目次
「最近、家族からいびきがうるさいといわれた…」
「自分のいびきがうるさいせいで、パートナーと寝室を分けることになった…」
このように、いびきで悩んでいる人は多いのではないでしょうか?いびきは、かいている本人にとってはなかなか気づくのが難しく、一緒に生活する家族やベッドパートナーにいわれて初めて自覚するケースがほとんどです。
しかし、いびきを治すように周囲からいわれても、実際どうすれば良いかよくわからないですよね。
そこで今回は、誰でも今日から始められるいびきの予防対策を徹底解説していきます。どれも簡単にできるものばかりですので、ぜひ参考にしてください。
そもそもどうしていびきをかくの?

まずは、どうしていびきをかいてしまうのか、メカニズムを解説していきましょう。
いびきをかくメカニズム
そもそも「いびき」とは、睡眠時の呼吸に伴って発生する異常音のことを指します。
いびきは、寝ている間に発生するもので、起きている間はいびきをかきません。これは、通常人間の気道は筋肉によって支えられているので、起きている間は空気の通り道がしっかりと確保されているからです。
しかし、眠ってしまうと全身が脱力し、筋肉による支えがなくなります。すると、舌や喉の筋肉が喉の奥に落ち込みやすくなり気道を塞いでしまうため、呼吸のたびに喉の粘膜がふるえて「ガァー」や「ゴォー」といったいびきをかくようになります。
参考:
恥ずかしくて相談できない!「いびき」をかきにくくする方法
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
Q15 夜、いびきをかく、と言われました-呼吸器Q&A
いびきをかきやすい人ってどんな人?
では、どんな人がいびきをかきやすくなるのでしょうか?
肥満体型の中年男性
まず、いびきを発生させる原因の中で最も多いのが「肥満」です。肥満になると、腹部周辺だけでなく、舌や喉、気道にも脂肪がつくようになります。すると、舌の落ち込みによって狭くなった気道がさらに狭められてしまい、いびきをかきやすくなります。
また、加齢に伴う筋力の低下も、いびきをかきやすくなる要因となります。
そして、いびきは女性よりも男性の方が、かいてしまうことが多いです。それには、女性の体内で分泌される女性ホルモンの働きが関わっています。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。これらは月経、妊娠、出産などが正しく行われるようにしたり、女性特有の丸みのある体つきを作ったりする非常に重要なホルモンです。
そしてこれらの働きに加えて、女性ホルモンには上半身に脂肪をつきにくくする働きと、気道が狭くなるのを防ぐ働きがあります。つまり、この働きによって、女性は気道の閉塞が抑えられ、いびきをかきにくくなっているのです。
反対に、男性には上記のようないびきを抑制する機能は備わっていません。そのため、条件が揃ってしまうと、たちまちいびきをかくようになります。
まとめると、「肥満」、「加齢」、「男性」はいびきをかきやすくなる3大要因といっても過言ではありません。そして、これらがすべて当てはまる「肥満体型の中年男性」は、かなり高い割合でいびきをかくようになってしまうため、特に注意が必要なのです。
参考:
女性いびき-いびき外来 睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療日帰りレーザー手術 慶友銀座クリニック
女性と睡眠時無呼吸症候群
どんな人が「いびき」をかきやすい?
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
女性も要注意
ですが、女性であれば全くいびきをかかないわけではありません。
確かに、女性はホルモンの働きによって、いびきがかなり抑えられています。ですが、女性は40歳を過ぎると女性ホルモン分泌が低下し始め、そして60歳前後には閉経します。すると、これまでは受けられた、いびき抑制効果が弱まり、女性も男性同様にいびきをかくようになります。
それに加えて、女性は男性よりも小顔であごが小さく、首が短い人が多いため、より気道が狭くなっていびきをかく確率が高まります。実際、「若い頃はいびきをかかなかったのに、歳をとったら急にいびきをかくようになった」と悩む女性は多いです。
そのため、いびきはどんな人でもかく可能性があるため、「自分は大丈夫」と過信しないことが大切です。
以下の記事で、いびきをかきやすくなる原因についてより詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
参考:
女性いびき-いびき外来 睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療日帰りレーザー手術 慶友銀座クリニック
女性と睡眠時無呼吸症候群
どんな人が「いびき」をかきやすい?
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
いびきは放っておいても大丈夫?

