いびきをかく人は高血圧のリスクが1.5倍!?寝不足と血圧の関係性について

目次
健康診断で高血圧だと診断された方や、血圧が高いせいで動悸が起こりやすいという人も多いでしょう。もしかするとそれは、いびきをかいていることが原因かもしれません。
この記事では、高血圧といびきの関係性について解説します。また、血圧を変化させる原因である寝不足といった睡眠トラブルとの関係も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
いびきをかく人ほど高血圧になりやすいって本当?

一般的にいびきはただ音が出るだけで、特に高血圧とは何の関連もないと思われがちです。なかには「年齢のせい」「食生活のせい」だと考える人もいるでしょう。
確かに上記のような理由もありますが、いびきをかく人ほど高血圧になりやすいのは事実です。
「最近血圧が高いせいでフラフラする」
「健康診断で高血圧だと診断された」
という方は、ぜひいびきと高血圧の関係性を理解して、適切な対策をはじめましょう。
いびきをかく人はかかない人と比べて高血圧のリスクが1.5倍も高くなる
いびきをかく人はかかない人と比べて高血圧のリスクが高まるという情報は、韓国で実施された研究で解明されている事実です。
当研究では、被験者40~69歳の成人約5,000名を対象として、いびきと血圧の関係性がチェックされました。主に年齢、性別、喫煙の可否、血圧などの因果関係が調査された結果、いびきの有無で高血圧になるリスクが約1.5倍も上昇するということがわかっています。
調査の傾向から見ても、習慣的ないびきをかく人ほど高血圧になりやすいのは本当のことです。普段からいびきをかいている人は、自身の健康を見直すために後述する高血圧になる理由や対策についてチェックしてみてください。
いびきをかくと高血圧になりやすい理由

まずは、いびきをかくことで高血圧になりやすい理由を、具体的なメカニズムも含めて紹介します。
【いびきで高血圧になる理由1】血中酸素飽和濃度が低くなるため
いびきをかく人は、かかない人と比べて気道がふさがりやすい影響で十分な酸素を取り込みにくいのが特徴です。結果として、血液中の酸素が減ってしまい、より多くの酸素を身体中に行き渡らせるために心臓の動きが活発化します。
心臓が多く動くということは、その分だけ血圧を高めるということです。睡眠中の血圧が高まるせいで目が覚めてから動悸や息切れ、めまいなどを感じやすくなります。
参考:
日本におけるいびきと高血圧発症および循環器疾患発症|磯 博康
【いびきで高血圧になる理由2】脳に酸素が送られにくくなるため
いびきの影響で酸素を十分に取り込めないということは、脳にも十分な酸素を運べないということです。脳に酸素が運ばれなくなると、脳機能の低下を防ぐために、心臓を動かして脳に酸素を運ぼうと活動をはじめます。
前述した結果と同じように、生存本能により自然と脳が血圧を高めようとするのが高血圧になる原因です。また高血圧だけではなく血糖値やコレステロール値を高めることから、生活習慣病を発症するリスク自体が高まりやすくなる点に注意しなければなりません。
いびきだけじゃない!高血圧を引き起こす原因

高血圧になるのは、いびきだけが原因ではありません。ほかにも複数の理由があるため、高血圧になる複合的な要因をチェックしておきましょう。
参考:
高血圧 | 厚生労働省
【高血圧を引き起こす原因1】肥満
高血圧には、肥満が関係していることがあります。
食べすぎなどによる塩分過多な生活の結果、内臓脂肪型肥満となり、血圧を上げるインスリンが過剰に分泌されて高血圧になるのが特徴です。また肥満の人は正常な人と比べて、約3倍多く高血圧になりやすいと言われています。
最近お腹が出てきた、体重が急に増えたという方は高血圧に注意してください。
【高血圧を引き起こす原因2】寝不足や睡眠不足
普段からよく眠れない、無理に睡眠時間を短くしている人も高血圧になるリスクが高いと言われています。
睡眠のリズムが崩れていたり、寝不足が続いていたりすると、自然と自律神経が乱れて血圧を高めるインスリンが過剰分泌されるのが特徴です。結果として血圧が上がり、動機や息切れ、酷い場合には糖尿病を発症するリスクも高まります。
【高血圧を引き起こす原因3】ストレス
前述した寝不足や睡眠不足と同様に、ストレスでも自律神経が乱れて高血圧になりやすいです。
メカニズムとしては同様であり、インスリンの過剰分泌により、徐々に血圧が高まってしまいます。ストレス解消ができていない(できない)という人は、早めにストレスの原因を解決することが欠かせません。
【高血圧を引き起こす原因4】音などの環境要因
高血圧には、次のような環境要因が関係していると言われています。
- 騒音
- 過剰な飲酒
- 喫煙
- 温度変化(寒い・暑い)
快適ではない環境で過ごし続けると、心身ともに疲労が蓄積します。結果として自律神経が乱れてしまい、インスリンの過剰分泌から高血圧につながりやすくなることに注意が必要です。
高血圧を発症するリスク

