか?もしかしたらそれは、「浅い呼吸」が原因かもしれません。

一見、「睡眠」と「呼吸」には関連性がないように思えますが、質の良い睡眠には正しい呼吸が欠かせません。そして、浅い呼吸を放っておくと、その影響はただの寝不足だけにとどまらず、体のあちこちに及びます。 そうなる前にこの記事では、どうして呼吸が浅くなってしまうのか、呼吸が浅くなると体にどんな影響があるのかをわかりやすく解説します。最後に、浅くなった呼吸を深い呼吸に改善する方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

寝ているときはどんな呼吸をしている?


そもそも、寝ているときの正しい呼吸とはどういう呼吸でしょうか?それは、「深い呼吸」です。では、どうして寝ている間は深い呼吸になるのでしょうか?それには「自律神経」が大きくかかわっています。

自律神経とは、心臓をはじめとする内臓の働きや体温、呼吸などの調節を24時間休みなく行っている神経です。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けられ、交感神経が優位に働くと体はアクティブな興奮状態に、副交感神経が優位に働くと穏やかなリラックス状態になります。 つまり、体を休める睡眠中は副交感神経が優位に働くため、「深い呼吸」をするのが正しいといえます。健康な状態であれば、活発に活動する日中は交感神経優位モードに、体を休める睡眠中は副交感神経優位モードに自然と切り替わります。しかし、現代人は日々緊張と過剰なストレスにさらされて常に興奮状態にあるため、睡眠中でも交感神経優位の状態が続き、その結果「浅い呼吸」になってしまうのです。

睡眠不足だけじゃない!呼吸が浅いことで起こる体の不調【5選】


このように、浅い呼吸のままだと体をしっかり休めることができず、その結果深刻な睡眠不足に陥ってしまいます。そして浅い呼吸がもたらす体への影響は、睡眠不足だけにとどまりません。代表的な症状を5つご紹介します。

慢性疲労

1つ目の不調は、「慢性疲労」です。通常、深い呼吸をしているときは肺の横隔膜が大きく動くため、よりたくさんの酸素を体に取り込むことができます。

しかし、浅い呼吸では横隔膜の動きが小さくなるため、一度に取り込める酸素の量が少なくなります。それによって、体のすみずみまで酸素が行き渡らなくなり、内臓の働きや血流の流れが悪くなって疲れを感じやすくなるのです。

また、上記で説明した睡眠不足も慢性疲労を悪化させる要因のひとつです。常に交感神経が活発に働いていては、ぐっすり眠ることはできません。人間は寝ている間にその日に溜まった疲労を回復させているので、睡眠が十分にとれないと疲労はどんどん体に蓄積していき、より慢性疲労を加速させてしまいます。

集中力の低下

2つ目の不調は、「集中力の低下」です。「慢性疲労」でも説明したように、呼吸が常に浅い状態だと全身の血の巡りが悪くなります。それによって脳の働きも鈍くなり、「なんだか頭がすっきりしない」や「ボーっとしてしまう」といった症状が現れます。

また、呼吸が浅い状態は交感神経が過剰に働いている状態でもあります。その結果、作業に集中できなくなったり、小さなミスを繰り返したりするなど、仕事に支障をきたすこともあります。

体の冷え

3つ目の不調は「体の冷え」です。呼吸が浅い状態だと1回の呼吸で取り込める酸素の量が少なくなるため、体内の酸素の量が不足します。人間の体は脳や心臓など、より生命維持に大きくかかわる器官に酸素を優先的に供給します。ですがその代わり、手や足先の毛細血管への血流は後回しにされます。

これによって引き起こされるのが「冷え性」です。筋肉量が少ない女性や筋肉が衰えた高齢者に多く発症し、ひどくなると生活に支障が出ることもあります。特に、睡眠への影響は非常に大きいです。夜布団に入っても足先や指先が冷えてなかなか眠れず、熟睡することができなくなります。その結果、さらに睡眠不足や慢性疲労、集中力の低下につながってしまうのです。

