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【意外な関係性】歯ぎしりといびきの関係性について

2023.03.20

【意外な関係性】歯ぎしりといびきの関係性について

「歯ぎしりといびきの音がうるさい」と家族に指摘されたことはありませんか?
歯ぎしりやいびきは睡眠の質が低下して、慢性的な疲労を引き起こすだけでなく、一緒に寝ている人の睡眠にも影響を及ぼします。
歯ぎしりやいびきがきっかけで、睡眠時無呼吸症候群に気がつくこともあるので、指摘されたら安易に考えずに病院で診療を受けることが大切です。

今回は、歯ぎしりといびきの関係性や、それぞれの原因・治療法などを解説します。
睡眠時無呼吸症候群を発症しているかのチェックリストも紹介するので、不安な方はぜひ試してみてください。

歯ぎしりといびきの関係性

いびきに悩む夫婦

アメリカのスタンフォード大学が2001年に発表した調査によると、歯ぎしりのある人はない人と比べて、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を持つ割合が3倍多いと報告されています。
歯ぎしりは、眠りが浅いときに発生しやすいことが分かっています。睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が止まる息苦しさなどから眠りが浅くなるため、歯ぎしりの発生と深く関わっているのです。

睡眠時無呼吸症候群は、気道が塞がることで無呼吸やいびきなどの症状が現れます。特にいびきが習慣化している方が多く、睡眠時無呼吸症候群の患者は約9割が日常的にいびきをかいています。
つまり、歯ぎしりといびきは、どちらも睡眠時無呼吸症候群を発症しているか判断するシグナルとなります。

参考:
東京 新宿 歯ぎしりといびき 東京ロンフェルメ耳鼻いんこう科
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の90%以上は習慣的にいびきをかく 無呼吸ラボ

歯ぎしりとは

歯を痛めている女性

歯ぎしりとは、睡眠時や無意識のうちに歯を噛みしめたり、すり合わせたりすることです。
ここでは、歯ぎしりの種類や原因などを解説します。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりを細かく分類すると、以下の3つに分けられます。

・グラインディング:上下の歯をすり合わせる
・クレンチング:上下の歯を強く嚙み合わせる
・タッピング:カチカチと歯を嚙み合わせる

これら3つを合わせて歯ぎしり(ブラキシズム)と呼んでいます。
3つのタイプの歯ぎしりが複合して発生したり、1つだけだったりと、歯ぎしりの症状は人それぞれです。

歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因には、飲酒やストレス、喫煙などがあり、すべて眠りを浅くすることにも繋がります。
就寝前に飲酒すると寝付きがよくなるケースもありますが、喉の渇きやトイレのために何度も目覚めてしまい、結果的には睡眠が浅くなります。
また、ストレスにより自律神経が乱れると、睡眠中に交感神経の働きが優位になり、脳が起きているときと同じ状態になります。
これらの要因により眠りが浅くなり、歯ぎしりが発生しやすい状態になるのです。

その他にも、歯の噛み合わせが悪いと、歯ぎしりを引き起こしやすくなります。特に1本だけ歯が高く他の歯と触れている場合は、歯ぎしりが発生するケースが多いです。
また、虫歯などの治療で詰め物をすると無意識のうちに違和感を覚えて、歯ぎしりが発生することもあります。

慢性的に歯ぎしりが発生すると、歯のすり減りや歯並びの悪化、顎関節症など、口や顎に悪影響を与えるため注意が必要です。
顎や歯に長い時間力が加わると肩こり・頭痛を引き起こし、さらに腰痛や疲労感など全身に問題が発生する可能性があります。

歯ぎしりの治療方法

歯ぎしりの治療は、生活習慣の改善と歯科医院での治療の両面から進めることが大切です。
生活習慣の改善は、飲酒やストレス、喫煙など浅い眠りの原因を無くすようにしましょう。布団に入ったら心配事は忘れて、何も考えずに眠るように意識します。
寝ているときだけでなく覚醒中に無意識で歯ぎしりをする場合は、意識的に顎の力を抜くことも大切です。

歯科医院での代表的な治療方法は、ナイトガードです。
ナイトガードとは就寝中に装着するマウスピースのことで、歯同士が直接当たらなくなり、歯や口の周りの筋肉にかかる負担を減らせます。歯ぎしりのギリギリという音がなくなり、家族の睡眠を妨げなくなります。
最初はナイトガードに違和感を覚えて、睡眠中に外してしまう方もいますが、多くの場合は数日~数週間ほどで慣れます。