高血圧を発症すると、日常生活にさまざまな影響が出てしまいます。具体的な問題も含めて紹介しているので、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。
【高血圧のリスク1】体調不良やめまいを引き起こす
高血圧の影響で通常よりも大量の血液が流れるようになると、血管内部の壁にかかる圧力が強まり、心臓や身体全体への負担が増してしまいます。血圧が安定するまで長時間負荷がかかることから、急激な血圧の変化により、次のような状態に悩まされることも少なくありません。
- 動悸
- 息切れ
- 手足の浮腫み
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
特にいびきをかいている人は、寝起きに強い頭痛や動悸、めまいを感じやすくなります。目が覚めた瞬間から体調不良が起きやすいという人は、いびきが原因で高血圧になっているのかもしれません。
【高血圧のリスク2】合併症のリスクが高まる
いびきなどが原因で起こる高血圧の状態が続くと、次のような血管関係の病気を発症しやすくなります。
- 脳梗塞
- 脳卒中
高血圧により血管に負荷がかかるほか、血管自体を傷つけて起こるのが脳梗塞や脳卒中です。命にかかわる重大な合併症であることはもちろん、発症時の死亡リスクも高いことから、高血圧に悩まされている人は、早めに血圧を下げる対策をスタートしましょう。
高血圧はいびき治療で解決しよう

高血圧、そしていびきの両方に悩んでいるという方は、いびき専門のクリニックを利用していびき治療をスタートするのがおすすめです。
参考として、いびき治療の際に受けられる診察や治療の種類を整理しました。自分に合う治療方法があるかチェックしてみてください。
【高血圧を改善できるいびき治療1】生活習慣アドバイス
まずは高血圧やいびきの状態を相談することから始めたい人は、診察を受けて生活習慣を改善するアドバイスを受けることをおすすめします。
例えば、いびきや高血圧の原因が食事や睡眠、運動といった生活習慣だった場合には、セルフケアだけで問題を解決できる場合も少なくありません。自身の生活の様子などを医師に話すことで、何が問題になっているのか、どのように改善すべきなのかを詳しくアドバイスしてもらえます。
いびきや高血圧の症状がまだ軽い場合には、必要最低限の対策で解決できるケースもあるので、ぜひ診察を受けることからスタートしてみてください。
【高血圧を改善できるいびき治療2】マウスピース療法
歯のかみ合わせが悪い、舌あごが小さいなど、骨格などが原因でいびきをかいている人におすすめなのが、マウスピース療法です。
いびきをかく原因のなかには骨格が関係していることも多く、睡眠中に舌が喉に落ち込みやすくなる舌根沈下の影響で、気道が狭まりいびきをかくことがあります。マウスピース療法では、睡眠前にマウスピースを装着することにより、舌あごを前方に突き出す形で固定できるのが特徴です。自然と舌も前側に出るようになり、普段よりも舌根沈下が起きにくくなることから、対症療法としてのいびきおよび高血圧の改善効果を期待できます。
マウスピース療法についてもっと詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
【高血圧を改善できるいびき治療3】CPAP(シーパップ)療法
いびきをかいている状態が悪化して起こる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を発症している人におすすめなのがCPAP(シーパップ)療法です。
まず睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまう病気のことを指します。いびきの状態よりもさらに高血圧のリスクが高まるほか、死亡リスクの高い合併症を併発しやすいのが病気の特徴です。
対して、CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時に空気を出し入れする専用のマスクを鼻に装着することにより、睡眠中の呼吸をサポートしてくれます。自然に鼻呼吸ができる環境をつくり出せることから、舌根沈下や粘膜の炎症、肥大などによって起こる睡眠時無呼吸症候群(SAS)を起きにくくできるのが特徴です。
保険適応の対症療法ですので、対策のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。但し、CPAP(シーパップ)療法は根本治療ではなく対症療法になる為、いびきや睡眠時無呼吸症候群を根本的に治療されたい方は、次にご紹介する「いびきレーザー治療」の方がおすすめです。
CPAP(シーパップ)療法についてもっと詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
【高血圧を改善できるいびき治療4】いびきレーザー治療
いびきをかかないように根本治療を利用したい人におすすめなのが、いびきレーザー治療になります。
いびきレーザー治療とは、肥大した喉まわりの粘膜を切除し、睡眠中の気道を確保しやすくする治療方法です。例えば従来のいびきレーザー治療の場合は、レーザーで粘膜自体を除去することから、強い痛みやダウンタイムが発生しやすいと言われています。ですが近年では、切らない いびきレーザー治療も登場していることをご存じでしょうか。
いびきメディカルクリニックが提供しているパルスサーミアは、レーザーを活用して、肥大した喉まわりの粘膜を引き締める治療です。粘膜を傷つけることなく引き締めるだけであることから、施術中の痛みはもちろん、ダウンタイムもほぼ発生しません。
痛みが苦手な人でも始めやすい、いびきの根本治療ですので、長期的にいびきをかかなくなるような方法で高血圧の問題を改善したい人におすすめです。
高血圧を放置するのは危険!いびきをかいている人はいびきメディカルクリニックへ

高血圧を発症する理由のひとつに、睡眠中のいびきが関係しています。ただ、自分が発症している高血圧が、本当にいびきによるものなのか気になっている人も多いでしょう。また、どのように解決すべきなのか医師に相談したい人もいるはずです。
いびきメディカルクリニックでは、いびきの専門医が患者様の生活の様子や悩みをヒアリングしたのちに、最適な治療方法を提案します。生活習慣アドバイスなど簡単な診察にも対応しているため、この機会にぜひご相談ください。
よくある質問
いびきの影響で高血圧を発症すると、頭痛やめまい、吐き気、動悸といった体調不良が起きてしまいます。また高血圧の状態を解決しなければ、心筋梗塞といった血管系の「命にかかわる病気」を発症するかもしれません。