参考:しっかり呼吸順天厚生事業団

免疫力の低下

4つ目の不調は、「免疫力の低下」です。これは、睡眠不足による二次災害のような症状です。慢性疲労のところで「人間は寝ている間に疲労を回復させている」と紹介しましたが、ここをより具体的に説明します。

この疲労回復を担っているのが、「成長ホルモン」と呼ばれるホルモンです。成長ホルモンは体を成長させるためにあると思われていますが、本来は傷ついた細胞や臓器を修復するためにあります。そしてこの成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されており、日中はほとんど出ていません。

つまり、呼吸が浅いために睡眠が十分にとれないと、成長ホルモンが分泌されず傷ついた細胞を修復することができなくなります。その結果、細菌やウイルスが傷ついた細胞から体内に侵入しやすくなってしまうのです。

また、呼吸が浅いことによって血流が悪くなると、体内にまんべんなく酸素や栄養分を運ぶことができなくなります。それにより、弱った細胞や臓器が細菌などに攻撃されやすくなってしまうため、感染症にかかりやすくなります。

心の不調

最後の不調は、「心の不調」です。こちらも主に睡眠不足が引き起こす二次災害的な症状です。人間は睡眠中に細胞や臓器の修復を行っていると上記で説明しましたが、それと同時に記憶の整理も行っています。

簡単に説明すると、人間は睡眠中に「不要な記憶の消去」を行っているのです。特に、悪い思い出やネガティブな感情を引きずらず忘れることができるのは、睡眠中に脳が「この記憶は嫌な記憶だからいらない」と整理してくれているからです しかし、睡眠をしっかりとれないと嫌な記憶が忘れられず、いつまでもネガティブな感情にとらわれてしまいます。その結果、常に不安を感じるようになってしまい、些細なことでイライラしたり、気分が落ち込んだりするのです。

呼吸が浅いのは睡眠時無呼吸症候群のせいかも

ここまで、どうして呼吸が浅くなるのか、呼吸の浅さがもたらす体の不調について説明してきました。呼吸が浅いだけで、睡眠不足だけでなく、体のいたるところや心にも悪影響を与えるというのはとても怖いですよね。

ですが、本当に怖いのはここからです。この「呼吸の浅さ」はさらに恐ろしい病気の前兆の可能性があります。それは、「睡眠時無呼吸症候群」という病気です。

睡眠時無呼吸症候群って何?

睡眠時無呼吸症候群はその名の通り、眠っている間にしばしば呼吸が止まってしまう病気です。睡眠中は、気道の周りや舌の周りの筋肉が緩んで脱力します。このときに、落ち込んだ舌が気道をふさぐような状態になることで、無呼吸になって苦しくなるのです。

さらに、無呼吸が起こるたびに酸素を取り込もうと中途覚醒を繰り返すため、慢性的な睡眠不足に陥ります。その結果、日中のひどい眠気や判断力の低下などをもたらします。まさに、上記で説明した呼吸が浅いことによって起こる体の不調と同じような症状が起こるのです。

どんな人が発症するの?

この病気になる人は肥満体型であることが多いです。しかし、これは肥満体型ではない人は睡眠時無呼吸症候群を発症しないということではありません。痩せていても、この病気は発症します。

その理由は、日本をはじめとしたアジア人は顔が平たく、下あごが奥まっている人が多いためです。その結果、気道がもともと狭くなっている傾向があり、体型にかかわらず睡眠時無呼吸症候群を発症します。そのため、「私は、痩せているから心配ない」ということはないので、注意が必要です。

また、男性がかかりやすく、女性はなりにくいというイメージもありますが、このイメージも間違いです。症状の出やすさに、性別は関係ありません。

どうやって診断するの?