参考:
いびき・歯ぎしり治療|茨木市の歯医者 朝倉歯科医院
歯ぎしり | e-ヘルスネット(厚生労働省)

いびきとは

いびきに悩む女性

いびきは、睡眠中に気道が塞がったり狭くなったりして、空気を通すために鼻や喉が振動する音です。
ここでは、いびきの種類や原因などを紹介します。

いびきの種類

いびきには大きく分けて、次の3つの種類があります。

・単純いびき症:ストレスや疲労などにより一時的に発生するいびき
・上気道抵抗症候群:何らかの原因により慢性的に上気道が狭くなり発生するいびき
・睡眠時無呼吸症候群(SAS):上気道が塞がり睡眠中に呼吸が止まる状態になるいびき

単純いびき症は、ストレスや疲労などで一時的に発生するいびきで、原因が取り除かれれば解消することが特徴です。
上気道抵抗症候群は軽症の睡眠時無呼吸症候群と言われていて、悪化すると睡眠時無呼吸症候群(SAS)になります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は気道が塞がり、睡眠中に呼吸が止まります。症状を放置すると心疾患など命に関わる病気を併発するリスクがあるので、早めに診療を受けるようにしましょう。

いびきの原因

いびきの原因は、さまざまな要因により気道が狭くなり、空気を通す際に鼻や喉が振動するために起こります。
気道が狭くなる原因は、肥満による喉付近への脂肪付着や飲酒による筋肉の緩みなどがあります。また、喫煙や疲労など、歯ぎしりと原因が同じケースがあることも特徴です。
子どもの場合は、扁桃腺やアデノイドが肥大して気道を塞ぎ、いびきが発症することが多いです。

いびきの治療方法

慢性的にいびきが発生する方は睡眠時無呼吸症候群が疑われるため、まずは病院で診察を受けましょう。
診察で睡眠時無呼吸症候群ではないと判明したら、いびきの原因を推測します。ストレスや疲労など一時的な身体的不調が理由であれば、原因のもとが無くなるといびきは改善されます。
睡眠時無呼吸症候群が原因の場合の治療法は、後ほど解説します。

参考:
東京でいびき(無呼吸症候群)、歯ぎしり治療ならウケデンタルオフィス
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介- フランスベッド株式会社

歯ぎしりやいびきと睡眠時無呼吸症候群の関係

診断書

歯ぎしりやいびきが日常的に発生しているのであれば、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
しかし、睡眠中に発生していて、自覚症状がない場合がほとんどです。
病院で診察を受けるのが確実ですが、まずは以下のチェックリストで症状が当てはまるか確認しましょう。

・睡眠から目覚めても疲れが取れていない
・起床時に頭痛を感じる
・日中に眠気や疲労感がある
・健康診断などでメタボリックシンドロームの傾向にあると指摘された
・家族などから歯ぎしりやいびきを指摘された
・夜中にトイレに起きる回数が増えた
・顎が小さく二重顎になっている
・高血圧で降圧剤を飲んでも効果が少ない

上記の項目は、睡眠時無呼吸症候群のよくある症状です。複数当てはまる場合は、病院での診療を検討してください。
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や心不全・糖尿病・脳卒中など命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。
自覚症状に乏しく不安は少ないかもしれませんが、重症化する前に受診することが大切です。

参考:
いびき・歯ぎしりなら、千葉市緑区おゆみ野南の「デンタルクリニック 笑がおはいしゃさん」

睡眠時無呼吸症候群の原因

診察をする医師

睡眠時無呼吸症候群の原因は、歯ぎしりやいびきと似ています。ここでは、睡眠時無呼吸症候群の原因について解説します。

肥満や飲酒などの生活習慣

睡眠時無呼吸症候群は、肥満や飲酒などの生活習慣と深い関わりがあります。
肥満気味の方は喉の周りに脂肪が付着して、気道が狭くなり、いびきや無呼吸を引き起こします。飲酒は喉の筋肉が弛緩して気道を狭くするだけでなく、睡眠の質も下がり、睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させます。
また、タバコを吸うと喉や気道が炎症を起こし、気道が狭くなるので、禁煙することも大切です。

顎の小ささなど身体的特徴

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣だけでなく、顎の小ささなど身体的特徴によっても発症します。
例えば、顎が小さいと気道が常に狭い状態になり、いびきや無呼吸が発生します。
睡眠時無呼吸症候群は、中年で太り気味の男性がなりやすいとイメージされている方が多いです。男性は30代を過ぎると脂肪がつきやすくなるため間違いではありませんが、女性は男性と比べると顎が小さい傾向にあり、男女問わず発症します。
肥満や飲酒など生活習慣に問題がないのに、いびきや無呼吸の症状がある場合は、身体的な特徴が原因になっていないか疑ってみましょう。