しかし、どうして寝ている間にいびきをかくことが、それほどまでに問題なのか、不思議に思う人もいるでしょう。それは、いびきは放置するとさまざまな悪影響を体にもたらし、最悪の場合は突然死の原因になる可能性があるからです。
いびきは放置厳禁!
いびきは、飲酒をした夜やストレスが溜まっているときなど、一時的な要因でかくことがあります。この場合のいびきは、要因が解消されれば自然といびきは治るので、心配する必要はありません。
しかし、日常的にいびきをかくようになると日々の生活にも支障をきたすようになります。
まずは、日中の激しい眠気や倦怠感などです。いびきをかいている間は、気道が狭められているため、その分呼吸が妨げられています。それにより、寝ている間に酸素が足りなくなって苦しくなり、途中で目が覚めたり、「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」などの慢性疲労になったります。このような状態を、「睡眠時無呼吸症候群」といいます。
そして、無呼吸症状がさらに悪化すると、高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病を引き起こし、最悪の場合は動脈硬化や心筋梗塞、脳血管障害などの突然死につながる合併症のリスクが高まります。
このように、いびきは放置すると次々と恐ろしい疾患を引き起こすため、放置は厳禁です。下記の記事でも、睡眠時無呼吸症候群の症状や危険性について詳しく解説しています。ぜひ、こちらもご覧ください。
参考:
いびきについて – 日本睡眠歯科学会
I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)
今日からできるいびき予防対策【習慣編】

ここまでの記事を読んで、「いびきをかかないように予防したい!」と思ったのではないでしょうか?ここからは、いびきを予防するためにぜひやってほしい予防対策を、ジャンル別に分けてご紹介していきます。
まずは、日々の生活習慣での対策を見ていきましょう。
肥満改善
先ほどもお伝えした通り、いびきで最も多い原因は肥満です。肥満を解消しないと、首周りや舌、喉、気道の脂肪沈着も改善されません。医療機関でも、さまざまな治療とともに肥満改善が行われます。
また、いびきが悪化すると発症する睡眠時無呼吸症候群は、肥満を加速させ、それによりさらにいびきがひどくなって無呼吸症状が悪化するという悪循環にもつながります。
そのため、自分が肥満体型の場合は、日々の食生活や生活習慣の見直しを行いましょう。
参考:
いびきと肥満の関係がわかります|阪野クリニック
その「いびき」肥満が原因かも?改善する方法は?【お医者さんがわかりやすく解説】
寝酒をやめる
先ほど、「いびきは飲酒をした夜などにかく場合があるが、一時的なのでそこまで気にする必要はない」とお伝えしましたが、習慣的な寝酒はいびき予防にはNGです。
アルコールを摂取すると、普段よりも舌や喉の筋肉が落ち込みやすくなるため、よりいびきをかきやすくなります。
加えて、入眠前に多量にアルコールを摂取すると、利尿作用により夜中に目が覚めたり、いつもより何時間も前に起きたりなど、睡眠の質の低下にもつながります。
このように、睡眠前の飲酒は、いびきだけでなく熟睡にも悪影響を及ぼすため、控えるようにしましょう。
参考:
どんな人が「いびき」をかきやすい?
恥ずかしくて相談できない!「いびき」をかきにくくする方法
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
禁煙
喫煙も、いびき発生の原因となるためNGです。喫煙すると、鼻や喉の粘膜に炎症や腫れ、むくみを引き起こして気道を狭めてしまうため、いびきをかきやすくなります。
また、喫煙の習慣がある人は、タバコを吸わない人よりもいびきや睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高くなったり、生活習慣病になる確率が高くなったりするという報告もあります。そのため、いびきを予防したい人は禁煙するようにしましょう。
参考:
どんな人が「いびき」をかきやすい?
恥ずかしくて相談できない!「いびき」をかきにくくする方法
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
今日からできるいびき予防対策【睡眠編】

日々の生活習慣に加え、いびきは毎日の睡眠法や睡眠環境の改善によっても予防することができます。
横向き・うつ伏せで寝る
いびきは、仰向けで寝たときに発生しやすいです。仰向けで寝ると、重力によって舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、その結果気道が狭められていびきをかきやすくなります。
そのため、いびきを予防するためには、なるべく仰向けではなく横向きやうつ伏せで寝るようにしましょう。
しかし、寝ている間は無意識に寝返りをうつため、最初は横向きやうつ伏せで寝ていても、いずれ仰向け寝に戻ってしまいます。そんなときは、枕の下にタオルなどを挟んで傾斜をつけたり、毛布やクッションを背中に置いたりすると、横向きやうつ伏せ寝の状態をキープできて効果的です。
参考:
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
いびき対策は原因を知ることから!心掛けるべき生活習慣やおすすめグッズなど紹介
寝具を見直す
上記の対策に加え、いつも寝ている寝具も合わせて見直すことも重要です。人間は、寝ている間に何度も寝返りをうち、体勢を変えながら眠っています。ですが、自分の体に合っていない寝具を長年使用していると、うまく寝返りをうてず、苦しい体勢のまま長時間眠らなければいけません。
すると、睡眠の質が低下するばかりか、仰向け寝になって、いびきをかきやすくなってしまいます。
また、肩こりや腰痛などの発症・悪化にもつながる恐れがあるため、自分に合わない寝具は健康維持にとっても不向きです。ぜひ、いびきを予防したいと思ったこのタイミングで、一度寝具の状態をチェックしてみてください。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は枕で改善
睡眠時無呼吸症候群は枕で軽減できる?関係性やおすすめの選び方を解説
睡眠時無呼吸症候群と枕の関係性は?寝具の選び方から自宅での検査方法まで解説
今日からできるいびき予防対策【応急処置編】

