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睡眠時無呼吸症候群で運転免許取り消しに!?ちゃんと治療を行えば大丈夫!

睡眠時無呼吸症候群で運転免許取り消しに!?ちゃんと治療を行えば大丈夫!

睡眠時無呼吸症候群で運転免許証が取り消しになるのではないかと心配していませんか?眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう睡眠時無呼吸症候群になると、日中に強い眠気が襲い、居眠り運転を引き起こす可能性があります。

この記事では睡眠時無呼吸症候群と交通事故の関係性、運転免許証が取り消しになる可能性について解説します。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法や治療法、今すぐできる生活習慣の改善などについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

睡眠時無呼吸症候群の人は交通事故を起こす確率が高い

運転中のイメージ

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何らかの原因で呼吸が止まってしまう病気です。
無呼吸で熟睡できないため、日中に強い眠気が襲ってきたり、集中できなかったりと日常生活に悪影響を与えます。居眠り運転や緊張感のない運転を起こしやすく、交通事故につながりやすいといえるでしょう。

実際、睡眠時無呼吸症候群の患者さんが交通事故を起こす確率は、一般ドライバーの2.5倍という情報があります。研究によると、睡眠時無呼吸症候群で居眠り運転を起こすのは、以下のような状況が多いといわれています。

・ひとりで運転中
・高速道路や郊外の直線道路を走行中
・渋滞中の低速走行

交通事故を防止し、安全運転を維持するためにも、睡眠時無呼吸症候群の治療は重要といえるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群が原因の交通事故事例

交通事故

過去に発生した、睡眠時無呼吸症候群が原因の交通事故事例を紹介します。

・2003年2月、JR山陽新幹線で運転手が居眠りしたまま運転。一部の車両がホームからはみ出した状態で停車した。
・2009年10月、遊漁船が岩場に衝突。釣り客を含む3人が死傷した。
・2012年4月、関越道でツアーバスが防音壁に衝突。バスの乗客45人が死傷した。
・2012年7月、渋滞中の首都高速湾岸線で、トラックがワゴン車に衝突。ワゴン車に乗っていた6人が死傷した。

睡眠時無呼吸症候群で事故を起こすのは、自動車に限りません。新幹線や船などでも、重大な事故を起こした事例があります。慢性的な睡眠不足や回復しない疲労感など、少しでも睡眠時無呼吸症候群の疑いがあれば、適切な検査や治療を受けましょう。

道路交通法による罰則とは

先述した睡眠時無呼吸症候群による交通事故の事例を受け、2014年、道路交通法が改正されました。居眠り運転による交通事故でも、危険運転致死傷罪が適用されます。
危険運転致死傷罪第三条の2には、以下のように記載されています。

・自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」には睡眠時無呼吸症候群が含まれます。
危険運転致死傷罪が適用されると、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役となります。これは飲酒運転で交通事故を起こした人と同じ処罰です。
睡眠時無呼吸症候群になってしまうと、居眠り運転を起こし交通事故を発生させ、人生を180度変える可能性があると心得ておきましょう。

免許の取得時や更新時には質問表への回答が義務

運転免許の取得時や更新時には、質問票が配布されます。質問表には以下の5つの項目があります。

・過去5年以内において、病気(病気の治療に伴う症状を含みます。)を原因として、又は原因は明らかでないが、意識を失ったことがある。
・過去5年以内において、病気を原因として、身体の全部又は一部が、一時的に思い通りに動かせなくなったことがある。
・過去5年以内において、十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまった回数が週3回以上となったことがある。
・過去1年以内において、次のいずれかの状態に該当したことがある。
・飲酒を繰り返し、絶えず体にアルコールが入っている状態を3日以上続けたことが3回以上ある。
・病気の治療のため、医師から飲酒をやめるよう助言を受けているにもかかわらず、飲酒したことが3回以上ある。
・病気を理由として、医師から、運転免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている。

上記の質問に対して「はい」または「いいえ」で回答するよう求められます。提出しないと免許更新の手続きができませんので、必ず正確に回答して提出しましょう。虚偽の回答をすれば、懲役1年以下もしくは罰金30万円以下の罰則が科せられます。

睡眠時無呼吸症候群を申告するとどうなる?