参考:
もしかすると睡眠時無呼吸症候群かも たてもと耳鼻咽喉科クリニック

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

手の上に置かれたマウスピース

睡眠時無呼吸症候群は、症状の程度や原因などにより治療法が異なります。ここでは、睡眠時無呼吸症候群の主な治療法を解説します。

CPAP療法

CPAP療法とは鼻に装着したマスクから空気を送り出すことにより、睡眠中に気道が塞がらないようにする治療法です。
CPAP療法は無呼吸やいびきを軽減できるので、睡眠の質が改善されます。睡眠の質が改善されれば、日中に眠気や疲労感を感じなくなり、仕事やプライベートに支障が出なくなります。
ただし、睡眠時無呼吸症候群の根本的な原因はなくならないので、肥満の改善や禁酒・禁煙などを同時に進めることが大切です。

CPAP療法は睡眠中にマスクを装着しますが、慣れるのに時間がかかる方もいます。一般的には1~2週間ほどで慣れますが、数か月必要なケースもあります。
まずは日中に数十分くらいマスクを装着して、違和感が少なくなったら就寝中にも装着する方法も有効です。
CPAP療法は長期間続けないと効果が薄いため、途中で諦めないで継続しましょう。

マウスピース(スリープスプリント)

マウスピースは、軽症から中等症の患者に有効な治療法です。
マウスピースを装着して下顎を数ミリほど前に出すと、気道が広がり無呼吸などの症状が改善されます。
マウスピースは睡眠中に装着しますが、CPAP療法と比べて違和感が少なく、気軽に試せる治療法です。CPAP療法がどうしても身体に合わない方には、代わりにマウスピースを勧めるケースもあります。

マウスピースもすぐに効果が出るわけではなく、長期間の継続が大切です。マウスピースは旅行や帰省の際などに持ち運びやすく、CPAP療法と比べると続けやすい治療法と言えるでしょう。

パルスサーミア

従来は、睡眠時無呼吸症候群の根本的な原因を治療するために、口蓋垂や軟口蓋の一部分をメスやレーザーで切って広げる方法が行われていました。
しかし、術後は強い痛みを感じる点や入院が必要な点などデメリットが多く、忙しい社会人は手術に踏み切れない方も多くいます。
最新の治療法であるパルスサーミアは、レーザーを使用して口蓋垂を引き締めますが、切らないためダウンタイムがほぼ発生しません。

入院する必要はなく、レーザーの照射を3~6回ほど繰り返すと効果が表れます。初回のレーザー照射でも50%以上の方が効果を実感していますが、2回目以降では80%以上の方の症状が改善しています。
仕事や育児などで入院している時間がない方でも、気軽に受けられる治療法です。

まとめ

寝ている男性

歯ぎしりといびきは、どちらも睡眠時無呼吸症候群を発症しているか判断するための重要な要素です。
歯ぎしりは睡眠が浅い状態で起きやすく、ストレスや飲酒・喫煙などが原因になります。いびきは気道が狭くなることにより発生し、肥満や飲酒・顎の小ささなどが原因になります。

慢性的な歯ぎしりやいびきがある方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われるため、チェックリストの項目にどれくらい当てはまるか確認してください。複数当てはまるのであれば、病院での診察が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の治療法には、CPAP療法やマウスピース、パルスサーミアなどがあります。最新の治療法であるパルスサーミアは、痛みが少なく入院も不要で、気軽に治療を受けられます。忙しくて仕事を休めない方や、育児で入院できない方は、ぜひ検討してみてください。

【よくある質問】

Q.歯ぎしりはどうしたら治る?

A.歯科医院でナイトガードを作るのが一般的な治療法です。ナイトガードとは就寝時に付けるマウスピースです。ナイトガードを装着すると歯と歯が直接当たらなくなり、歯のすり減りや欠損を防げます。歯ぎしりはストレスや疲労などが原因になっているケースがあり、ナイトガードと同時に生活環境を変えることも大切です。

Q.いびきはどうしたら治る?

A.いびきは肥満や飲酒などにより、気道が狭くなり発生します。バランスの良い食事を摂り、運動の習慣を作るなど生活習慣を改善すると、いびきも減少します。病院で治療を受ける場合は、空気を送り込み気道を広げるCPAP療法やマウスピース、パルスサーミアなどがあります。症状の重さや原因などにより最適な治療が選択されます。

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