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睡眠時無呼吸症候群とは、その名称通り睡眠時に呼吸が止まってしまう病気のことです。
睡眠時という性質から、自分自身では病気の存在に気づきづらいのが特徴です。ほかにも、大きないびきをかくという特徴もあります。
このため、身近な人の睡眠を妨げる厄介な病気でもあるのです。
睡眠時無呼吸症候群は、いったい何が原因で発症するものなのでしょうか?
今回は、睡眠時無呼吸症候群の主な原因とともに、病気を判断する方法について解説いたします。
睡眠時無呼吸症候群の主な4つの原因

睡眠時無呼吸症候群には様々な原因があります。
その中でも、多く見られる原因としては以下の4つが挙げられます。
①肥満
肥満体型であることも、睡眠時無呼吸症候群の主な原因の1つです。
なお、肥満体型の場合は、喉が塞がることで起こる「閉塞型」の睡眠時無呼吸症候群が大半となります。
太っている人が仰向けの姿勢で就寝すると、首周りの脂肪などで喉部分が締め付けられて空気の通りが悪くなり、呼吸がしづらくなるのです。
②骨格の問題
睡眠時無呼吸症候群の原因として、骨格の問題も指摘できます。
日本人には、下あごが小さい人が多く見られます。
下あごが小さい場合は仰向けで寝た際にあごが後退しやすく、気道を塞いでしまうケースがあるのです。
また、歯並びが悪い場合には、口腔内が狭くなり舌を収めにくくなります。
その結果、睡眠時には舌が気道にはみ出して塞ぐ形になってしまい、無呼吸の発生に繋がるのです。
内部リンク:いびきの治療法を4つ紹介!原因に適した治療法を見つけよう
③寝るときの姿勢
寝るときの姿勢も、睡眠時無呼吸症候群の発症の可能性に関わってきます。
姿勢や体位次第では気道が狭くなってしまい、無呼吸のリスクが高くなるのです。
より具体的にいえば、横向きに寝るときよりも仰向けに寝るときのほうが無呼吸のリスク・発生頻度は高くなります。
加えて、無呼吸で息苦しくなった際に無理に呼吸をし続けると覚醒反応が起こります。
つまり、無呼吸が発生しているにも関わらず仰向けで寝続けた場合には、自ずと睡眠の質が低下してしまうのです。
日中の眠気の原因にもなるため、放置することはおすすめしません。
④中枢性の異常
呼吸中枢の異常により引き起こされる場合は、中枢型睡眠時無呼吸症候群と呼ばれます。
これは何らかの異常により、脳からの「呼吸しなさい」といった指令が通らなくなることで無呼吸に陥る病気です。
主な原因はわかっていませんが、心不全などを患う人に起こりやすいことが知られています。
慢性化した心不全を起因とした一連のメカニズムによって、呼吸を調節する信号がうまく伝わらなくなることが指摘されているのです。
また、無呼吸の症状が心臓にさらなる負担をかけ、心不全を悪化させる可能性も考えられています。
睡眠時無呼吸症候群かどうか判断する方法

症状が発生するのは寝ているときなので、自分自身で気づくことは難しくなります。
とはいえ、気づくきっかけとなる出来事や特徴もあります。
ここでは、それらのポイントについて見ていきましょう。
周囲から指摘される
周囲から大きないびきや無呼吸を指摘されれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性は高いといえます。
大きないびきをかくことも特徴の1つですので、家族や配偶者から「いびきがうるさい」などと指摘されるのであれば、病気を疑うべきかもしれません。
家族や配偶者に限らず、友人と旅行をした際に指摘されることで発覚するケースもあるようです。
日中の慢性的な眠気
睡眠時無呼吸症候群を発症している場合、いびきが途中で突然止まり無呼吸に陥ります。
無呼吸状態は一度に1分を超えることも珍しくなく、寝ている間にそれを何度も繰り返すことになるのです。
このため、実際には満足な睡眠が得られておらず、日中に慢性的な眠気を感じることもあります。
しかし、多くの人は眠気があっても、「夜更かしによる寝不足だろう」などと見過ごしてしまいがちです。日中でも起きているのが辛いと感じるならば、病気を疑うべきでしょう。
なにより、睡眠不足は心臓病や脳卒中などといった自身に対するリスクだけでなく、周囲にも大きな影響を与えてしまいます。
睡眠不足になることで、ストレスを抱えやすくなったり周囲に眠気を移してしまったりするため注意しなければいけません。
睡眠時無呼吸症候群を予防する方法