睡眠時無呼吸症候群の自覚があったり、治療中であったりすると、質問票に「はい」で回答することがあるでしょう。正直に回答すると、運転免許が取り消されたり停止されたりするのではないかと不安になりますよね。

しかし質問票の記載内容によって、すぐに免許が取り消しされるのではありません。質問票の内容によっては、公安委員会の職員が個別に話を聞いてくれます。
治療を行っていれば、免許証が取り消されたり停止処分を受けたりすることはありません。もし免許を取り消されても、3年以内に病状が回復すれば、学科試験や技能試験の受験は免除されます。

睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気?

ベッドで寝ながら頭を押さえる中年男性

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気であると紹介しました。
呼吸が止まる原因は、大きく2つに分けられます。睡眠時無呼吸症候群の多くは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群といわれています。口蓋垂や舌根、肥大した扁桃などが気道を塞いでしまい、物理的に呼吸が止まるのが原因です。

もう一つは、中枢性睡眠時無呼吸症候群です。通常、呼吸は脳からの指令によって機能しています。しかし中枢性睡眠時無呼吸症候群は、中枢の異常で脳からの指令が出なくなり、無呼吸状態が続く病気です。
睡眠中の無呼吸が発生するメカニズムは異なりますが、検査方法や治療法に大きな違いはありません。

睡眠時無呼吸症候群のおもな症状

睡眠時無呼吸症候群には次のような症状があります。

・日中の強い眠気
・大きないびき
・だるさや疲労感
・記憶力や集中力の低下
・夜間覚醒、早朝覚醒
・頭痛
・喉の渇き
・抑うつ状態

いびきや日中の眠気であれば、睡眠時無呼吸症候群に気付きやすいですが、だるさや頭痛だけでは睡眠時無呼吸症候群を疑わない方が多いでしょう。とくに一人暮らしでいびきを指摘してくれる家族がいない場合、睡眠時無呼吸症候群とは思わないものです。
いびき以外の症状を感じたら、睡眠時無呼吸症候群の検査をしてくれるクリニックを受診してみましょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法

睡眠時無呼吸症候群以外にも、睡眠障害は多くあります。その他の睡眠障害と区別するためにも、専門医による検査を受けましょう。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法には、大きく分けて2種類あります。

自宅でも検査可能

専門医は、まず問診にて睡眠のお悩みを聞いてくれます。問診の結果、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合、呼吸簡易検査が行われます。

呼吸簡易検査とは、持ち運び可能な機器を借り、自宅で検査する方法です。鼻と指に機械を装着して就寝し、睡眠中の無呼吸状態の回数やいびき、心拍数などをモニタリングします。
入院は不要で、自宅でリラックスして検査できます。その半面、データの正確性に欠けるデメリットがあります。

総合的な睡眠障害を検査するなら

呼吸簡易検査の結果、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、精密検査が実施されます。これを睡眠ポリグラフ検査(PSG)といいます。

睡眠ポリグラフ検査は、基本的に一泊二日の入院が必要です。複数のセンサーを頭や顔、手足につけて就寝し、睡眠の質や脳波、心電図などを観察します。
モニターを装着する際や就寝中に痛みはありません。検査結果は後日に判明します。そのため起床後はすぐに帰宅でき、そのまま出勤も可能です。

睡眠時無呼吸症候群の治療法とは

睡眠時無呼吸症候群の治療をしないと、安全な運転が脅かされるどころか、命にかかわる重大な合併症を引き起こす可能性があります。いびきや日中の強い眠気などの気になる症状があれば、専門医を受診して適切な治療を受けましょう。
睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸が発生する原因や重症度によって、最適な治療法の選択が求められます。

CPAPの導入

CPAP(シーパップ)とは、経鼻的持続陽圧呼吸療法装置のことです。鼻に装着したポンプから空気を送り込み、上気道の閉塞を防ぎます。
ほとんどの睡眠時無呼吸症候群の患者さんに有効な治療法で、診断基準を満たせば健康保険が適用されます。

ただしCPAP装着時の見た目や空気圧による不快感、喉や鼻の渇きなどの側面から、導入を懸念される患者さんも多くいらっしゃいます。慣れとともに不快感は軽減されますので、主治医と相談しながら治療を継続しましょう。