そして最後に、「もしかして私、いびきかいてるかも…」と思ったときに応急処置として試してほしい対策をご紹介します。
口閉じテープや鼻腔拡張テープを使う
もし、自分がいびきをかいている可能性があるときは、いびき防止グッズを活用しましょう。
例えば、口にテープを貼って口呼吸を抑え、鼻呼吸を促す「口閉じテープ」や、鼻腔を広げて鼻の通りを良くする「鼻腔拡張テープ」などは、ドラッグストアで簡単に手に入ります。
ただし、これらの商品は、あくまでいびきを予防するためのもので、いびきを治療する効果はありません。ですので、今すぐいびきを抑えたいときの応急処置として使用してください。
参考:
恥ずかしくて相談できない!「いびき」をかきにくくする方法
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
いびき対策は原因を知ることから!心掛けるべき生活習慣やおすすめグッズなど紹介
いびきにお悩みの方へ

しかし、いくら予防や対策をしても、一般の人がいびきを完全に解消するのは難しいのが現状です。いびきを根本的に改善するには、専門の医療機関での治療が不可欠です。
そこで当院では、いびきの根本治療として当院オリジナルの治療法である「パルスサーミア」を実施しております。
イビキメディカルクリニックのパルスサーミア治療とは
「パルスサーミア」とは、特殊なレーザーを照射して、口蓋垂(こうがいすい)などの粘膜の膨らみを取り除く外科手術です。これまで当院では多くの患者様にこの治療法を実施し、そしてご好評をいただいております。
「喉にレーザーを当てるなんて、なんか怖そう…」、「出血や痛みがあるんじゃないの?」と不安に思われた方もいるでしょう。確かに、従来の外科手術ではメスやレーザーで口蓋垂や軟口蓋(なんこうがい)を切り広げていたため、術後は出血や激しい痛み、腫れ、そして数週間の長いダウンタイムがありました。
しかし、当院で行っているパルスサーミアは、レーザーで粘膜を引き締めるだけなので出血を伴いません。また、照射後の痛みや腫れ、違和感もほとんど感じません。そして、術後の長いダウンタイムもほぼなく、数日で元の生活に戻ることができます。
このように、「パルスサーミア」は出血、痛み、ダウンタイムなどのデメリットをすべてクリアしているにも関わらず、これまでの治療法よりも大変優れた治療効果をもたらします。詳しくは、当院ホームページにて解説していますので、ぜひご覧ください
まとめ

今回は、誰でも今日から始められるいびきの予防対策を徹底解説しました。
いびきは、寝ている間に大きな音を発するだけと捉えられがちですが、放置すると危険な合併症を次々と引き起こし、最悪の場合は命にかかわります。ゆえに、いびきは日頃の生活習慣や睡眠習慣を見直し、改善しながら予防していくことが重要です。
ただし、いびきが長期間続いている場合は、迷わず医療機関の受診を検討しましょう。当院での治療を検討されている方は、本コラムの最後に無料カウンセリングの予約フォームを設置しております。治療を始める前に、専門スタッフと治療方針や費用、ご不明点などについて、しっかりと打ち合わせをすることが可能です。
いびきにお悩みの方、自分でも対策をしてみたけれどあまり効果が見られなかった方は、ぜひ当院にご相談ください。
【よくある質問】
Q.どうしていびきをかくの?
A.いびきは、さまざまな原因によって気道が狭まり、呼吸のたびに粘膜がふるえることによって大きな音を発生させます。
Q.いびきはどうすれば治まりますか?
A.いびきは、日々の生活習慣や睡眠環境を改善することで、解消が見込まれます。また、ドラッグストアなどで販売されているいびき防止グッズを活用することも、いびき予防に効果的です。