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口を閉じているにもかかわらず、いびきをかくという状態を「鼻いびき」と呼びます。
なぜ口を閉じているのにいびきをかくのか、不思議だと感じる人もいるでしょう。
そこで、鼻いびきの原因と、対策方法を紹介します。
自宅でできる鼻いびきの対策方法と、専門のクリニックで受ける治療について詳しくチェックしていきましょう。
口を閉じていてもいびきをかく?鼻いびきの原因とは

いびきは通常上気道(鼻から肺まで)が狭まることで起こり、その際口を開けて呼吸していることが多いです。
しかし、口を閉じているにもかかわらず、いびきをかく「鼻いびき」の状態はなぜ起こるのでしょうか。
そこで、まずは鼻いびきをかく主な原因について紹介します。
鼻いびきの主な原因は、鼻腔内トラブルによる鼻の通りの悪化です。
鼻腔内トラブルは、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、慢性副鼻腔炎などが挙げられます。
鼻中隔彎曲症は、鼻腔内中央にある鼻中隔が曲がっているせいで、鼻づまりを引き起こしやすくなる病気です。
慢性副鼻腔炎は、別名「蓄膿症」で、こちらの方がピンとくる方が多いかもしれません。
鼻が細菌感染してしまい、副鼻腔という、鼻・ほっぺた・眉・眼の奥の空洞に膿がたまってしまう病気です。
アレルギー性鼻炎は、自覚はなくても症状が出ている方が多いかもしれません。
何かしらの要因で副鼻腔の粘膜が腫れてしまう病気です。
アレルギー性鼻炎が悪化すると酷い鼻づまりや嗅覚障害を引き起こすケースもあり、万が一そうなった場合には手術が必要になります。
このように何かしらの原因で鼻腔内が小さくなると、そこに空気が通ることで振動音、つまり鼻いびきが引き起こされます。
原因別に見る鼻いびきの対策方法

鼻いびきは、誰しも発症する恐れのある症状です。
鼻腔内トラブルの主な原因に心当たりがあれば、症状を改善するために対策をしてみましょう。
鼻いびきの様々な原因と対策方法を紹介します。
鼻いびきの原因①鼻づまり
花粉症や風邪が原因で鼻が詰まると、鼻いびきをかきやすくなります。
鼻づまりとは、鼻腔が狭くなっている状態を指します。
アレルギー反応や風邪によって鼻腔内にて炎症が起きると、粘膜が腫れ上がってしまい鼻腔が狭くなります。その状態で呼吸をすると乱れた空気の流れが発生し、鼻や口腔内の粘膜を振動させ、いびきが生じてしまいます。
そのため、花粉症のアレルギー症状や風邪で鼻が詰まっている場合には、耳鼻科などで鼻づまり(鼻閉)の治療をすることで鼻いびきが改善できるでしょう。
鼻いびきの原因②過度なアルコール摂取
過度のアルコールを摂取すると筋弛緩作用が働いて喉や舌周りの筋肉が緩むため、舌が喉に落ちて気道が狭くなり、いびきにつながることがあります。
また、アルコールの摂取は鼻づまりも起こしやすいのです。
アルコールには血管を拡げる作用があり、飲酒により鼻粘膜が腫れて、鼻腔が狭くなります。
過度のアルコール摂取を控えるだけで、鼻いびきを改善することができます。
いびきの原因⑤空気の乾燥
部屋の乾燥は、鼻が詰まりやすくなり、鼻いびきの症状を悪化させる原因になります。
空気が乾燥する時期には加湿器を設置したり、濡れたタオルを枕元に置いたりと湿度を適切に上げるよう工夫しましょう。
鼻いびき対策アイテムを使った4つの対処法

鼻いびきは、市販のアイテムを使用してセルフケアすることも可能です。
主な4つの対策アイテムと、対処法を紹介します。
市販のいびき防止グッズ
ドラッグストアやバラエティショップでは、いびきを予防するための商品が販売されています。
鼻通りを良くする鼻腔を広げるテープや歯を固定することで口呼吸を予防するマウスピースなども販売されています。
睡眠の妨げにならないような、自分に合ういびき防止アイテムを取り入れるのも良いでしょう。
鼻腔拡張器
鼻呼吸をすることによって、鼻孔が潰れるという人がいます。
鼻孔が潰れるタイプかどうかをチェックするためには、鏡の前で深呼吸をして、一気に鼻をすすってみましょう。
鼻をすすった際に鼻孔が潰れた場合、鼻腔拡張器を使用すると効果があるかもしれません。
鼻腔拡張器はプラスチックで作られた物で、小型でバネがついています。鼻孔を開き、鼻腔を拡張した状態を保って呼吸をサポートします。
鼻の中に物を入れることに抵抗がある場合には、鼻ストリップを使用するのも良い方法です。
絆創膏に似たテープであり、鼻の上部に貼ることで鼻腔を広げます。
鼻腔拡張器と鼻ストリップは、鼻いびきの症状が軽い場合には最適でしょう。
鼻いびきは放置しない!治療が必要

鼻いびきは、睡眠の妨げとなるだけでなく、ストレスの原因にもなってしまいます。
市販のグッズを活用しながらも、やはり鼻いびきの原因を明確にして、正しい対処をするためにも、一度クリニックを受診した方が良いでしょう。
鼻炎や口蓋垂周辺に気道を塞ぐ箇所がある場合には、必要に応じてレーザーで処置します。レーザー治療は、日帰りで行うことが可能です。
鼻いびきがひどいと睡眠の質が落ちます。すると、寝ている間に血圧が上昇して体にストレスがかかり、糖代謝異常を起こしがちです。ひいては糖尿病や高血圧につながるリスクもあります。
また糖代謝異常によって就寝中に体力を消耗し、空腹を感じやすく食べ過ぎてしまうことから肥満体型となることもあります。
睡眠の不足により不安症やうつ病といった精神疾患を招く恐れもあるのです。
身体・精神・社会の面で様々なデメリットが出てきますので、鼻いびきをかいている場合は放置せず一度は受診することをおすすめします。
鼻いびきの原因を知るためにもクリニックに相談しよう

鼻いびきの原因がどのようなことかによって、対処や治療法も異なります。
鼻いびきに悩んでいる方は、まずは過度なお酒を控えて、健やかな生活習慣を確立することで、症状を和らげることができるでしょう。
とはいえ、それでも症状が改善されない場合や、鼻いびきの原因がわからない場合には鼻専門のクリニックを受診してみましょう。
問診や検査から診断を得て、適切な方法で鼻いびきに対処することをおすすめします。