睡眠時無呼吸症候群のもっとも特徴的な症状は、「大きないびき」です。中途覚醒などの症状が出るのは基本的に本人が寝ている間のため、自分で「私って睡眠時無呼吸症候群かも…?」と気づくのは難しいです。ですが、睡眠時無呼吸症候群の人の多くはとても大きないびきをかきます。それを家族に指摘されて、診察に来るというパターンが非常に多いです。

医療的な診断は、日中の眠気を評価するためのESS(エプワース眠気尺度)問診票や簡易検査のアプニモニター、そして脳波の測定も含めた精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG)などがあります。簡易検査は外来でもできますが、精密検査は入院が必要です。

精密検査によって、呼吸が止まったり浅くなったりする回数(無呼吸低呼吸指数:AHI)が5回以上だと、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

参考:睡眠時無呼吸症候群 – 独立行政法人国立病院機構 近畿中央呼吸器センター,

こちらの記事で、睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックをすることができます。質問が14項目あるので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック14項目!リスクと治療法も紹介

どうやって治療するの?

睡眠時無呼吸症候群は、適切に治療をすれば治すことができる病気です。また、それに伴うさまざまなリスクも回避することができます。

治療自体もマウスピースで気道を広げたり、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)という器具を装着したりすることよって比較的簡単に行うことができます。また、症状が軽度であれば生活習慣の改善をするだけでも効果が見られる場合があります。主に肥満体型を解消するために食生活を見直したり、適度な運動をしたりすることは、特に効果的な方法です。

以下の記事で、睡眠時無呼吸症候群の治療法について詳しく解説しています。
睡眠時無呼吸症候群の悩みから解放されたい!どんな治し方がある?

迷わず医師へ相談を

睡眠時無呼吸症候群によってもたらされる症状は、睡眠不足だけではありません。この病気を長く患うと、高血圧や肥満、糖尿病などの生活習慣病を併発します。また、血液がドロドロになることによって心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなります。治療せずにいると、およそ8年間で約4割の人が死亡するという驚きのデータもあります。それくらい、睡眠時無呼吸症候群は恐ろしい病気なのです。

家族に大きないびきを指摘されたことがある人は、近くの呼吸器クリニックや、睡眠外来などを速やかに受診してください。家族などと住んでおらずいびきを指摘されたことがない人も、昼間にひどい眠気や集中力の低下などの自覚症状があれば、医療機関を受診することを強くおすすめします。

浅い呼吸を改善する方法


では、睡眠時無呼吸症候群とまではいかなくても、睡眠時の「浅い呼吸」を改善する方法はあるのでしょうか?

実は、とても簡単な方法で「浅い呼吸」を「深い呼吸」に変えることができます。その方法は、深呼吸です。

「えっ、深呼吸?」と驚かれた方もいるかもしれません。ですが、説明した通り現代人は常にストレスにさらされている状態なので、呼吸が浅くなっている人が多いです。あなたも、一日中デスクワークでずっと同じ姿勢で過ごしたり、周りの人のプレッシャーが怖くてずっと肩に力が入っていたりしませんか?

呼吸は意識的にやろうと思ってするものではありません。ほとんどの人が無意識で行っています。ですがだからこそ、存在を忘れがちな呼吸のリズムを意識的に整え、「浅い呼吸」から「深い呼吸」に切り替える必要があるのです。

それではこれから、「深い呼吸」をするための深呼吸の方法について解説していきます。

①腹式呼吸を意識する

最初に必ず意識してほしいのは「胸式呼吸」ではなく、「腹式呼吸」をするということです。あなたは、呼吸をするときに「胸式呼吸」をしていますか?それとも「腹式呼吸」をしていますか?はじめにそれを確認してみましょう。

まず、スーっと思い切り息を吸ってみましょう。そのとき、どこが動いたでしょうか?心臓より下のおなかや、背中のあたりが動いたという人は、「腹式呼吸」ができています。逆に心臓のあたりが膨らみ、肩が上に上がったという人は、残念ながら「胸式呼吸」をしていると思われます。