マウスピースの装着

マウスピースといえば、歯ぎしりの防止に使用される装置のイメージがあります。しかしマウスピースは、睡眠時無呼吸症候群の治療にも有効です。
マウスピースを装着して眠ると、舌根の落ち込みを防げます。結果として気道の確保につながるため、快適な睡眠が得られます。CPAPと比較すると、治療効果はやや低いといえるでしょう。

外科手術

アデノイドや扁桃肥大が原因で睡眠時の無呼吸が発生している場合は、外科手術での切除が検討されます。おもに小児の睡眠時無呼吸症候群が該当し、大人に対する外科手術の効果はさほど期待できません。

そのほか、軟口蓋の一部を切除する外科手術(UPPP手術)もあります。しかし全身麻酔を施して行う大規模な手術であり、リスクが高いといわざるを得ません。さらに、数年後に傷口が原因で睡眠時無呼吸症候群を再発する可能性もあるため、手術の実施には慎重な姿勢が求められます。

レーザー治療

気道を閉塞する原因となっている部分を、レーザーで消失される治療法です。一度の手術で大きな効果が期待できます。
しかし術後には激しい痛みがあり、治療後数日から数週間は食事や運動に制限がかかります。日常生活に支障がないほどまで回復するには、相当の時間を有するでしょう。

イビキメディカルクリニックでは、パルスサーミアという最新のレーザー治療を実施しています。
従来のレーザー治療では、口蓋垂や軟口蓋をレーザーで切り広げ、縫合して粘膜のふくらみを取り除きます。そのため長時間の痛みと付き合う覚悟が必要です。
しかしパルスサーミアは、レーザーで問題部分を引き締めるため、切開や縫合が不要です。表面を傷つけずに深い部分までアプローチできます。1回の治療時間は約15分と短く、術後の日常生活にも支障はありません。
睡眠時無呼吸症候群で悩みながらも、多忙や痛みの恐怖から、積極的に治療に取り組めなかった方におすすめしたい治療法です。

レーザー治療についての詳しい情報は、下記記事にも掲載されているのでご覧ください。

治療と並行して行いたい生活習慣の改善

聴診器とタバコ

睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減するためには、生活習慣の改善が必要です。適切な生活習慣を送れば、合併症の発症も抑えられます。
具体的には、以下のような生活習慣の改善が求められます。

・ダイエット
・禁酒
・禁煙
・減薬
・口呼吸の解消

とくに肥満体型の方は、ダイエットが欠かせません。首回りの脂肪が気道を圧迫している可能性があるため、運動やバランスの良い食事で肥満体型から脱却しましょう。
アルコールやタバコも、気道を狭くしたり炎症を引き起こしたりする原因です。生活習慣病の直接的な原因でもありますので、これを機に禁酒・禁煙を検討してみてはいかがでしょうか。

見直したい生活習慣についての詳しい情報は、下記記事にも掲載されているのでご覧ください。

まとめ

寝起きの男性

睡眠時無呼吸症候群の治療を行わないまま自動車やバイクなどを運転していると、重大な交通事故を起こす可能性があります。日中に強い眠気を感じた経験のある方は、専門医で検査を受けましょう。

検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、運転免許の更新時に配布される質問票での申告が必要です。虚偽の回答をすると、懲役や罰金などの重い罰則が科される可能性があります。
正直に睡眠時無呼吸症候群を申告しても、すぐに免許が取り消されるのではありません。また免許取り消しとなった場合にも、3年以内に病状が回復すれば、学科試験や技能試験の受験は免除されます。

職種によっては、運転免許の有無が業務内容に大きく影響するかもしれません。しかし交通事故を起こしてしまっては、元も子もありません。まずは睡眠時無呼吸症候群の治療に専念しましょう。

【よくある質問】

Q.睡眠時無呼吸症候群の患者は免許が取り消されますか?

A.睡眠時無呼吸症候群だからといって、直ちに免許が取り消されたり停止されたりするわけではありません。適切な治療を受けているという診断書を提出すれば、免許の更新が認められます。

Q.睡睡眠時無呼吸症候群で交通事故を起こすとどんな罪に問われますか?

A.睡眠時無呼吸症候群で交通事故を起こすと、危険運転致死傷罪が適用されます。人を負傷させると15年以下の懲役、人を死亡されると1年以上の有期懲役となります。

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