睡眠時無呼吸症候群には様々な原因がありますが、だからこそ無理のない範囲で予防することもできます。
ここでは、病気を予防する方法について確認していきましょう。
体重を減らす
病気が発症しやすい条件には、肥満体型であることが挙げられます。
前述のように、肥満体型の場合は喉や首周りの脂肪による閉塞により発症リスクが高くなります。
体重を減らすことを意識すれば喉や首周りの脂肪も落とすことができ、病気の予防にも繋げることができるのです。
もちろん、そもそも肥満体型にならないように日々努めることも大切であるといえるでしょう。
過度なアルコール摂取を控える
アルコールには筋肉を弛緩させる効果があります。
そのため、過度な摂取をすれば、仰向けになった際に舌がより後退してしまい無呼吸に陥りやすくなるのです。
通常の状態でも就寝時には筋肉が緩むので、すでに症状が見られる人が過度のアルコールを摂取した場合には無呼吸に陥るリスクが高まります。
過度なアルコールの摂取は控えるようにしましょう。
睡眠薬の服用を医師に相談
睡眠薬の中には、無呼吸症状を悪化させるもの、または助長させるものが確認されております。
寝付けないからといって闇雲に睡眠薬を服用するのではなく、医師の相談のもとで適切に服用することが大切です。
また、寝付けない場合は、無呼吸の治療を行ってみるのも1つの手段です。
無呼吸によって何度も目覚めてしまう中途覚醒が起きている場合もあり、無呼吸を改善することで睡眠薬がいらなくなるケースもあります。
口呼吸を防ぐための治療
口呼吸になると睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向にあります。口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因になるケースも見られるのです。
このため、口呼吸を改善する治療を受けることで予防に繋げられる場合もあります。
なお、口呼吸は習慣だけでなく、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻症状がある場合にも起きるため、症状に応じて様々な対策が必要です。
枕の形状を見直す
枕を自身の体型に合ったものに変えることも、病気の予防や軽減のポイントです。
自分に合った枕であれば、寝姿勢でも気道が塞がりづらくなり発症を抑えることができます。
なお、枕選びで最も着目すべき点は高さであり、高すぎず低すぎないものを選ぶことが大切です。
仰向けの状態はもちろん、横向きになった状態でも違和感のない高さを選べば間違いはないでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の主な4つの治療方法

睡眠時無呼吸症候群には、いくつかの治療方法があります。
症状ごとに適する治療方法は異なるので、内容をふまえた上で医師と相談しましょう。
CPAP療法
CPAP療法は睡眠中に専用のマスクを鼻に装着し、一定の圧力で空気を送るという治療方法です。
気道を通るように空気を機器から適度な圧力で送り込み、睡眠時の無呼吸を防ぎます。
機器はあくまでも患者の呼吸を補助する役割を担い、体には特別な変化をもたらさないため、継続的に使用する必要があります。
マウスピース
マウスピースによる治療は、あごが小さいことが原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している人に有効です。
マウスピースを装着して下あごを前方に突き出すような形にすることで、舌の押し込み等による気道の閉塞を緩和させ、症状を和らげます。
手軽に利用できるといった利点がありますが、継続的な利用が必要であるほか、あごの痛みなどが生じる場合もあります。
外科手術
アデノイドや扁桃肥大から引き起こされる閉塞ならば、それらを摘出して治療する方法もあります。
肥大化した部分を切除することによって気道が広がり、症状の改善に期待ができます。
ただし、改善は一時的な場合もあり、手術から2〜3年後に再び無呼吸が発症することもあるようです。
パルスサーミア
パルスサーミアは、近年注目されている最新のレーザー治療法です。
イビキメディカルクリニックでも取り入れる治療法であり、従来の外科手術とは異なり、切除を伴わないため、様々なメリットがあります。
深部に影響を与えるレーザーにより、施術箇所の引き締めるため、ほかのレーザーに比べ表面の損傷が少なく済み、施術にはほとんど痛みを伴わずダウンタイムもほとんどありません。
定期的な施術を行う必要がありますが、効果の実感はより高いものとなるでしょう。
内部リンク:最新いびき治療 「パルスサーミア」について
睡眠時無呼吸症候群は治療が必要!まずは原因を明確にしよう
睡眠時無呼吸症候群が起こる原因は様々です。
主な原因には肥満や生活習慣などが挙げられます。中には、骨格やあごの小ささなど生まれ持った体格が影響する場合もあるのです。
また、就寝時に起こるものであるため、そもそも自分自身で症状に気づきづらいといった性質も持っています。
病気の予防や治療を行うためには、原因を的確に把握する必要があります。
何が原因で起こっているのかがわからないという方は、ぜひ一度イビキメディカルクリニックへご相談ください。