どうして「腹式呼吸」なのかというと、自律神経のうち「交感神経」が優位に働くのが「胸式呼吸」、反対に「副交感神経」が優位に働くのが「腹式呼吸」だといわれているからです。今回は、体をリラックスさせて「浅い呼吸」を「深い呼吸」に変えるために深呼吸を行います。そのため、より副交感神経を働かせてリラックスするためには、「腹式呼吸」のほうがより効果的というわけです。

②椅子に腰かけ、息を吐く

それでは、深呼吸の実践に移りましょう。まず、椅子に腰かけます。どんな椅子でも構いませんが、できるだけ座っていてリラックスできるものが良いでしょう。

そして、おなかをへこませながらゆっくりと息を吐き切ります。このとき、肩に余計な力が入らないように注意してください。おなかがへこんでいるかわかりにくい人は、おなかに手を当ててへこんでいるのを感じましょう。こうすることで、次に新鮮な空気を吸い込む準備をすることができます。

③鼻からゆっくり息を吸い込む

次に、4~5秒かけて鼻からゆっくりと息を吸い込みます。そして、へその下に今吸い込んだ空気をため込むようなイメージでお腹を膨らませていきます。

このときもなるべく肩が動かないように注意してください。また、心臓や胸のあたりが動いてしまう人は「胸式呼吸」になっているので、しっかりとおなかのあたりが動くように意識してください。

④口からゆっくりと息を吐きだす

おなかを膨らませたら、再び口からゆっくりと息を吐きだします。おなかをへこませながら、8~10秒くらいかけてゆっくりと吐き出しましょう。ここで、口をすぼませながら行うとゆっくりと息を吐くことができます。このときもなるべく動かすのはおなかだけで、胸や肩が動かないようにしましょう。

最初は1日5回程度を目安に行います。慣れてきたら気がついたときに行うなどして、取り入れる回数を徐々に増やしていきましょう。最近なかなか寝つけないと感じる人は、寝る前に行うのも効果的です。この深呼吸を行うことで、交感神経から副交感神経に切り替わりやすくなるため、寝つきの悪さ改善に効果が期待できます。

参考:しっかり呼吸順天厚生事業団

それでも不安な方はぜひイビキメディカルクリニックへ

今回ご紹介した深呼吸はやり方も簡単で、気がついたときに気軽に行うことができます。仕事中であっても、ふっと肩の力を抜いてゆっくり呼吸を整えることができれば、日常化した「浅い呼吸」を「深い呼吸」に改善することが可能です。ぜひ、やってみてください。

また、それでも睡眠の質が改善されない、睡眠不足が慢性化しているという人は、何かしらの睡眠障害が隠れている可能性があります。安易な自己判断はせず、専門医による治療を受けることが症状改善に近づく一番の近道です。

イビキメディカルクリニックは、いびきの治療に特化した専門医院です。いびきをはじめとした睡眠障害に悩む患者様のお力になれるよう、カウンセリング・治療を行っております。ご希望の方には最新のレーザー治療である「パルスサーミア」をご案内可能です。新宿院・銀座院・立川院ともに駅から歩いてすぐのところにあるので、ぜひ一度ご来院ください。当院では、混雑を避けるため予約フォームをご用意しております。お電話の他にLINE、WEBからのご予約も可能です。

また、お客様にご納得いただいたうえで治療に臨んでいただくため、無料カウンセリング(完全予約制)も実施しております。治療を始める前に、治療の流れや費用について打ち合わせをすることが可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

【よくある質問】

Q.どうして呼吸が浅くなるの?

A.現代人は常にストレスにさらされていて、交感神経が優位になりがちです。そのため、睡眠時になっても副交感神経優位に切り替わらず、呼吸が浅くなってしまいます。

Q.浅い呼吸を改善するにはどうしたら良い?

A.意識的に深呼吸をすることが大切です。緊張で凝り固まった体をほぐしながら、ゆっくり深い呼吸を心掛けましょう。

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